同じ車速でも各ギヤでエンジン回転数が違うためシフトチェンジの際に調整すること
F1マシンが、まだ3ペダルのHパターンシフトだった時代、ミケーレ・アルボレートやネルソン・ピケは世界一のシフトチェンジャーと言われていた。それはただ単にシフトチェンジが速いだけでなく、シフトチェンジの際、的確に回転数を合わせ、ミッションを痛めることがなかったからだ。
【MT車で見かける】ギヤチェンジの際に1回空ぶかしする人がいるけど意味はある?
この回転を合わせるとはどういうことなのか。クルマのカタログに、走行性能曲線というグラフが載っているのを見たことがあるだろう。このグラフを見ればわかるとおり、同じ車速で走る場合、ギヤが違えばエンジンの回転数は変わってくる。たとえば車速が80km/hの場合、2速なら5500回転、3速なら3800回転、4速なら2900回転、5速なら2000回転といった具合だ。各ギアと車速、エンジンの回転数にはこのような関係があるので、上記の例でいえば、80km/h=2速=5500回転で走っていて、3速にシフトアップする場合、クラッチを切って、アクセルを戻し、エンジンの回転数がちょうど3800回転までドロップした瞬間に、ギアを2速から3速に入れてクラッチをつなげば、エンジン側のギヤ(ドライブギヤ)とタイヤ側に出力されるギヤ(ドリブンギヤ)の回転数がピタリと一致して、スムースなシフトチェンジが行える。
ちなみにトランスミッション内のすべてのギヤは常時噛み合っているのだが、シフトレバーで選択されたギア以外はエンジン回転数に合わせて空転した状態になっている。
つまり、次にシフトチェンジするギヤも、いま繋がっているギヤと同じ回転数で回って待機しているので、シフトアップするときも、シフトダウンするときも、次のギヤに合った回転数に合わせないと、ギアはすんなり入ってくれない……。(シフトダウンの際は、逆にクラッチを切って、アクセルをひと吹かししてエンジンの回転数を高めておかないと、回転が合わない。ヒール&トゥが必要になる理由のひとつ)。
シンクロ機構があっても回転を合わせないとギヤの痛みが早くなる
それを手助けしてくれるのが、いわゆるシンクロ機構。シフトレバーと連動しているスリーブ(ギヤとシャフトを結合パーツ)が動くとき、スリーブがシンクロナイザーリングを次のギアに押しつけることで、摩擦力が生じ、ハブの回転数と次のギアの回転数を近づかせ、同期させることで、ギヤを入りやすくしてくれているありがたいシステムだ。
しかし、このシンクロ機構も、1000回転単位の回転差を、一瞬で同期してくれるようなシロモノではないので、各ギヤの回転差をほとんど気にせず、でたらめなシフトチェンジをすると、シフトレバーを動かそうとしても、ギヤがなかなか入らなかったり、入れるときにギヤが鳴ったり、シフトショックが大きくなる。
こうしたシフトチェンジを繰り返せば、当然、ギアも傷むし、シンクロナイザーリングも早く消耗しその働きも弱まってしまう……。というわけで、シンクロ機構はあくまで微調整用のアシストと考え、できるだけドライバーのペダルワークを含めたシフトワークによって、各ギアの“回転数を合わる”のが、運転の達人への道。
回転が合っていたかどうかという判断は簡単で、ギヤがスムースに入り、クラッチをつないだときにシフトショックがなければ大成功! 上手に回転を合わせられたときは、シフトは吸い込まれるように、スッと次のギヤに入っていくし、反対に回転の同期が不十分なときは、シフトが入りたがらず、抵抗が大きい。
当然のことだが、同期が上手くシフトチェンジのスキルが高い人は、ギヤやシンクロが傷まないので、長期間オーバーホールなどが不要で、走行距離が伸びても良好なシフトフィールが維持できる。
前記の往年のF1ドライバー、アルボレートやピケなどは、レース後、ミッションをバラしたとき、他のドライバーよりギヤなどのキズや鉄粉が圧倒的に少ななく、ミッショントラブルの発生回数が少なかったので、世界一のシフトチェンジャーと評されていたのだ。
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