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VWアルテオン 本命? 2.0Lガソリン仕様に試乗 「アツくなれない」

掲載 更新
VWアルテオン 本命? 2.0Lガソリン仕様に試乗 「アツくなれない」

■どんなクルマ?

日本人にとっても、本命モデルか

VW「アルテオン」に初試乗 興奮なし、プレミアム感もあと一歩

フォルクスワーゲンの新たなフラッグシップとなるアルテオンは、ウォルフスブルグ的にはファストバックと呼ぶ高級5ドアだ。今回の試乗車は、そのガソリン仕様のトップモデルである。

この仕様には、4モーションこと4WDと、7速のDCT(DSG)が標準装備される。エンジンはフォルクスワーゲングループの幅広い車種に搭載されるEA888型2.0ℓターボで、このアルテオンのそれはゴルフGTIを上回る280psを発生。最新ホットハッチに比肩する0-100km/h加速タイムをマークする。

このユニットを積むアルテオンは、英国では「エレガンス」と「R-Line」の2グレードを設定。今回の試乗車は後者で、標準装備の可変ダンパーに、ローダウンスプリングを組み合わせる。


■どんな感じ?

感情論で買ってもいいかもしれない

先に試乗レポートをお届けしたディーゼル仕様と同じく、今回のガソリン版アルテオンも見るべきところの多いクルマだ。

スタイリング重視のこの手のクルマで、ここまでキャビンの広いクルマはないし、インテリアのクオリティや装備類の洗練度も上々だ。

感情任せの買い物というのは恐ろしい結果を呼ぶこともあるが、アルテオンはそれもいいだろう。

このセグメントにおいて、スタイリングの象徴的な地位を築いているわけでも、最も夢中になれるドライバーズカーというわけでもないのだから、購入は好き嫌いに頼ることになる。

エンジンはフォルクスワーゲンのそれらしく、静粛性の高い洗練性とスポーティな攻撃性を併せ持つ。

低回転でのクルージングでは静かだが、スポーツモードでは人工音がスピーカーから加えられることもあって音量が増す。自動変速のギアボックスとのマッチングも念入りに行われ、変速はタイムリーかつスムーズだ。


「アツくなれない」

1600kgを超える車重と、フォルクスワーゲンの他のパフォーマンスモデルよりやや劣るトルクのせいで、驚くほど力強いとは感じられないが、2.0 TSIはフレキシブルで、スロットルペダルへのレスポンスは常に鋭く、飛ばす気になったときの回転域では単調さを微塵も感じさせない。

そして、ディーゼルのときと同様に、速さより活発さを強く感じさせる。とはいうものの、アウトバーンでも走行車線ならば問題ない程度には速いのだが。

R-Line仕様のスポーツサスペンションは、乗り心地やハンドリングにさほど影響を与えない。以前乗ったエレガンス仕様のディーゼルと比べて、多少は路面のタッチがわかりやすい程度だ。

スポーツモードでは、高速道路での乗り心地に、ディーゼル車と異なる振動を感じ取るかもしれない。

一方で、オプションの20インチホイール装着車ならば、より鋭い入力を受けると、前回のディーゼル車で感じたものとほぼ同じ衝撃に見舞われる。

このクラスのライバルと比較すると、ステアリングはクイックで、ハンドリングはやや敏捷だ。しかし、そのステアリングは重さやコミュニケーションに欠け、ハンドリングは走りに熱くなれるものではない。


■「買い」か?

「プレミアム」を謳うには、まだ早い

もし、速くて洗練されたミディアムサイズのサルーンが欲しいなら、そして、アウディやアルファとは違うアルテオンの個性が好きになれるのであれば、もちろんおすすめしよう。

しかし、個人的には少なくない気になる要素もある。

実にハンサムなCCの後継モデルとしては、スマートだが美しいとは言えない。また、これが欲しいというのも理解できるが、多くの点で既存のプレミアムブランドに対抗しうるものではない。

本格的にプレミアムブランドと競合できる選択肢を求めているユーザーに、その機会が残されていないわけではない。

ウォルフスブルグの上層部は、アルテオンのエンジンルームには6気筒の収まる余地があると語っており、実際にそのプロトタイプも製作されている。

ただし、それが生産されるかについては、今のところまったくの未定だ。

フォルクスワーゲン・アルテオン2.0 TSI 280 R-Line

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