「マツダがミニバン撤退」という衝撃的な見出しが躍った。これは日本経済新聞が29日に報じたもの。記事はマツダは「プレマシー」「ビアンテ」「MPV」の3モデルについて次期モデルの開発は行わず、経営資源を売れ筋のSUVに振り向けると伝えている。
本件についてマツダ広報に問い合わせたところ、「マツダが発表したものではないのでお答えできない」とのこと。また今後の計画については「具体的な商品計画についてはコメントできない」との回答で、具体的な情報を得ることはできなかった。
ただ、プレマシー、ビアンテ、MPVの3モデルがミニバン市場で苦戦しているのは本当だ。たとえば2016年1月の登録台数を見ると、ミニバン市場は5万4379台(※1)で、このうちマツダの3モデル合計の登録台数は881台(※2)。市場占有率は1.6%に過ぎない。
現行モデルのデビュー時期は、プレマシーが2010年7月、ビアンテは2008年7月、MPVは2006年2月で、製品ライフサイクルで見ればプレマシーは成熟期の後半、他2モデルはすでに衰退期を迎えている。いずれにしてもこの間フルモデルチェンジを行わず、SUV系では「CX-5」と「CX-3」が登場。これら2モデルの1月の合計登録台数は5171台(※2)で、市場占有率は15.3%(※1)と市場で優位を保っている。
こうして見ると「経営資源を売れ筋のSUVに振り向ける」ということについては、すでにマツダは実行中と見ることもできる。
また、マツダは今年2月、アメリカおよびカナダ市場向けの3列シートSUV「CX-9」の生産を本社宇品第1工場で開始している。かなり大柄なSUVだが、今後日本で発売される可能性もあるかもしれない。日本市場に向けてダウンサイズした仕様の登場もあり得ない話ではない。
マツダがSUVに注力するというのは事実としてありそうだが、果たして本当にミニバン市場から完全に撤退してしまうのか。今後の動向に注目だ。
※1 編集部調べ
※2 日本自動車販売協会連合会発表のデータより
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