現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【海外試乗】BMW X5 M /X6 MはSUVの枠を飛び越えた新世代ハイエンドスポーツ

ここから本文です

【海外試乗】BMW X5 M /X6 MはSUVの枠を飛び越えた新世代ハイエンドスポーツ

掲載 更新 1
【海外試乗】BMW X5 M /X6 MはSUVの枠を飛び越えた新世代ハイエンドスポーツ

第3世代に進化したX5とX6に待望の「M」が登場した。多くのユーザーに受け入れられ、今や稼ぎ頭に成長したSAVとSACのMモデルはどう進化したのだろうか?(Motor Magazine 2020年5月号より)

ブラックダブル縦格子の入ったキドニーグリルがMの証
BMWのハイパフォーマンスモデルをプロデュースするM社の2019年における販売台数が13万5826台と記録的な数字となると同時に、13万2136台を販売したメルセデスAMG社を抜いて、このセグメントにおけるトップに立った。このM社の好調を支える要因のひとつとして、SUVがある。SUVは現在、全売上の30%近くにまで販売台数を増やしているが、M社では半数近くがSUVなのだ。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

そのベーシックな理由はもちろん、SUVが本来持っている高いドライビングポジション、スポーティでアクティブなキャラクターに加え、高い実用性があるが、その結果MやAMGなどにおいては低く狭く、せいぜい大人2人と子供2人しか乗れないこれまでのスポーツカーに対して大人4人がゆったりと乗れて走りにも妥協のない、リアルスポーツカーとして受け入れられ始めたのだと思う。

そして、今回試乗したこのX5 MとX6 M、そして両モデルのコンペティションバージョンこそ、その新しいスポーツカーの最右翼なのではないかと思う。

私の面前に現れた3世代目のX5 MそしてX6 M(そしてコンペティションモデル)はM独自のブラックダブル縦格子の入ったキドニーグリル、三次元のフロントインテークフレーム、レース環境にも耐えるエアボリュームを確保する大きなエアインテーク開口部、さらにエアロドアミラー、22インチタイヤ(オプション)を覆うオーバーフェンダーを装着。

そしてリアに回るとアクティブディフューザー、Mマフラー、ルーフスポイラーなどで他を威圧するように佇んでいた。 またボンネットの下にはMツインパワーターボテクノロジーを搭載した、スタンダードで600ps(441kW)と750Nm、コンペティションで625ps(460kW)を発生する4.4L V8
ツインターボエンジンを収めている。0→100km/hを3.8秒、最高速度は250km/hだが、オプションのMドライバーズパッケージで290km/hまで引き上げることが可能である。

一部のスキもない走りは一流スポーツカーそのもの
走り出して気がつくのは無類にスムーズな8速AT、そして全体に締め上がった印象を与えるボディとシャシだ。これはしっかりとしたエンジンマウント、Mスポーツシャシのおかげだ。やや硬めのミシュランのスポーツタイヤでもスピードを上げると快適なことこの上ない。

一方で峠道では、操舵にやや力が必要だがクイックで正確なステアリングのおかげで、2.3トンの巨体を忘れるようなスポーツ走行が楽しめる。このセッションでもっともドライバーの気分を高揚させるのはV8エンジンからのやや甲高いエキゾーストサウンドだ。

ステアリングポスト上のM1そしてM2ボタンを押すと公道では憚られるようなクイックなレスポンスが楽しめる。また、Mコンパウンドブレーキも頼もしい。2.3トン超の巨体を驚くほどの制動力でコントロールする。100km/hから停止までは0→100km/hとほぼ同じ3.4秒しか要しない。

ほぼ同時期に試乗したAMGのV8エンジンを搭載したハイエンドモデルには48Vのマイルドハイブリッドが搭載され、負荷の少ないコースティング時はエンジンが停止して、「後ろめたさ」が多少だが薄まった。しかし、X5 MとX6 Mは本音を隠さず、ぐいぐいとドライバーをMの世界へ引きずり込み、環境への配慮はアイドリングストップだけで済ませている。

こうした気になる点もあるが、大人4名と相当な量のラゲッジを安全に運べるという自動車の建前と、600ps(あるいは625ps)のビッグマシーンを操る楽しみを与えてくれるM社の2台のSUV(BMW的にはSAVとSAC)は、冒頭に述べた新世代のハイライダースポーツカーの相応しい資質を持った魅力溢れたハイエンドスポーツモデルであった。

もちろん、それなりの出費は覚悟しなければならずBMWのプライスリストによれば日本の価格は、X5 Mコンペティションが1859万円、X6 Mコンペティションは1899万円となっている。ちなみに、X5 MそしてX6 Mのスタンダードバージョンは当面日本市場への導入はなさそうだ。(文:木村好宏)

■BMW X6 M コンペティション主要諸元
●全長×全幅×全高=4941×2019×1693mm
●ホイールベース=2972mm
●車両重量=2370kg
●エンジン= V8DOHCツインターボ
●総排気量=4395cc
●最高出力=625ps/6000rpm
●最大トルク=750Nm/1800-5600rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=1899万円

[ アルバム : BMW X5 M /X6 M はオリジナルサイトでご覧ください ]

関連タグ

こんな記事も読まれています

セミダブルのマットで寝られる広さが魅力! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
セミダブルのマットで寝られる広さが魅力! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
今こそ再販してほしいのが日産[R32]スカイラインクーペタイプM! 元オーナーとして熱望するベストバランス[FRスポーツ]よもう一度!!
今こそ再販してほしいのが日産[R32]スカイラインクーペタイプM! 元オーナーとして熱望するベストバランス[FRスポーツ]よもう一度!!
ベストカーWeb
FP1は大雨の影響で不完全燃焼なセッションに。なおもマクラーレンのノリスが最速。角田裕毅12番手|F1カナダGP
FP1は大雨の影響で不完全燃焼なセッションに。なおもマクラーレンのノリスが最速。角田裕毅12番手|F1カナダGP
motorsport.com 日本版
F1カナダGP FP1速報|今週末は連日雨模様に!? 直前の大雨に翻弄されたFP1はノリスが首位。角田裕毅は12番手
F1カナダGP FP1速報|今週末は連日雨模様に!? 直前の大雨に翻弄されたFP1はノリスが首位。角田裕毅は12番手
motorsport.com 日本版
井戸田潤、即決レベルのクルマ登場に大興奮!即購入で番組終了か!?
井戸田潤、即決レベルのクルマ登場に大興奮!即購入で番組終了か!?
グーネット
三菱「ミニキャブ トラック」日本カーシェアリング協会へ3台寄贈 能登半島地震復興を支援
三菱「ミニキャブ トラック」日本カーシェアリング協会へ3台寄贈 能登半島地震復興を支援
グーネット
前まで白が多かったのに……レクサスみたいなディーラー増えてない? [自動車ディーラー]がこぞって黒っぽくなる理由が納得すぎた
前まで白が多かったのに……レクサスみたいなディーラー増えてない? [自動車ディーラー]がこぞって黒っぽくなる理由が納得すぎた
ベストカーWeb
いつも心にスポーツマインドを。ホンダ シビックの歩み【名車の生い立ち】
いつも心にスポーツマインドを。ホンダ シビックの歩み【名車の生い立ち】
グーネット
アウディ 新型EV「Q6 e-tron」後輪駆動モデルを追加 航続距離は最大641km
アウディ 新型EV「Q6 e-tron」後輪駆動モデルを追加 航続距離は最大641km
グーネット
新型ホンダ「WR-V」純正ナビにぴったりサイズ 液晶保護フィルム 反射防止で見やすさアップ
新型ホンダ「WR-V」純正ナビにぴったりサイズ 液晶保護フィルム 反射防止で見やすさアップ
グーネット
RVパークで車中泊!絶景のサンセットタイムが魅力の“夕日海岸”など 5施設がオープン!
RVパークで車中泊!絶景のサンセットタイムが魅力の“夕日海岸”など 5施設がオープン!
グーネット
新型「コルベットE-Ray」国内初披露にファンが沸いた!シボレーファンデイ2024開催
新型「コルベットE-Ray」国内初披露にファンが沸いた!シボレーファンデイ2024開催
グーネット
中古車・既販車への載せ替えに!ホンダ純正「8インチディスプレイオーディオ」適用拡大
中古車・既販車への載せ替えに!ホンダ純正「8インチディスプレイオーディオ」適用拡大
グーネット
ボルボ 新型「EX90」生産スタート 航続距離600kmのフラッグシップ電動SUV
ボルボ 新型「EX90」生産スタート 航続距離600kmのフラッグシップ電動SUV
グーネット
シートの後ろを有効活用!車載用シートフック登場 耐荷重8kg、片手に収まるコンパクトサイズ
シートの後ろを有効活用!車載用シートフック登場 耐荷重8kg、片手に収まるコンパクトサイズ
グーネット
不変の人気、AE86を着る!トヨタ公認デザインTシャツ発売 キャムショップ
不変の人気、AE86を着る!トヨタ公認デザインTシャツ発売 キャムショップ
グーネット
トヨタのマイク・コンウェイ、サイクリング中の事故でル・マン欠場へ。代役は昨年までドライブのロペス
トヨタのマイク・コンウェイ、サイクリング中の事故でル・マン欠場へ。代役は昨年までドライブのロペス
motorsport.com 日本版
ドゥカティのライダーが決まった一戦。ヤマハは唯一の強みを捨てた?/MotoGPの御意見番に聞くイタリアGP
ドゥカティのライダーが決まった一戦。ヤマハは唯一の強みを捨てた?/MotoGPの御意見番に聞くイタリアGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • Mが好きで乗ってるが、こないだ自称クルマ好きだというオッサンに「BMW良いねぇー」と声を掛けられ、クルマ好きというから「Mは特に良い」って答えたらMを知らんかった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1972.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

320.01458.0万円

中古車を検索
X5Mの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1972.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

320.01458.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村