レクサス RX 「クルマに強いこだわりはないけど、高級なクルマが欲しい人向けのSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

クルマに強いこだわりはないけど、高級なクルマが欲しい人向けのSUV

2021.5.27

年式

2015年10月〜モデル

総評

全体的に｢クルマに強いこだわりはないけど、高級なクルマが欲しい｣という人なら問題ないが、輸入車を知っている人だと厳しい。そのためRX300の購入を考えているなら、同等の価格で買える輸入車のプレミアムSUVも検討することを勧める。

満足している点

日本での開業から約16年が経ったこともあり、日本でのレクサスのブランドイメージも向上しつつある。そのため普通の人にはレクサスも欧州プレミアムブランドに近い存在に見える点やボディサイズを考えると、価格とまわりからのイメージのバランスは良好だ。

不満な点

内外装は輸入車に負けず、サービスは輸入車以上だが、肝心なクルマとしての完成度が輸入車にまったく届いていないこと。そのあたりが｢輸入車からレクサスに乗り換えた｣という人をほとんど聞くことがない大きな理由ではないだろうか。

デザイン

3

エクステリアは初代と2代目のハリアーを正常進化させながら、スピンドルグリルを盛り込むなど、現代のレクサスらしさを備えているという印象。三角形の角を取ったようなガラス面積の小さいクォーターウィンドウの形状は個性的だ。

走行性能

3

車重が1.9トンから2トンあるため、2リッターターボを搭載するRX300の絶対的な動力性能は並レベルといったところ。またRX300などが搭載するトヨタの2リッターターボは低回転域のトルク感とレスポンスがイマイチのため、常用域のアクセル開度が多くなりがちな点が気になる。

乗り心地

3

標準仕様は柔らかめなサスペンションなのにも関わらず、乗り心地は輸入車にまったく届いておらず、ちょっと前のトヨタ車と大差なしという印象。スポーティな引き締まったサスペンションを持つFスポーツの方がハンドリングと乗り心地のバランスはいい。

積載性

4

ボディサイズが大きいだけにラゲッジスペースの床面積は車格相応に広い。バックウインドウの傾斜が強いクーペルックのため、高さのある大きなものを積むという使い方には向かないが、高級ラージSUVというポジションを考えれば大きな問題ではないだろう。

燃費

2

実用燃費は9km/L程度と、2リッターターボを搭載する同クラスの輸入車に対し見劣りする。その大きな理由が前述した常用域でのアクセル開度が大きいことで、早急な改善を望みたいが、トヨタの2リッターターボはあまり売れていないこともあり、大きな改良はされずにこのまま姿を消してしまうかもしれない。

価格

2

500万円台前半から600万円台中盤というRX300の価格は、ミドルプレミアムSUVのボルボXC60などに近く、RX300がボディサイズを含めラージプレミアムSUVとなることを考えれば、それなりにお買い得とも言えるかもしれない。