マツダ CX-8 「モデル末期となっても魅力ある3列シートSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

モデル末期となっても魅力ある3列シートSUV

2024.1.29

年式

2017年12月〜モデル

総評

CX-8は2023年12月で生産を終了し、現在（2024年1月）は各販売店が持つ在庫のみとなっている。24年中には後継モデルとなるCX-80が登場する予定だが、デザイン的にも古さを感じさせず、商品性の高さを維持。3列シートSUVとしてはリーズナブルな価格設定も魅力で、ファミリーユースにもピッタリのモデルだ。

満足している点

CX-5に共通するスタイリングはモデル末期となっても古さをまるで感じさせず、インテリアも上質な仕上がりを見せる。売れ筋となっている2.2リッターディーゼルターボは扱いやすく、経済性にもすぐれるユニットだ。4人乗車時は大容量のラゲッジスペースも得られ、ミニバン代わりとして使うこともできる。

不満な点

ボディサイズが最新のアルファード/ヴェルファイア並みに大きく、狭い駐車スペースや路地では気を遣う。最小回転半径もCX-60が5.4ｍなのに対し、CX-8は5.8mとなる。サードシートは大人でも座れる広さはあるが、座面に対してフロアは浅いので大人ではちょっと辛いかも。

デザイン

5

22年11月の商品改良で前後バンパー、フロントグリル、ヘッドランプ＆リヤコンビランプなどを最新のマツダデザインに変更。なかでも「スポーツ アピアランス」はフロントグリル、シグネチャーウィングをはじめとする各部をブラックでまとめて精悍さと上質さを合わせ持つスタイリングに仕上げられている。

走行性能

4

商品改良でスプリング＆ダンパーの特性を見直し、すべての乗車位置で揺れを軽減。疲れや車酔いを低減するとともにコントロール性を向上させている。たしかに従来型よりも上下動が抑えられており、落ち着きのある乗り味になったような印象もある。ディーゼルターボは実用する回転域でトルクが充実、回せば力強い吹き上がりが得られる。2.5リッターガソリン車でも必要にして十分な性能は得られるが、選びたくなるのはディーゼルターボだ。

乗り心地

4

CX-5よりもホイールベースが長いおかげで直進性にすぐれ、高速クルーズは安定感のある走りが得られる。従来モデルよりも落ち着きのある乗り味でしなやかさもある。フロントシートは一新されており、骨盤を立たせて着座姿勢を安定させるよう、クッションやバネを改良してコーナリング中の乗員上体の安定性を高めるという改良が加えられている。2列目シートはキャプテンもしくはベンチシートをグレードに応じて設定。居心地のよさではキャプテンシートに軍配が上がる。

積載性

4

3列目シートを使用した状態の奥行きはあまりないが、5:5分割のシートバックは荷室側から折りたたむことが可能。定員乗車時でも9インチのゴルフバッグ、A型ベビーカー1台を積める広さがあり、深さのあるサブトランクも設置されているので、ケミカル用品やアウトドア用品をそこに積むことも可能だ。

燃費

4

2.2リッターディーゼルターボのWLTCモード燃費は15.4〜15.8km/L。高速走行のみならば15km/L以上の数値も得られるが、東京〜長野間の約620kmを走行した際のAWDの実燃費は14.1km/L。山岳ワインディングや積雪路もあったことを踏まえると、良好な数値だと言えよう。

価格

5

2.5リッターガソリン車ならば300万円から、2.2リッターディーゼルターボは340万円から購入が可能。内容を踏まえると非常にリーズナブルなモデルだが、2023年12月に生産終了しているので残っているのは各販売店が持つ在庫車のみ。新しいCX-80を待つのもいいが、価格は大幅に上昇するのではなかろうか。