マツダ キャロル 「マツダの名車がスズキと融合」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
4
燃費
5
価格
4

マツダの名車がスズキと融合

2022.6.24

年式
2022年1月〜モデル
総評
1962年に誕生したキャロルだが、1989年からはスズキとプラットフォームを共有し、1998年からは車体のすべてをアルトと共有して今に至る。つまり誕生から半分以上の車歴はアルトとオーバーラップする。よってスズキの開発現場にキャロルユーザーからの声が多少なりとも届き、それが車体設計に活かされているわけだ。アルト/キャロルファンともに納得のクルマ造りはここに原点がある。
満足している点
軽自動車はボディサイズや開発コストに対し、登録車以上に制約がある。価格にコストを転嫁しづらいからだ。その意味で、開発力に定評があるスズキの力を借りてマツダの名車キャロルを販売することは大きな意義がある。とくに新型となったアルト(キャロル)では、走行性能と燃費性能、相反するふたつの性能を同時に向上させた。この恩恵は当然ながら、キャロルにも受け継がれた。
不満な点
不満らしい不満がない。なぜならば法規対応とはいえ998,800円で「デュアルカメラブレーキサポート」である衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術が搭載され燃費数値にしても格段に良い。強いて挙げるなら、正しい運転姿勢へと近づけるという意味で、GL/GSグレードにもステアリングを上下に調整させるチルト機構が付けばさらに良かった。
デザイン

4

スズキ代表モデル「アルト」のOEM車両として販売される。スズキ→マツダのOEM法則通りボディや室内に変更はない。この型になって、ボディのルーフ部分をグッと張り出させたことで室内高と室内幅にゆとりが生まれた。デザイン上のアクセントにもなっているが、軽乗用セダンでありながら大きく見えつつ、アイコン的なエッセンスにつながる。2トーンのボディカラーも見栄えがいい。
走行性能

4

本家アルトと同じく、0.66Lエンジン+エネチャージ、0.66Lエンジン+2.6PSの小型電動モーターによるマイルドハイブリッドシステムの2タイプだ。エネチャージモデルには4WDを用意し、トランスミッションはすべてCVT。車両重量の軽さと専用のCVTレシオ設定によって、驚くほどよく走る。スタート時にはサッと回転を上昇させて速度をのせて、その後、低い回転域で巡航する。
乗り心地

5

プラットフォームにはスズキが誇るハーテクト技術の最新世代を用いる。高い剛性を誇る車体は高速道路の継ぎ目もサラリといなし乗り心地がとてもマイルドだ。それでいてカーブでもじんわりゆっくり車体を傾け滑らかに走り抜ける。この型となりサスペンションが改良され、タイヤサイズが14インチへ1インチ大径&偏平化された。ブレーキサイズも大きくなり、より安定した制動力が得られる。
積載性

4

容積型の軽ミニバンとは違いセダンボディだ。よって広大なラゲッジルームは望めないが、それでも後席を倒せば荷室長は1225mmある。斜めに積み込めば大概のものは積載できる。地味に良かったのは全高が1525mmとこの手にしては低いため、必然的にリヤゲートの開け閉め用ノブの位置も低い。ゲートそのものも軽いため操作性がよく、荷物の積み下ろしが苦にならない。
燃費

5

試乗したのはエネジャージモデルの「GL」FFモデルだが、驚くほど燃費数値が伸びた。680kgの軽量ボディを滑らかに加速させていくだけで、市街地で24km/L、高速道路で30km/L、右に左に曲がりくねった山道での登坂路は実質的にほぼアクセル全開走行だが、そこでも7km/L台。試乗区間の総合燃費は23.3km/Lだった。素のままでSDGsへの貢献度が大きい。
価格

4

エネチャージの「GL」が998,800円(4WDが1,129,700円)、マイルドハイブリッドシステムの「GS」が1,097,800円(同1,228,700円)、「GX」グレードが1,259,500円(キャロルに4WDの設定はない)。最低でも99,000円高くなるが余裕があるならGS以上がいい。エンジンの70%近いトルクを電動モーターが加勢するため40km/h付近までの走行性能が段違い。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
マツダ キャロル 新型・現行モデル

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