現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【もはや伝説】クルマ好きが熱狂したレース「グループA」って何?

ここから本文です

【もはや伝説】クルマ好きが熱狂したレース「グループA」って何?

掲載 更新
【もはや伝説】クルマ好きが熱狂したレース「グループA」って何?

基本は市販車そのままの外観で闘うレースカテゴリー

グループAとは、国内レースでは、1985年から1993年まで全日本ツーリングカー選手権で採用されていた競技車両のレギュレーションのことだ。

【ニッポンの名車】先進メカニズムで武装した三菱スタリオン

ツーリングカー=市販乗用車がベースのカテゴリーで、自分の愛車もしくは街で見かけるクルマたちが主役のレースということもあり、絶大な人気を誇り、グループAでの最後のレースとなった1993年のインターテックには9万4000人もの観客が富士スピードウェイに集まった。

連続する12カ月間に5000台以上生産された4座席以上の車両がベースで、外観はスポイラーなど空力パーツを含め、ノーマル形状を保つというのがルール。エンジンは量産部品の原型が確認できれば、研磨や加工は自由。ピストンのみ変更可能だったが、ブーストアップなどは自由。メーカー公認パーツを追加する裏技もあり、かなりのパワーアップが可能だった。

ただし、タイヤサイズには細かい規定があり、幅は7から9インチまで、ホイールサイズの拡大は市販車から最大2インチまでだったので、タイヤのキャパ以上のエンジンチューニングは必然的に不要になるように考えられていた。

また排気量による最低重量も決まっていて、ベース車両のポテンシャルがものを言う代わりに、改造コストが安く、多くのクルマが参戦できて、非常にコンペティションなレースになるよう工夫されたレギュレーションだった。

ヨーロッパでは、このグループA規定で、ETC(ヨーロッパツーリングカー選手権)が盛んに行われ、1985年にそのETCのチャンピオンカー、ボルボ240ターボが、富士スピードウェイで行われたインターTECに参戦。「FLYING BRICK=空飛ぶレンガ」と呼ばれた無骨なスタイリングからは想像できない速さで、スカイラインなど国産勢に大勝。ジャガーXJSなども速く、国産車と欧州車には大きな壁があることを知らされる。

この圧倒的な強さが刺激になって、のちにGT-Rが復活するのは有名な話。

16年振りに復活した日産スカイラインGT-Rが29戦29勝を達成!

なお、このグループA規定には、年間500台生産すればエボリューションモデル(進化型)も公認するというルールがあり、フォードシェラやトヨタスープラ・ターボA、日産スカイラインGTS-R、ベンツ190E2.5-16、そして2クラス(1601~2500cc)で大活躍するBMWM3など、グループAのホモロゲーション(公認)を取るためだけに、追加された過激なエボリューションモデルが登場し、ヒートアップしていった。

そしてこのグループAレースで圧勝することを命題に掲げたクルマが日本から登場。それが16年ぶりに復活したスカイラインGT-R(R32)だったのは言うまでもない。GT-Rは当初の狙い通り、国内外のライバルをすべて蹴散らし29戦29勝を達成。

このため、クラス1(2501cc以上)はGT-Rのワンメイク、クラス2は、BMW M3オンリー、クラス3(1600cc以下)は、シビックとレビンのみとなり、最後まで絶大な人気を誇りながら、1993年でグループAレースは閉幕。JTCCやBTCC、あるいはDTMなどの新しいツーリングカーレースにバトンタッチしていくが、ベース車両に魅力がなく、徐々に人気は衰退していった……。

なお、ラリーカーでもグループA規定はあり、こちらは連続する12か月間に2500台以上生産された4座席以上のFIA公認車両。車体の外観および材質は市販状態をキープするのがルール。エンジンは2リッターのDOHCターボで、34φのリストリクターの装着が義務付けられたため、パワーの上限はおよそ300馬力(ラリーカーは、公道が舞台になるため)。国産車では、トヨタセリカや三菱ランサーエボリューションが、一時代を築いている。

こんな記事も読まれています

テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
レスポンス
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
AUTOCAR JAPAN
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
くるまのニュース
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのニュース
日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
AUTOCAR JAPAN
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
レスポンス
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
Auto Messe Web
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
LE VOLANT CARSMEET WEB
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
日刊自動車新聞
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
カー・アンド・ドライバー
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクブロス
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
くるまのニュース
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
バイクのニュース
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
くるまのニュース
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
レスポンス
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

129.8172.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.079.0万円

中古車を検索
キャパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

129.8172.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.079.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村