アウディ RS3(セダン) 「5気筒エンジン搭載のモンスター」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
3

5気筒エンジン搭載のモンスター

2022.12.21

年式
2022年4月〜モデル
総評
このクラスのスポーツセダンはこの先、どんどん電動化が進む。さらにBEVへの早期移行も考えられる。事実、BMWではこのクラスをBEV化しラインアップを拡充しつつある。そうしたなか、RS3は性能、サイズ、実用性、どれをとっても日本市場にフィットする。確かに高額だが、所有満足度は高いはずだし、国内外の競合車と比較しても単に高価なだけでない。個人的には優れた走行性能と扱いやすい実用性を兼ね備えた貴重な一台だと考える。
満足している点
全長4540mm、全幅185mm、全高1410mm、最小回転半径5.1mと日本の道路事情でも扱いやすいボディサイズ。そしてハイパフォーマンスといえども2.5Lの排気量なので自動車税の負担もそれほど高くない。また、アウディ/フォルクスワーゲングループの先進安全技術群をフルスペックで備えていること、そしてアウディが大切にしてきた高い実用性など、理想的なスポーツセダンといえる。大胆なカラーリングも魅力のひとつだ。
不満な点
性能を誇示するかのようなデザイン、とくに外装パーツの派手な出で立ちを好まないユーザーもいるだろう。その点はRS3に限ったことでなく、ひとつ下のスポーツモデルであるS3セダンにもいえることだ。もっとも、インテリアは外装ほどの派手さはなくベーシックモデルとそれほど変わらない黒を基調としたシックな色合いでまとめられている。このギャップをよしとするか、それとも整合性がとれていないと判断するか。ここが判断の分かれ目になりそうだ。
デザイン

4

一つ下のスポーツモデルである「S3」と造形が同じように思えるが、前後バンパー形状は結構な違いがある。ヘッドライト周りからグリル周辺までをブラックアウト化し、より開口面積が大きくなったようなデザインに変更。リヤバンパーも4本出しから大径の左右2本出しとして、バンパー下部のディフューザー形状を強めている。サイドは一転、シンプルな面構成でまとめ上げた。ホイールは専用デザインの19インチ(5本スポークY型デザイン)だ。
走行性能

4

直列5気筒2.5Lターボエンジンは、400PS/5600〜7000回転、51.0kgm/2250〜5600回転を発揮する。組み合わせるのはSトロニックと呼ぶDCT(デュアルクラッチトランスミッション)で7速タイプ。なにしろ最大トルクの発生回転域が広いからどこからでも加速するイメージ。それでいてパワーもしっかり7000回転まで持続する。車両重量は1600kgだから、公道では扱い切れないほどの速さ。が、荒々しさはなくスムース。
乗り心地

4

これだけのエンジンパフォーマンスなので、足回りもビシッと固められていると思いがちだが、実際はかなり柔軟な設定だ。しっかりと19インチタイヤを履きこなしつつ、シャシーコントロールでは電子デバイスである「RSダンピングコントロールサスペンション」が加わるので、市街地走行のしなやかさから、サーキットでのハードな減衰特性まで多彩なキャラクターだ。セダンらしく後席での快適性も確保され、たとえば乗降姓は標準モデルと同じく優れている。
積載性

4

定員乗車時(5名)のトランクルーム容量は321Lだ。ベースと同じくトランクルームの床面はフラットで、とくに横方向に広いから荷物が積み込みしやすい。また、トランリッドはバンパー上部から開くので開口部が広くとられ、しかも出っ張りがない。こうした高い実用性をスポーツグレードであっても保っているあたりはさすがドイツ車だ。トランクフードを支えるアームにもカバーがなされ、さらにフードを閉めた際に荷物と干渉しない格納タイプを用いた。
燃費

3

ここは期待できない部分かと思えるが、ゆっくり走らせれば数値は伸びる。エンジンがロングストローク型であることから、ターボの過給効果が本格的に始まる前からトルクが出ている。これも数値を伸ばす要因だ。肝心の値はWLTC値の総合で11.1km/L、市街地では7.7km/Lだが、高速道路では13.5km/Lまで伸びる。ちなみにJC08モードが11.4km/Lと乖離が少ない。これは実用領域での燃費数値に優れている証の一つだ。
価格

3

8,390,000円と高額だが、パフォーマンスを考えれば妥当だ。国産ではこのクラスで肩を並べるパフォーマンスとなるとレクサス「IS500」(8,500,000円)あたりとなる。405PSを発揮する日産「スカイライン400R」(5,899,300円)もスペックの上ではライバルだ。しかし、実際の走行性能ではRS3が群を抜く。この先は純粋なエンジン車、とりわけ欧州のスポーツモデルは少なくなることが考えられる。購入検討者は急いだほうが良さそうだ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
アウディ RS3(セダン) 新型・現行モデル

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