東京オートサロン2024で初公開された特別仕様車のスバルWRX S4 STI Sport ♯。2024年1月28日まで限定500台の抽選受付を行っているのだが、果たして先代モデルのSTI Sport ♯と比べてお得なのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/ベストカーWeb編集部、スバル
500台限定で600万円超えに価値あり? 実は先代より割高かも!? 「WRX S4 STI Sport ♯」はホントに納得できる価格なのか
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■今回のSTI Sport ♯はノーマルからプラス121万円!
東京オートサロン2024で出展された500台限定の特別仕様車WRX S4 STI Sport ♯
オートサロン2024で初公開された特別仕様車「WRX S4 STI Sport♯」(プロトタイプ)の価格はなんと623万7000円。ベースとなったのはノーマル仕様の最上級グレード「WRX S4 STI Sport R EX」(502万7000円)。
さまざまな特別装備を採用していることもあるワケだが、果たしてノーマル比121万円の価格差が妥当なのかどうかが気になるところだ。というのも先代モデルに当たる初代WRX S4にもSTI Sport ♯は設定されていたからだ。
そこで、装備やノーマルとの価格差などから今回のWRX S4 STI Sport ♯が価格に見合ったものなのかどうかを詳しく検証してみたい。
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■先代モデルのSTI Sport ♯はノーマルプラス57万円!
先代WRX S4 STI Sport ♯は2020年7月に発表され、同年10月まで受け付けていたが、早々に完売。こちらも500台限定の特別仕様車だった
STIコンプリートカーのSTI Sport ♯は先代WRX S4で第1弾モデルが登場。2020年7月に発表された。同年10月22日まで500台限定で先行予約を受け付けていたのだが、その価格は474万1000円だった。
ベースとなったのは先代WRX S4のトップグレード、STI Sportアイサイトでその価格は416万9000円。STI Sport ♯との価格差は57万2000円。つまり、今回のWRX S4 STI Sport ♯のノーマルプラス121万円と比べて半分ほどの価格差で購入することができたのだ。
今回のSTI Sport ♯でSTIモデル初採用となったのがニュル24時間レースの知見がフィードバックされたSTI製BBS19インチフレキシブルパフォーマンスホイール
もちろん、今回のSTI Sport ♯にはシリーズで初めて採用された特別な装備もある。それが前後で形状の違うSTI製BBS19インチフレキシブルパフォーマンスホイールだ。
同車の開発を担当したSTIの高津益夫開発副本部長によれば、これまでのSTIのニュル24時間レースでの知見が盛り込まれており、STIがこだわり続けている「ハンドルを切った瞬間のクルマの応答性」を向上させるため、前後で最適化を施した形状の違った専用ホイールになっているという。
わずかなハンドル操舵角からクルマが思いどおりに動いてくれるので、思いのままに走れる楽しさと安心感に加え、ハンドリングの気持ちよさ、また路面の轍やうねりなど外乱に対しても修正舵が少なくて済むため、直進安定性に優れているホイールだという。
■このほかにもさまざまな専用装備を装着しているのだが……
ブラック×シルバーの引き締まった専用コーディネートを採用した今回のWRX S4 STI Sport ♯のインテリア
走りの性能にかかわるパーツでは、STIフレキシブルドロータワーバー(フロント)をはじめ、フレキシブルドロースティフナーを前後に装着し、スバルパフォーマンストランスミッションフルードクーラーも装着している。
また、外装系では通常ディーラーオプションで設定される小型トランクスポイラーをはじめ、フロントグリル、ドアミラーカバー、シャークフィンルーフアンテナにクリスタルブラックシリカ塗装を施してある。
さらに、インテリアではノーマルのボルドーからブラック基調にシルバーの差し色を入れた専用の「ブラック×シルバー」コーディネートとし、ウルトラスエード+合成皮革のRECAROシートをフロントに採用。インパネトリムやセンタートレイ、フロアコンソールリッド、ドアアームレスト、シフトブーツをブラックカラーに統一し、シルバーステッチを施している。
それを含めても……今回のWRX S4 STI Sport ♯の623万7000円って少々お高くないだろうか? というのも先代モデルのSTI Sport ♯の走りの装備がかなり充実していたからだ。
■先代よりも「走り」に直結するパーツの採用が少ない?
先代WRX S4 STI Sport ♯はSTI製低背圧オイルクーラー、STI製低背圧パフォーマンスマフラー&エキゾーストパイプを装着していた
先代WRX S4 STI Sport ♯は今回と同じく特段のエンジンパワーアップはない。しかし、STI製低背圧オイルクーラー、STI製低背圧パフォーマンスマフラー&エキゾーストパイプの装着によって通気抵抗を低減させていた。
FA20ターボの最高出力300ps、最大トルク40.8kgmはノーマルと同じなのだが、これらのパーツ装着によって加速中のエンジントルクをノーマル比で最大10%アップさせていた(STI実験値)ほか、アクセル操作に対するレスポンスを高めていたのだ。
また、STI製低背圧エアクリーナーエレメントと強化タイプラジエターファンを装着。先代WRX S4の数少ない弱点である冷却性能をも強化していた。この走りに直結するパーツの採用が今回のWRX S4 STI Sport ♯にはない。
目玉がニュル24時間の知見が盛り込まれたホイールなのはいいが、それ以外のパーツが先代型STI Sport ♯よりもどうしても見劣りしてしまう。
先代WRX S4のアプライドB型に乗り続ける自分としてはそろそろ次期愛車を考えているのだが、今回のWRX S4のSTI Sport ♯はこのあたりがどうも気になって、抽選受付のエントリーをしないまま悩んでいる。う~ん……。
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みんなのコメント
WRXの名を冠して高値で販売するには余りにも足りなさすぎる。