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【最新スーパースポーツ試乗】ランボルギーニの新フラッグシップ激走! 1015hpスーパーPHEV、レヴエルトの新世界

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【最新スーパースポーツ試乗】ランボルギーニの新フラッグシップ激走! 1015hpスーパーPHEV、レヴエルトの新世界

時代は変わってもランボの象徴はV12エンジン!

「電動化の波が押し寄せるなかで、V12エンジンを守り続ける最善策は何か?」この命題に対するランボルギーニの正式回答がレヴエルトである。
 ランボルギーニはV12エンジンとともに誕生したブランドだ。そのことは、1963年に発表された第1作目の350GTがV12ユニットを積んでいたことからも明らか。以来、彼らが手がけるフラッグシップには、必ずV12が搭載されてきた。

ランボルギーニはいつの時代も挑戦的。V12・PHEVスポーツ、最新レヴエルトに込められた“猛牛”の野生の本質

 しかし、CO2排出量削減が声高に叫ばれているいま、自動車メーカーは好むと好まざるとにかかわらず、電動化を押し進めなければいけなくなった。それはランボルギーニも同じことである。

 しかし、ただでさえ重く大きいV12エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせれば、スーパースポーツカーとして受け入れがたいほど車重がかさんでしまう。

 この問題をクリアするため、ランボルギーニはまず軽量なカーボンモノコックを採用するとともに、ハイブリッド用バッテリーを車体中央に積んで前後重量バランスを最適化した。そして前輪を2基の電気モーターで駆動することで、左右の駆動力を電子制御。クルマのコーナリングを助けるトルクベクタリングを可能としたうえで、4WDを採用し緻密な姿勢制御を実現した。さらにリアにも電気モーターを搭載し、より強力なエネルギー回生と駆動力制御を具現化したのである。
 エレクトロニクスの力を借りてハイブリッド化に伴う重量増の影響を最小化し、軽快なハンドリングを生み出すこと。それがレヴエルトの開発で最重視されたテーマだった。

 レヴエルトは新開発の6.5リッター・V12自然吸気エンジンをキャビン背後に搭載。これにフロント2基+リア1基のモーターとリチウムイオンバッテリー、新設計の8速DCTを組み合わせている。システム総合出力はなんと1015hp、パワーウェイトレシオは1.75kg/hp、トップスピードは350km/hに達する。まさにスーパースポーツである。

自由自在なハンドリング。レヴエルトは電動化で新時代の運動性能を手に入れた

 ランボルギーニの新フラッグシップを、イタリアのヴァレルンガ・サーキットで試乗した。
 走り始めてまず感じるのは、驚くほどの軽快さである。ステアリングを切り込むと、すっとストレスなくノーズの向きが変わる俊敏さは、従来のアヴェンタドールでは決して味わえなかった。しかも、ステアリングからは豊富なロードインフォメーションがもたらされ、不安感は皆無。今回の試乗ではストレート上で270km/hオーバーまで体験したが、超高速域における直進性にもまったく不満を覚えなかった。

 付け加えれば、270km/h以上まで簡単に到達できてしまうのだ。動力性能が強烈であることはいうまでもない。しかも、ターボエンジンのように特定の回転域で急激にトルクが高まることはなく、回転数の上昇にあわせてパワーが直線的に立ち上がる。このため、速度コントロールは容易。したがって、強大なパワーが生み出されているにもかかわらず、ドライバーが恐怖心に襲われることもない。

 いつものように、ランボルギーニのインストラクターが操る先導車のペースは驚くほど速い。追いつくために私もレヴエルトに鞭を打った。それでもモーターとV12エンジンからなる4WDシステムは強大なトラクションを生み出し、コーナー出口で多少早めにスロットルペダルを踏み込んだ程度では後輪のグリップが失われることはなかった。ステアリングを切った方向にいつもノーズがスッと向く、実に素直なコーナリングだ。

 その一方、アンダーステアやオーバーステアの兆候はステアリングを通じてしっかりと伝わってくる。タイヤの限界を大きく超えてスピンするような事態には陥らない。いや、実際には多少のアンダーステアやオーバーステアは起きていたのだが、それを電子制御システムが目立たないように補正してくれているのだ。おかげで、危険な目に遇わなくて済んだと理解するほうがフェアだろう。

 レヴエルトが安定した姿勢を守り続けたのは、サーキット走行用のコルサ・モードを選んでいたおかげであることが後に明らかになる。というのも、ドライビングの楽しさを優先するスポルト・モードを選んだ途端、コーナーの立ち上がりで強めにスロットルペダルを踏み込むと、後輪がきれいにアウト側に流れるようになったからだ。これをカウンターステアで切り抜ける痛快さは、刺激的で超快感。もっとも、これも電子制御システムが影で見守ってくれているからこそ安心して楽しめる「技」である。

 いずれにせよ、リアヘビーなアヴェンタドールでは、ここまで自由自在なハンドリングを生み出すことはできなかった。レヴエルトは、重量バランスの最適化とハイブリッドシステムによる駆動力制御により新時代のドライビングダイナミクスを実現している。電動化は環境問題に対応するだけでなく、スーパースポーツの魅力を強化するうえでも絶大な効果を発揮している。

ランボルギーニ・レヴエルト主要諸元

グレード=レヴエルト
価格=8DCT 未定
全長×全幅×全高=4947×2033×1160mm
ホイールベース=2779mm
乾燥重量=1772kg
エンジン=6.5リッター・V12DOHC48V
エンジン最高出力=825hp/9250rpm
エンジン最大トルク=25Nm/6750rpm
フロント:モーター=350Nm×2
ミッションモーター=110kW/150Nm
システム出力=1015hp
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:265/30ZRF21/リア:335/25ZRF22
駆動方式=4WD
乗車定員=2名
0→100km/h加速=2.5秒
0→200km/h加速=7秒以下
最高速度=350km/h以上

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みんなのコメント

3件
  • kao********
    新しい事やるのは良いことだけど、ちょっと先の未来ではランボだけでなく他のスーパーカーブランドもこの手のハイブリッドとか電動車が黒歴史になってそうな感じする。
    「あの時代のはねー」的な。
    故障した時にとりあえずシフトロックとかハンドルロックが解除出来ないとかはやめてくださいよ。

    今時はこの手の車壊れてもレッカーの手配がまぁ付かないのですが、その理由がそういうところにあります。
    メカニカルキーで始動す?シンプルなMTならどんなに壊れても何とでもなるんですが、今のはもうディーラーメカニックですら「わかりません」「やったことありません」ばかりです。
  • sad********
    顔はアヴェンタドールほどのカッコよさはないなぁ
    大ヒットモデルの次の作品は大変だな
    1000馬力とかもうわけわからん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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