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なぜブレイクできなかったのか!? 時代を先取りしすぎた? 残念至極のクロスオーバーSUV5選

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なぜブレイクできなかったのか!? 時代を先取りしすぎた? 残念至極のクロスオーバーSUV5選

 街乗りでも快適さを損なわず乗用車感覚で乗れるクロスオーバーSUVは人気車種も多く、今や大激戦のカテゴリー。しかし、出せば何でもヒットするわけではなく、鳴かず飛ばずのモデルだってあったのだ。そんなブレイクできなかったクロスオーバーSUVを紹介しよう。

文/木内一行、写真/トヨタ、日産、マツダ、三菱

なぜブレイクできなかったのか!? 時代を先取りしすぎた? 残念至極のクロスオーバーSUV5選

■「SUVテイストにアレンジされた異色のスカイライン」日産スカイラインクロスオーバー

フロントマスクにV36スカイラインの面影は残るものの、それ以外は完全にSUVフォルム。全幅は1.8mオーバーだが全長は4635mmと、決して大柄ではない。駆動方式はFRのほか、アテーサE-TSを用いたフルタイム4WDを設定する

 スカイラインと名乗りながら、まったくソレっぽくないのがこれ。スカイラインクロスオーバーだ。

 それもそのはず、もともとはインフィニティブランドの「EX」として開発されたクロスオーバーSUVなのだから、スカイラインと名乗るのも少々無理がありそうだ。

 とはいえ、クーペとSUVを融合させたというスタイリングは、同時期に販売されていたV36スカイラインと似たようなフロントマスクだし、FRレイアウトらしいロングノーズのプロポーションもスカイラインに通じるものがある。

 エンジンだって330psを発揮する3.7LのV6を搭載し、マニュアルモード付きの7ATをドッキング。スカイラインの名に恥じないパワフルな走りと、スポーツカー的なドライビングの楽しさを味わわせてくれる。

 しかし、販売面では苦戦し、やむなくひと世代で終了。クルマとしての魅力は決して低くはないため、スカイラインを名乗らなければ違う結果になっていたのでは……と感じさせる一台である。

■「GMと共同開発したアクティブ系クロスオーバー」トヨタ・ヴォルツ

「ヴォルツ」と聞いてパッと思い浮かぶ人は、そう多くないだろう。それほどヴォルツはマニアックなクルマだ。しかし、斬新なコンセプトや遊び心満点の作りは目を見張るものがあり、「残念なクルマ」のひと言で片付けるには惜しい存在なのである。

 生い立ちも一風変わっていて、トヨタとGMが共同で企画・デザインを行い、トヨタが設計と評価を担当。両社の合弁会社である米国のNUMMIで生産し、日本に輸入される、いわば輸入車だ。

 外観は、SUVのデザインとステーションワゴンの機能性を融合させ、個性的なフロントマスクや大径タイヤ、クラッディングパネルなどでアクティブ系スタイルを創出。室内も樹脂製フロアを採用するとともにフロアレールやフックを装備し、アウトドアでの使いやすさを実現している。

 その一方、2ZZ-GE搭載車には4ATのほかに6MTも設定。走りを楽しみたいユーザーへの配慮も忘れられていない。

 イロモノと思われていたヴォルツだが、実はアクティブに使えるだけでなく、走りも楽しめる新感覚のクロスオーバーだったのだ。

■「SUVでもスポーツカーの雰囲気と楽しい走りを」マツダCX-7

大径タイヤを四隅に配置し、スポーティで力強いスタイルを実現。ボンネットから独立するように張り出したフロントフェンダーが特徴的で、フロントグリルはマツダのファミリーフェイスのファイブポイントをイメージしている

 クロスオーバーモデルといってもさまざまで、マツダが2006年に送り出したCX-7は、SUVとスポーツカーを融合させた「スポーツクロスオーバーSUV」だった、

 大きく傾斜したフロントウィンドウや立体的に張り出したフェンダーなどのディテールを取り入れ、スポーツカーのスピード感やSUVの持つ力強さを表現。「一羽の鷹がメトロポリタンの摩天楼から地上を見下ろしている」ことをイメージしたという。

 見た目だけでなく、室内でもスポーツ性は感じられる。シリンダー形状の3眼メーターやワイドなセンターパネル、センターコンソールを高めに設定してシフトレバーとドライバーの位置関係をスポーツカーと同様にするなど、雰囲気作りも充分だ。

 もちろん、走りもスポーツカーとSUVの融合にふさわしい実力を備えており、パワフルかつ軽快な走りが楽しめる。

 デビュー時には、ハリアーやムラーノがクロスオーバーSUVとしてすでに市民権を得ていたが、CX-7は完全に不発。しかし、マツダらしい走りの楽しさを持つ「Zoom-Zoom」なSUVだったことは間違いない。

■「VR-4の走りにハッチバックの利便性をプラス」三菱ギャランスポーツ

 三菱の中核として長年活躍し、ラリーのイメージも強いギャラン。7代目では派生車種として「ギャランスポーツ」が登場。その名から、走りを意識したモデルを想像してしまうが、実際にはスポーツスペシャリティとライトRVのクロスオーバーという、なんとも不思議なクルマだった。

 欧州仕様の5ドアがベースになったギャランスポーツ。GTのスポーティな走りと、RVの持つ遊び心、この両方を持つ新しいコンセプトのクルマとして「GTRV」をキーワードに開発された。

 エアダム一体型バンパーにはバンパーガードが装着され、ルーフレールと大型リアスポイラーも装備。これだけで、一気にRVっぽく見えるのだから面白い。室内だって、分割可倒式リアシートの採用により、自在に使えるラゲッジスペースを実現した。

 メカニズムは基本的にギャランと同じで、上級グレードには2リッターV6ツインターボにフルタイム4WDを組み合わせ、VR-4譲りの運動性能を発揮する。

 ちなみに、キャッチコピーは「ワゴンよりスマート、セダンよりワイルド」だった。

■「シンプル&ナチュラルなデザインは女性ウケも抜群」日産ラシーン

 最後までここに入れるかどうか悩んだのがラシーン。そこそこ売れたし、現在も根強いファンがいるため、ブレイクできなかったクルマではないが、ひと世代で姿を消したために入れることにした。

 1993年の東京モーターショーで参考出品され、反響の大きさから翌1994年12月に市販されたラシーン。メーカーのリリースには「セダンの実用性を備えた“新感覚のRV”」と記されているが、その魅力はなんといってもデザインにある。

 レトロを感じさせる線と面を基調としたシンプル&ナチュラルなスタイリングは、Be-1やパオといったパイクカーに通じるもの。これにグリルガードやルーフレール、背面タイヤなどを装備してRV感を強調し、ワゴンでもRVでもない新しいスタイルを構築したのだ。

 メカニズムもしっかりとしたもので、全車ビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDを採用。さらに、悪路での走破性を高めるため、最低地上高も170mm確保された。

 クルマ自体の魅力に加え、某アニメキャラが登場するCMの効果もあり、それなりの人気を獲得したが2000年に生産終了。その後、新型も後継も登場することはなかった。

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モーサイ

みんなのコメント

17件
  • mn5********
    スカイラインクロスオーバーは内容以前に「スカイラインを名乗ってどうしてこのカタチ?」っていう違和感がぬぐえなかったなぁ…
    ギャランスポーツは発売時の「GT RV → GTRV」って名乗りがなんか変なもののように思えたなぁ バンパーガードも付いてたり まぁ2リッター前後の5ドアってあんまり成功した例が無いから「違う売り方しないと…」って気持ちがあったのかもしれません あと当時売れていたレガシィワゴンに対抗もしたかったんでしょうね(レグナム登場はもうちょっと後)
  • ymo********
    日産やホンダはエポックメイキング車両を生み出す会社
    時代に合わず売れなかった車もあるが、当たれば大ヒット作となってきた
    トヨタはそれらの市場動向を見てキャッチアップするのが上手い会社
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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