プレミアムコンパクト・クラスで初のプラグインハイブリッド、A3 スポーツバック e-tronが2015年10月7日に発表され、11月12日から発売される。発売に先立って試乗することができたので早速レポートしよう。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>
アウディを含むフォルクスワーゲン・グループは、低炭素社会に向けて独自の戦略を立てている。アウディの場合は「tronシリーズ」を打ち出し、FCVは(h-tron)、天然ガス/水素とCO2から製造する合成ガス(g-tron)、そしてプラグインハイブリッド(e-tron)を展開するとしている。もちろん、これ純電気自動車の「e」シリーズも存在するが、グループ全体での本命はtronシリーズの展開とされている。
そして、燃料電池車のh-tron、g-tron、プラグインハイブリッドのe-tronまで、大きな設計変更なしに搭載できるということを目指し横置きエンジン/FFレイアウト用にモジュラー・ボディ/シャシーのMQBが採用されているのだ。
今回登場したA3もそのMQBを採用しており、A3スポーツバックe-tronに続いて登場したゴルフGTEも、ほぼ共通の構成のプラグインハイブリッド・システムを採用している。グループ内でこの新たなFF用のプラグインハイブリッドはアウディA3をベースにまず最初に開発されているのだ。
A3スポーツバックe-tronは、1.4LのTFSIエンジン(150ps/250Nm)を搭載し、6速Sトロニック・トランスミッションを採用。そしてエンジンの中間に強力な交流同期型モーターとトランスミッション断続用のクラッチを追加搭載している。このため従来からのデュアルクラッチにもうひとつのクラッチを加えた3クラッチの構成となる。ハイブリッドとしてはパラレル式のハイブリッドシステムだ。トランスミッションの上部にインバーターなどパワーエレクトロニクスを搭載している。またこの配置のため、エンジンの搭載位置は標準モデルより60mm右側に移動されている。
コンパクト、薄型にまとめられたモーターは定格出力75ps(55kW)、最高出力109ps(80kW)、最大トルク330Nmという強力な力を発揮する。モータートルクはエンジンのそれを上回っているのがポイントだ。システム総合出力は204ps/350Nm。このため0-100km/h加速は7.6秒と動力性能は高く、燃費一本槍のプラグインハイブリッドではなく、走りを重視したシステムといえる。
リヤシート下側に容量8.7kWhのリチウムイオン電池のパッケージを搭載。40Lの容量を持つ燃料タンクはリヤのラゲッジスペース下側に配置されている。なおノーマル・モデルのガソリン・モデルは50Lの容量だ。このガソリンタンクのレイアウトにより、ラゲッジルームの床の高さが高くなり、ラゲッジ容量は380Lから280Lに小さくなっているのはやむを得ない。
車両重量は、A3 1.4 TFSIが1330kgで、A3スポーツバックe-tronは1570kg。モーターやバッテリーなどを含め240kgほど重くなってるわけだ。一方、燃費はJC08モードで23.3km/L。バッテリーの電力のみで走るEVモードでの航続距離はJC08モードで52.8km、EV走行での最高速は130km/hとなっている。またガソリン、電力を併用するハイブリッドでの航続距離は900kmを越える。
充電時間は、200V充電で最大3時間、100V充電では9時間を要する。なお200V用の壁面取り付けタイプの充電器「アウディ・チャージングドッグ」もオプション設定されている。またこの充電設備の工事費は15万円の補助金を受けることができる。
◆インプレッション
さて早速試乗してみよう。エクステリアはいくつかのe-tron専用装備が加えられ、インテリアにも専用のメータパネルや走行モード切替スイッチが新設されているが、室内のデザインや、質感の高い仕上げ、普通のA3と同様のセレクトレバー、パドルなどの配置になっているため、プラグインハイブリッドという特別感は薄く、普通のA3から乗り換えても戸惑いはまったくない。
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