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新設計のパワーユニットで極上の乗り心地を追求したベントレーのプラグインハイブリッドモデル「フライングスパー」

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新設計のパワーユニットで極上の乗り心地を追求したベントレーのプラグインハイブリッドモデル「フライングスパー」

 ベントレー「フライングスパー」に新設計のパワーユニットを搭載した次世代のハイエンドモデル「フライングスパー ハイブリッド」が追加された。新開発のV型6気筒DOHC、2.9ℓガソリンエンジンと、電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、14.1kWhのリチウムイオンバッテリーで、外部充電機能を備えたプラグインハイブリッド。

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気になる新しいパワーユニット

V6エンジンは、Vパンク内にツインスクロールターボと一次解媒コンバータを搭載、50度まで可変するカムシャフトを備えている。モーターの出力は136PS、トルクは400Nm。これに2.9ℓエンジンが416PS、550Nmを発することでのシステム出力は544PS、750Nmと発表されている。動力性能は0→100km/h、4.2秒、最高速285km/hが公称値だ。

今回の試乗車の0→100km/hは5秒台後半だったが、これまでの例だと4秒台は出せるものと思われる。新しいパワーユニットの「フライングスパー」がどのような走りなのか、さっそく確かめることにした。



 試乗したモデルはベーシックモデル。走行距離は約5000km。電池への充電量は100%を示しており、Eモードでの走行可能距離は45kmを示していた。プレス資料によると電気モーターのみでの走行可能距離は40km以上(欧州WLTP認証中)と記されているのでほぼ公表値どおり。これはあまり体験できない。たいていはメーカーの公表値を下回る。このあたりに「フライングスパー ハイブリッド」の実力の高さが見えてとれる。

 スタート前にモードボタンを選択する。これまでのV8、V12ではモードダイヤルが装備されていたが、ハイブリッドはそれに加えてボタンでの選択もある。モードはEVに関してで、EVドライブモード、ハイブリッドモード、ホールドモードの3モード。ボタンを押して自分自身でも電池の使用を管理できるが、電池残量の自動管理機能もある。

 各モードでの動きだが、EVドライブモードは、クルマの電源を入れると設定されるモード。電気モーターだけで走行する。ハイブリッドモードはナビゲーションに走行ルートを設定すると、データに基づき効率性と航続距離を最大限に引き出す。電池の電力を効率的に利用できるように計算してくれる。長距離旅行などでは、目的地近くの町などに入った時に備え、電池に電気を蓄え、街中はEVモードで走行できるように計算してくれる。

 ホールドモードは、走行中に充電もできるモード。ドライバーがドライビングモードでSportモードを選択すると、ホールドモードになり、ブーストと回生が確実に行なわれる。充電は効率よく行なわれるようで、街中での走行でも十分に対応していた。



あくまでもジェントルな静かな加速

 それぞれのモードの動きを理解し、いよいよスタート。室内の装備などはW12、V8の「フライングスパー」と変わらない。スタートボタンを押すと、ダッシュボード中央のウッドパネルが回転し、12.3インチのタッチスクリーンが表れる。最初の画面はナビゲーションなど。次に回転させると3つの丸型小径メーターが表示される画面だ。ここには外気温度、方向盤、クロノメーターの小径メーターが3連で並ぶ。さらに回転させると、ウッドパネルになり、インパネ全体がシンプルになるというデザインだ。



 EVモードで走ると、V6エンジンはかからず、フライングスパーハイブリッドは走る。スタートからの動きは、スムーズだが一部のEVサルーンにあるような過敏な加速はしない。あくまでもジェントル。モーターのトルク感はあまり感じない。静かに加速する。40km以上をモーターで走行すると、V6、2.9ℓガソリンターボも始動する機会が多くなる。V8エンジンは軽いうなり音を伴なって回転を上昇させる。うなり音は4000回転を超えると、高まる。メーターパネルのエンジン回転計は8000回転までで、6800回転からがレッドゾーン。V6エンジンはレッドゾーン手前まで、音を伴なって上昇していく。

 初めてのV6、2.9ℓエンジンは、音や振動の部分でまだ改良の余地はありそうだ。ハンドリングは、軽いV6エンジンなどの影響もあり、回頭性はクイック感があるが、路面の凹凸などで、路面への吸いつき感は、V12、V8モデルに比べると、これもあと一歩。試乗車はオプションの前275/35ZR22、後315/30ZR22サイズのタイヤを装着していたが、ハイブリッドモデルはノーマル仕様の20インチタイヤのほうが、乗り心地やハンドリングの面でも良いのではないだろうか。そんな感じがした。

 ハイブリッドモデルになり、細かいところでは後部のトランクスペースだが、奥行きは約1mでW12やV8と変わらないが、荷室高は約7cm低い(というか床面が高くなっている)。サブトランクはなく、アームレストスルー機構も設定されていない。電池のためにトランクスペースは狭くなっている。

 ベントレー初のハイブリッド電動モデルはまだエンジンとのマッチングにスムーズさが欠ける部分もあった。しかし、ベントレーは2025年までに純電気のEVラグジュアリーサルーンの発売を昨年に公言している。ハイブリッドの「フライングスパー」はガソリンエンジンとEVを楽しめる希少な存在となりそうだ。価格は2636.7万円。

■関連情報
https://www.bentleymotors.jp/models/flying-spur/flying-spur/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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みんなのコメント

3件
  • カッコいいなあ。
    同じイギリス発祥のジャガーなんかは無国籍デザインになってから青息吐息だし
    ロールスなんかよりもデザインが良いと思う。
    VWは値付けも上手いしホント、ベントレーブランドを上手く引き継いだと思う。
  • どことなく中国車っぽく感じたのは私だけだろうか?車体は確かに大きく、欧州車の覇者(車)のような出立ちは感じられるがどこか中国人ウケを狙っているかのような雰囲気も感じてしまう。
     富裕層向けの車だから当たり前とも言えるが、中国向きに作るということは、短期的な販売台数の増加と引き換えに、ダサさやブランド力低下を招くことを肝に銘じた方が良い。
     EVセダンに関しては、すでにAUDIで出しているからベースはできているので、あとはベントレー用に調整すればよいだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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