マツダ CX-3 「第6世代商品群の最小SUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
4
価格
3

第6世代商品群の最小SUV

2022.12.21

年式
2015年2月〜モデル
総評
ディーゼル専用車として誕生したマツダ最小サイズのSUVだ。1.5Lターボディーゼルは高回転域までスッと回り、トルクの落ち込みが少ない。このクラスにはレアな存在である6速MTも、積極的に回すと楽しいエンジン特性にはぴったりだった。デザインも良く、それでいて実用性が高い。これも第6世代商品群として新規開発したマツダ車ならではの利点だ。良いものは一つとする精神から改良を加えながら2022年12月現在も販売を続ける。
満足している点
当時の競合車であった、日産「ジューク」やホンダ「ヴェゼル」と比較すると、同価格帯でありながらデザインの質感が内外装ともに良好で、ここが大きな差別化ポイントだった。また、ディーゼルエンジンの太いトルクによって実用領域での走りが良く、さらに高速道路の巡航燃費数値では競合車のハイブリッドモデルを難なく上回るシーンもあった。2022年12月現在、幾度となく小変更などが行なわれているが、基本シルエットは変わらない。
不満な点
基本性能がしっかりしているとはいえ、やはり細部は年数を感じる。設計年次が競合車よりも5年ほど前であることから、たとえば先進安全技術群であるi-ACTIVSENSEの性能にしても若干遅れをとっている。1.5Lディーゼルターボはトランスミッションによる走行フィールが異なる。6速ATはスタートから1秒間ほど加速力が緩い。排気量なりといってしまえばそれまでだが、2018年の大幅改良では1.8Lへと排気量を拡大した。
デザイン

4

マツダが誇る鼓動デザインを採用した最小サイズのSUV。市場に導入された2015年当時、とても斬新だと高い評価を受けていたが、9年目を迎えようとするこの時期でもやはり光るデザインである。具体的には腰高になりがちなSUVを前後のフェンダーアーチモールの形状に工夫を凝らすことで、躍動感あるスタイルを作り上げている。リヤセクションではあえてコンビネーションランプをハイマウントにして前のめりに見えるクラウチングスタイルを強調した。
走行性能

4

導入当初、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D1.5」専用車だった。同じ1.5Lディーゼルを搭載する「デミオ」(現マツダ2)対して、6速ATモデルではCX-3専用制御を加えることでトルク値を2.0kgm太くするとともに、6速AT自体もファイナルギヤを5.9%ほどローギヤード化(各ギヤ段のギヤ比は同一)し、デミオから130kg重くなったCX-3の車両重量に対応している。6速MTモデルも小気味よく、現在の水準でも活発に走る。
乗り心地

3

16インチと18インチタイヤの設定。好印象は16インチだ。16インチはエアボリュームの大きさから微少な振動をうまく吸収しているため、凹凸の大きな荒れた路面であっても身体に伝わる振動は小さい。これは速度域に関係なく、たとえば高速道路であっても高い安定性と快適性を両立させている。対する18インチは入力が大きくなりがちで、とくに後席では突き上げが強くなる傾向だった。カーブの安定性は18インチが高いが総じて16インチが好印象。
積載性

3

5名の定員が乗車した状態で、ラゲッジルームの幅は1000mm、前後長で780mm、容量は350L(サブトランク含む)を確保する。ラゲッジ後半の床面は上下の位置を変えられるフレキシブルボードで、高さのある荷物を積載する際には下段に落とすことで収納力が高められる。前席周りの収納スペースも豊富で細かな荷物の置き場にも困らない。小物を収納した際、こぼれ落ちないよう周囲に角度がつけられており便利だ。
燃費

4

導入当初のカタログに記載されている燃費数値は現在のWLTC値ではなく、JC08モード値。JC08値はWLTC値よりも10〜15%数値が高まる。そうした前提でCX-3の燃費数値は、FFモデルの6速MTが25.0km/L、同6速ATが23.0km/L。これが4WDモデルなると23.4km/Lと21.0km/Lになる。実用燃費数値は4WDモデルの6速MTで16km/L台(市街地)〜24km/L台(高速道路)だった。
価格

3

2015年当時の価格は、ベースグレードの「XD」のFFモデルで2,376,000円。トップモデルの「XD Touring L Package」の4WDモデルで3,024,000円。走行性能と燃費性能のバランスからすれば妥当なプライスといえる。ちなみに当時からマツダはパッケージオプション制をとっており、先進安全技術群である「i-ACTIVSENSE」が選べる「セーフティクルーズパッケージ」がおすすめだった。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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