三菱 eKワゴン 「地味だが実力派のハイトワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
4
燃費
3
価格
4

地味だが実力派のハイトワゴン

2022.12.21

年式
2019年3月〜モデル
総評
軽自動車の存在価値はこの後も高いまま推移するはずだが、電動化への対処も不可欠だ。そうした意味で、ekワゴンもいずれekクロスのハイブリッドシステムを搭載する可能性がある。BEVでは兄弟車である「eKクロスEV」の「ekワゴン」版があっても良い。ekクロスEVの押し出し感を苦手とするユーザーも一定数いるからだ。かつて行なっていたように軽自動車を世界市場へと送り出すことも、この先は考えなければならない。すでにアジア各国からの要望は高い。
満足している点
日本の新車自動車販売のうち約40%強を占める軽自動車。各社はラギット感あふれるモデルやRV色を強めたモデルなどを市場に導入し差別化を図る。一方で、そうした派手な外観を苦手とするユーザーがいる。ekワゴンはそうしたユーザーに寄り添うスタイルと装備で人気を博す。また、ハイブリッドシステム(といっても小モーター)を持たずしてWLTC総合値ではハイブリッドであるekクロスとほぼ同等の値。それでいて18万円程度安価だ。
不満な点
実用車は得てして地味に映る。よって、せっかく搭載している先進安全技術群(レベル2相当のマイパイロットなど)をもっと積極的にアピールすべきだ。現状、ekワゴンは安全装備に関する紹介を積極的にはしておらず、軽自動車ユーザーから選択外になっていると思われる。また、外観はシンプルで筆者好みだが、内装ではekクロスとの差別化をさらに行なうと良いのではないか。メーター内部の表示方法やシート/ステアリングの素材を変えるだけでもいい。
デザイン

4

ekクロスとともに発売されたekワゴンは、オーソドックスなスタイルに優しいマスク、そしてクロームメッキを適所に配した上品さをセールスポイントにする。ボディカラーにはミントブルーメタリックを導入し明るさを強調している。インテリアも明るいベージュ系の色合いを訴求カラーにした。毎日の足となる、買い物にも気負うことなく使える、そんなシーンを想定したクルマ造りだ。一見すると地味だが、落ち着いた雰囲気でekクロスと人気を二分する。
走行性能

3

NAエンジンにCVTを組み合わせた。駆動方式はFFと4WDを用意する。CVTはレシオカバレッジを広くとり、発進加速性能と巡行時の静粛性を両立した。エンジン(52PS/6.1kgm)は決してパワフルではないものの、CVTが常用するエンジン回転域(おおよそ1500〜4000回転)でのトルクが充実しているので2名乗車 荷物程度であればわりと活発に走る。日常走行での走行フィールはスペック以上に活発な印象だ。
乗り心地

3

エアボリュームのある14インチタイヤ(155/65R14)との相性を考えたソフトな乗り味だ。段差を通過した際にはドスンと大きめの衝撃音を伴うが、身体に伝わる衝撃値はとても少ない。これは、ソフトなスプリングレートながらダンパーでしっかり減衰している現れでもある。カーブでは比較的大きめのロールを許すものの、ロール速度はゆっくりしており、車体の戻り速度もコントロールしやすい。よって、同乗者としてもリラックスしていられる走行環境だ。
積載性

4

ボディ構成が同じであるからラゲッジルームなど収納スペースについてはekクロスと同じだ。4名乗車時であってもラゲッジルームには機内持ち込み可能サイズのスーツケース(高さ53.5cm、幅38.5cm)を2個、立てて積載できる。地面から開口部までの高さは665mmに抑えられているので荷物を積み込みやすい。アンダーフロアボックスも完備し、ボードを立てればA型ベビーカー(高さ82cm)も立てたまま積める。
燃費

3

筆者が試乗したのはGグレードのFFモデルだ。試乗ルートは平坦路が多かったこともあり、平均車速35km/h程度で30分ほど試乗した際の燃費値は20.8km/LとWLTC市街地モード燃費(19.4km/L)を7%ほど上回る結果だった。山間部で多人数乗車ともなれば印象も大きく違っていたかもしれないが、試乗後すぐに18km/L台を示し、その後、巡行するに従い燃費数値は徐々に向上していった。20km/L台は平均的な値だろう。
価格

4

ボトムグレード「M」がFFモデルで1,325,500円、4WDモデルで1,457,500円。上位グレードの「G」は1,408,000円/1,540,000円だ。同じNAエンジンにハイブリッドシステムが装着される「ekクロス」の場合、装備や車重がほぼ同一の「G」同士で比較すると、ekクロスが駆動方式を問わず198,000円高い。燃費数値はWLTC値総合で15インチタイヤのekクロスが23.3km/Lだから23.2km/Lのekワゴン(14インチ)とほぼ同一だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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