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[新型アル・ヴェル試乗] アルファード/ヴェルファイア 新3.5ℓV6エンジンの実力は?

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[新型アル・ヴェル試乗] アルファード/ヴェルファイア 新3.5ℓV6エンジンの実力は?

マイナーチェンジを受けたばかりのLサイズ高級ミニバン、トヨタ・アルファード/ヴェルファイア。今回のマイナーチェンジのトピックのひとつは、新3.5ℓV6エンジンを搭載したことだ。

現行アルファード/ヴェルファイアがデビューしたのは、2015年1月。3年経ってのマイナーチェンジで大きく進化した。
エンジンは、2.5ℓ直4DOHC(2AR-FE型)と2.5ℓ直4DOHC(2AR-FXE型)+THS2のハイブリッド、そして3.5ℓV6エンジンだ。

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マイナーチェンジ前も3.5ℓV6エンジン搭載モデルは存在したが、それは2GR-FE型V6エンジン。そして組み合わせるトランスミッションは、アイシン・エィ・ダブリュ製6速ATだった。
今回新たに登場したのは、2GR-FKSエンジン+アイシン・エィ・ダブリュ製8速ATの組み合わせだ。「FE」から「FKS」に変わったわけだが、その進化の度合いは大きい。
出力は、280ps(FE型)から301ps(FKS型)へ21ps向上。
トルクは、344Nm(FE型)から361Nm(FKS型)ヘ17Nm向上した。


GRシリーズは、ボアピッチ100.5mmのアルミブロックに鋳鉄ライナーを仕込んだオープンデッキシリンダーを持つエンジン。2GR-FKSは、トヨタ得意のD-4S(直噴+PFI)を採用。吸排気VVTは、Dual VVT-iWへと進化した。これは中間ロック機構を付加した上で、従来の油圧VVT-iと比較してバルブタイミングの可変範囲を拡大したタイプだ。

アル/ヴェルシリーズで、3.5ℓV6が締める割合は、約10%だという。40%がハイブリッド、約半数が2.5ℓ直4、というのがおおよその割合だ。つまり、3.5ℓV6エンジンを選ぶのは、当然のことながら「走りを重視する」ユーザーだ。


実際に乗ってみて、そのパワフルさは、車重2160kg(ヴァルファイアExecutive Lounge Z[7m人乗り])の重さをさほど感じさせない。アクセルを深く踏めば華々しいV6サウンドを響かせながら充分以上の加速力を見せる。なにせ300psオーバーなのだ。
加速している時に、エンジン音が聞こえるのは、高級ミニバンであろうと、悪くない。アクセルを深く踏み込んでいるのだから、エンジンサウンドが聞こえる方がいい。

エンジンがFEからFKSに変わったことより、トランスミッションが6速ATから8速ATヘ変わったことの方が大きなトピックかもしれない。
アイシン・エィ・ダブリュ製のAWF8G45型8速AT(トヨタはDirect Shift-8ATと呼ぶ)に変わったことで、8速のギヤ比は0.673、最終減速比は3.003となった。トータルでの減速比は、2.021。MC前のV6(FE型)は、6速のギヤ比が0.608、最終減速比が3.935。トータルの減速比は2.392。
走行抵抗や空気抵抗を考えずに単にギヤ比だけで計算すると、
新型の100km/h、8速走行時のエンジン回転数は1530rpm程度となる。
MC前モデルのそれは、6速1800rpm前後だったから、300rpmほどエンジン回転が低くなる計算だ。これは高速巡航時の車内の静粛性、燃費に効いてくるだろう。


ちなみに、3.5ℓV6モデルはハイオク仕様で、JC08燃費が10.6km/ℓ(2WD Executive Lounge Z[7m人乗り])。試乗した際の燃費計は7.8km/ℓと表示していた。
同じく試乗したハイブリッド仕様の2WD Executive Lounge Z[7m人乗り]は、カタログ燃費が18.4km/ℓに対して試乗車の燃費計は12.2km/ℓだった。
ハイブリッドとV6の燃費には大きな違いがある(しかもハイブリッドはレギュラー仕様)。それでもV6を選ぶユーザーは、走り重視、エンジンのフィーリング重視で燃費をあまり気にしない人たちだろう。
実際に、走って楽しいのはV6だった。2.5ℓ+CVT仕様は試乗できなかったが、走りの愉しさでは、やはりV6+8ATがアル/ヴェルシリーズでトップだと思う。

10%のユーザーのために、3.5ℓV6モデルを設定するトヨタ開発陣の心意気、素敵だと思う。効率だけでは、高級車の世界、ブランドを構築するのは難しいのだから。


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