フォルクスワーゲン ゴルフ R 「乗り心地抜群の万能高性能スポーツハッチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
4
価格
2

乗り心地抜群の万能高性能スポーツハッチ

2023.6.19

年式
2022年10月〜モデル
総評
これほどまでに万能なスポーツモデルもあまり存在しないと思う。そういった面で言えば唯一無二の存在かもしれない。スポーツハッチは増えたが、ゴルフRほど良い意味でマイルドなスポーツハッチはないだろう。走りの良さは当然あるものの、扱いづらさやハードな部分は無く、運転者も同乗者も笑顔になれるスポーツモデルだ。ただ、金額の高さとナビを始めとした各種操作系の使いにくさ、分かりづらさは大きな欠点。購入前に必ずチェックすべきポイントだ。
満足している点
抜群に総合性能が高いことだろう。ノーマルのゴルフそのままの全幅で街乗りも比較的楽に取り回しできるし、スタビリティの高さを実感できる走行性能の高さと走りの楽しさも兼ね備えている。また乗り心地も抜群にいい。さらに大人4人が座れて、利便性の高いラゲッジスペースが用意されており、実用性も高い。走りにコンフォート性能に実用性にと、「これ一台」でかなり満足できる仕上がりとなっている。
不満な点
値段の高さだ。先代モデルは500万円代半ば…といった具合だったが、現行モデルは優に600万を超える金額となってしまった。確かに総合性能が高く魅力的なモデルではあるが、600万円で買える他の選択肢を見ると「う〜ん…」とも感じる。そしてこれはゴルフも同じだが、ナビを始めとした各種操作系の使いづらさが大きな欠点だ。基本的に物理スイッチはハザードのみで、ナビの操作性もとても悪い。空調もナビを経由していくつもの階層を通らなければならない。この操作系の改善をゴルフファミリー全般にお願いしたい。
デザイン

3

基本的なデザインはノーマルのゴルフと共通していて、専用のバンパーやボディ同色のサイドシルなどが装備される。しかし、あまりRっぽい凄みがないというか、スポーツモデルとしてのデザイン的な演出はイマイチ薄味な気がしてしまう。なんならGTIの方がスポーツ度の高いデザインに感じる。これはRとGTI、それぞれに求めたコンセプトの違いから来るものかもしれないが、もう少し「速いクルマだぞ!」感を出しても良いのではとは感じる。
走行性能

5

FFベースのハッチバックであることを考えれば、走行性能で文句をつけるポイントはほぼない。ボディの剛性感もしっかりとしていてスタビリティも高いため、高い速度域でのコーナリングや加速でも恐怖感はほとんどないし、「フロントが重くなりがちなFFベースの4WD」としてはトラクションもかなり高いと感じる。あらゆる場面でクルマとしての基本性能や走行性能の高さを感じることが出来るハッチバックだ。
乗り心地

5

正直スポーツモデルとは思えないほど、ビックリするくらい乗り心地が良い。コンフォート、スポーツ、レース、カスタムの4つのドライブモードがあるのだが、スポーツモードでも乗り心地は十分快適。コンフォートモードだとラグジュアリーサルーンを思わせるほどで、感じる振動もかなりマイルドだ。目の粗いアスファルトでは少しロードノイズが気になるが、これはスポーティーなタイヤも影響しているものと思われる。
積載性

4

基本的にラゲッジスペースは通常のゴルフと同じだ。容量は380リッターでリアシートを倒すことが出来る。ヨーロッパ車では多く見られるが、アームレストのスルー機構が付いているのが嬉しいポイントだ。実際にラゲッジスペースを見てみても、そこそこ広いといった具合で、先に挙げたスルー機構など各種機能も備わっているので利便性は高い。「ゴルフ」の名前に恥じない実用性を持っていると感じさせる。
燃費

4

WLTCモードで12.3km/Lという燃費性能は、ハイパフォーマンスなエンジンを搭載していることを考えれば妥当と感じる。また、カタログ値と実際の燃費性能との差異があまりない感覚がする点は優秀だと思う。ハイパワーなだけにアクセルを踏めば当然どんどん燃費は悪くなるが、実際に燃費走行を心がけて運転しても「それもアリ」と思わせてくれる乗り味なのがいいところでもある。
価格

2

普段使いもOK、高速道路での疲労度も少なく、楽しい走りと高いスタビリティ、そして胸のすくむ加速…あらゆる性能を高い次元で実現しているゴルフRだが、その総合性能の高さが分かっていても優に600万オーバーという価格はやはり高いと感じる。「Rの名が付いていても、このそつない総合性能の高さがゴルフなのだ」という意見はあるかもしれないが、ここまでの値段となるともっとキャラクターの濃いブランド力のようなものが欲しくなってくる。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
フォルクスワーゲン ゴルフ R 新型・現行モデル

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