トヨタ カローラクロスハイブリッド 「ちょうどいいサイズと積載性」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
5
価格
5

ちょうどいいサイズと積載性

2022.6.21

年式
2021年9月〜モデル
総評
コストパフォーマンスに優れたCセグメントのハイブリッドSUVを買おうと思ったら、カローラクロスハイブリッド以外に選択肢はないといえる状況。クラスを超えた荷室の広さはストロングポイントだが、後席の広さは車格的に下となるホンダ「ヴェゼル」や日産「キックス」に負けている。そこをどう捉えるかが選択のポイントとなってくるだろう。ファミリーカーとして日常の快適性ならヴェゼルやキックスだし、キャンプに行くなど荷室を重視するならカローラクロスにアドバンテージがある。走行性能に関しては、それらに比べると絶対的な動力性能の高さでカローラクロス優勢。
満足している点
「ちょうどいいサイズ感と積載性の両立」がカローラクロスの最大の美点。全長4490mm×全幅1825mmの車体は日本の道路事情でも扱いやすい範囲。「コンパクトボディのヤリスクロスやC-HRではリヤシートやラゲッジスペースが狭いけれど、RAV4やハリアーでは車体が大きすぎる」という人にジャストフィットだ。荷室の広さも魅力。マツダCX-30をはじめホンダ「ヴェゼル」やスバル「XV」などライバルよりも広い。
不満な点
リヤシートの足元スペースが広くないこと。短い全長で広い荷室を用意したパッケージングだから仕方がない部分ではあるが、後席の広さを重視するならホンダ「ヴェゼル」や日産「キックス」のほうがマッチングはいいだろう。ただし、床に対して着座位置を高く設定していることもあり乗車姿勢は適正。ゆとりがないものの、狭くて困るほどではないし大人2人が問題なく座ることができる(これはマツダCX-30の後席も同様だ)。着座姿勢が高い分、セダンやワゴンのカローラよりはひざ回りに余裕があるし居心地もいい。
デザイン

4

バランスのいいプロポーションとしたうえで、張り出しを強調したダイナミックなフェンダーを組み合わせて力強い雰囲気を持っているのがいい。C-HRとは同じプラットフォームでボディサイズも近いが、都会的なC-HRに対してカローラクロスはSUVらしい力強さとしっかりキャラクターを分けている。ちなみにカローラクロスが世界各地で販売されるグローバルモデルだが、日本仕様は専用の顔つき。他地域向けはバンパー開口部ではなくグリルの開口部を大きくした、さらにワイルドなデザインとなっている。
走行性能

4

走ってすぐに実感できるのは、シャシーの素性の良さ。プラットフォームは4代目プリウスから採用が始まった「GA-C」と呼ばれるタイプで、12代目カローラのデビューに合わせて大幅熟成。それをさらに進化させたタイプがカローラクロスに採用されている。直進安定性がよく、コーナリング中もドライバーがイメージしたとおりに曲がってくれるから旋回中のハンドル修正が少ないのが印象的だ。ハイブリッドも「プリウス譲り」のタイプだが、アクセル操作に対する加速レスポンスが格段に進化していてドライバビリティは高い。ちなみに、ハイブリッドは燃費がいいだけでなくガソリン車よりも加速力に優れている。
乗り心地

4

現行カローラシリーズの美点である乗り心地の良さはSUVとなってもしっかりと受け継がれている。強靭な車体とサスペンションが路面からの衝撃をしっかりと抑えつつ車体の揺れもしっかり抑え、乗員の体が上下に揺さぶられにくいのがいい。乗ってみると、荒れた舗装の道を走っても視線のブレが少なく、それは運転のしやすさや同乗者の酔いにくさにつながっている。
積載性

5

仕様により異なるが最大で487L(4WDやスペアタイヤ、AC100V電源などを追加すると床が高くなって容量が減る)のラゲッジスペースはライバルを凌駕。487Lといえばハリアーの490LやマツダCX-5の500Lに迫るのだからクラスを超えている。実車を見ると床面が低いのが印象的だ。ただ、その床の低さゆえに後席を倒して奥行を広げる際は後席部分との段差が大きいが、それを解消したいのであれば販売店オプションで用意している「ラゲッジアクティブボックス」を装着するといいだろう。荷室の床を“上げ底”とすることで、車中泊もできるフラットな床になる。
燃費

5

カタログに記載されているWLTCモード燃費(FF車)はガソリン車の14.4km/Lに対してハイブリッドでは26.2km/Lと1.8倍にも伸びている。実燃費でもガソリン車が街乗りで10km/Lほど、高速道路では15km/Lほどなのに対して、ハイブリッドは街乗りが25km/L、高速道路では23km/Lといった感覚だ。街中での伸びがいいのは停止と発進を繰り返すような状況でモーターを巧みに活用して効率よく走れるからだ。高速道路ではモーターの効率が悪くなることもあって街乗り程の伸びはないが、とはいえガソリン車よりも燃費がいいのは間違いない。
価格

5

驚異的な戦略価格。CセグメントのSUVながらベーシックグレードの「ハイブリッドG」で259万円という価格は驚くほかない。ひとまわり車体が小さくてパワートレインの構成もワンランク下のヤリスハイブリッドの価格が228万4000円。比べるとわずか30万円ほどの差しかないのだからびっくりだ。他メーカーを見回しても、CセグメントSUVのフルハイブリッドモデルがこの価格で買えるのはカローラクロスだけである。とんでもないハイコストパフォーマンス。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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