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走行26万キロ超えの「86」が新車のように! トヨタがプロデュースする「86リフレッシュサービス」とは

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走行26万キロ超えの「86」が新車のように! トヨタがプロデュースする「86リフレッシュサービス」とは

ZN6の新車は買えないが、ZN6を新車時のように乗ることはできる

「86リフレッシュサービス」とは、名前の通り古くなった先代トヨタ「86」をリフレッシュすることができるサービスです。申し込み方法は「GR Garage申込み」と「KINTO FACTORY申込み」のふたつ。GR Garage申込みだとGRコンサルタントと相談できて愛車にマッチするより詳しい提案をしてくれますし、KINTO FACTORY申込みだと、店舗の営業時間に関係なく申込みができ、工賃込みの料金設定が出るのでラクチン。それぞれにメリットがあるのです。

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(初出:XaCAR 86&BRZ magazine Vol.043)

26万キロオーバーのXaCAR編集部の86で体感しました

自動車メーカーであるトヨタ自動車がGR GarageとKINTO FACTORYを通じて86のリフレッシュサービスをスタートさせた。「えっ古いクルマをリフレッシュさせたら新車を買ってもらえなくなっちゃうじゃん」というのが筆者を含めた庶民の発想だが、トヨタ自動車は、せっかく多くの皆さんに愛してもらっている86を少しでも長く、より良い状態で乗ってもらいたいということで、大盤振る舞いに踏み切った。

ザッカー編集部の86(以下ザッカー号)のような超過走行車であっても、新車の時のフィーリングを蘇らせることができるプランを登場させてきたのだ。今回ザッカー号では、贅沢にも設定されたすべてのリフレッシュサービスを体感させていただくことにした。果たしてサービスの中身はどんなものなのか……、体感したことを素直にお伝えしていくことにしよう。

86と長く付き合うためにぜひ受けておきたいサービス

ザッカー号の走行距離は26万kmを超えた。2012年3月登録のド初期のA型なので、当時の86に今でも乗っている方であれば、この走行距離を見ても何も驚かれないであろう。定期的に各セクションのオーバーホールを行ってきたのと、5000km走行ごとにオイル交換(GRオイルを使用)を行ってきたためか、ほぼノントラブルでここまで走ることができている。編集部にやってきた当初はテストも兼ねてサーキット走行も行っていたが、15万kmを超えた頃からはいたわる気持ちが強くなり、スポーツ走行は控えめになった。

これまで行ってきたザッカー号のオーバーホールは、15万km走行でトランスミッションのオーバーホール、18万kmでブレーキキャリパーのオーバーホール、22万kmでエンジンオーバーホール。サスペンションはこれまで5セット装着(すべて純正)してきた。ザックスやC型、ZN8の純正ダンパーまでも装着した。エンジン&ミッションマウントも2回交換している。マフラーはフジツボEPU、プロジェクトμのブレーキパッドやブレーキローター、ブレーキホースなどを装着しているが、ZN6らしさを大切にしてきたつもりだ。

おそらく多くのユーザーは、マイカーで10万kmも走行したことがないと思う。もちろん全員とは言わないが、多くの人は2回目か3回目の車検で手放してきただろうし、それが当たり前だったと思う。10年も同じクルマに乗るなんて、なかなかないことなのだから。ただ筆者の知る86オーナーの多くは、乗り換えることなく、ZN6に乗り続けている。そうすると、自分の愛車は大丈夫だろうか、エンジンの中身はどうなっているのだろう? という気持ちになって当たり前である。86リフレッシュサービスは、そんな不安を払拭することができるメニューになっている。

弊誌『XaCAR 86&BRZ magazine』では、このサービスの元になった「Re:PROJECT」も過去に取材している。2022年10月にGR Garage袋井で中古車向けに先行スタートしたもので、その後もGR Garageのスタッフと一緒に開発しながら今回の商品化に行きついたという。

具体的には、作業工程の効率的な順番を決めるなど、多くの意見やアドバイスがフィードバックされたそうだ。その中身は凄腕技能養成部が監修するという本格的なもので「トヨタは本気で古い86をリフレッシュしようとしている」というスピリッツを感じられるものだった。今回、いよいよザッカー号にすべてのサービスの施工を行うということで、26万km走行の86がどれだけ蘇るのかレポートしていこう。

エンジンリフレッシュコース:12万1000円

エンジンは、走行距離に応じて内部に汚れが堆積する。エンジンの汚れが溜まると、アイドリングが不安定になったり、アクセルレスポンスが悪くなるなどエンジンの性能が低下する。エンジンリフレッシュで汚れを除去することで、エンジン本来の性能を取り戻すことができる。

【交換部品・作業内容】・エンジン内部清掃 ・エンジンオイル ・オイルフィルター、・イグニッションコイル ・スパークプラグ(交換部品の詳細は販売店にご確認ください)

【作業のポイント】インマニ(インテークマニホールド)、ポート、シリンダー内をエンジンの分解せずインマニ脱着のみで清掃する。同時にコイル・プラグも交換する。

マウントゴムリフレッシュコース:9万9000円

マウントゴムは、エンジンの熱をはじめ外的要因で時間経過とともに硬化したり、ひび割れが発生する。 劣化すると、エンジンの振動を吸収しきれなくなり、アクセル操作時に駆動が伝わるまでのタイムラグが大きくなったり、トランスミッションの位置がずれやすくなりシフト操作がしにくくなるなどの症状が発生する。 マウントゴムの交換により、足まわりを交換したかのような微振動の低減と、駆動力がなめらかに伝わり発進もしやすくなる。ミッション位置も適切に維持されるためシフトの入りも改善する。

【交換部品・作業内容】・エンジンマウント、・ミッションマウント、・デフマウント、・マフラークッション (交換部品の詳細は販売店にご確認ください )

【作業のポイント】エンジン~ミッションのパワートレインを支えるマウントや、駆動力を受け止めるデフマウント、重量のあるマフラーを支えるクッションゴムを交換する。

足まわりゴムブッシュリフレッシュコース:2万2100円

路面からの衝撃を吸収するサスペンションを上下で支える足まわりゴムブッシュは、エンジンの熱をはじめ外的要因で時間経過とともに硬化したり、ひび割れが発生する。劣化すると、走行中の微振動が吸収できなくなり、ステアリング操作時や段差乗り越え時などの乗り心地が悪化する。数多くのゴムブッシュの中から、影響度の大きい部品を見極め最小単位の部品交換点数に留めることで、低価格を実現する。

【交換部品・作業内容】・フロントサスペンション ・アッパーサポート ・バンプラバー ・ショックダストブーツ ・ロアアーム リアサスペンション ・アッパーサポート ・バンプラバー ・ショックダストブーツ(交換部品の詳細は販売店にご確認ください )

ショックアブソーバーリフレッシュコース:16万3900円

走行距離や時間の経過でショックアブソーバーが劣化すると、走行中やブレーキ時の揺れを減衰できなくなり、乗り心地が悪化する。ショックアブソーバーを交換することで走行時の足もとの微振動や「ザラザラ」とした乗り心地が改善する。純正ショックアブソーバーを使用するため、以前取り付けた市販品が劣化してしまった方や、中古車で購入して本来の86の乗り味を体感してみたい方におすすめのコースになる。

【交換部品・作業内容】・フロント、リアショックアブソーバー(交換部品の詳細は販売店にご確認ください)

【作業のポイント】 純正ショックアブソーバーへ交換。交換後のアライメント調整込みのコース。

ブレーキリフレッシュコース:12万5400円(標準キャリパー用)/33万円(ブレンボ製4ポット用)/38万5000円(ブレンボ製6ポット用)

ディスクローターの摩耗やキャリパーの動きが悪くなると、ブレーキ操作時に振動が発生したり、ブレーキパッドの偏摩耗につながる。ディスクローター、ブレーキパッドの交換とキャリパーオーバーホールで、本来のブレーキ性能を取り戻したい方におすすめのコース。

【交換部品・作業内容】・ディスクローター ・ブレーキパッド ・キャリパーオーバーホール ・スライドピン(交換部品の詳細は販売店にご確認ください)

【作業のポイント】キャリパーオーバーホールに合わせ、長年負担がかかっているスライドピンも同時に交換する。

まるで新車! は言い過ぎだが、新車に近い安心感を手にすることができた

すべての施工を終えてエンジンに火を入れると、明らかにエンジン音が違う。ボンネットを開けて確認しても確実に静かになった。アクセルオンにすると、これまでと同じように踏んでいるのに今までとは見違えるほどにスムーズにクルマが動く。シフトアップしながら、わざと通常よりも多めにアクセルを踏み込むと、最近では感じることのなかった高回転域の伸びやかさがあった。

「そうそう、これがFA20本来のフィーリングだ」と思った。まさに新車の時に感じたものが蘇った。気持ちいい。逆に言うと、エンジンオーバーホールしてから約4万kmの走行だというのに、エンジンフィールは、すでに劣化していたということが分かった。

今回のリフレッシュサービスでエンジンは、もっとも時間をかけた部分である。ザッカー号は、エンジンオーバホールを行っていたので、そこまで変化はないんじゃないかと思っていたが、想像以上にリフレッシュ効果を体感できた。

このサービスをきっかけに定期的なリフレッシュを心がけたい

次に変化が大きかったのは、足まわりである。リフレッシュサービスを行うまではZN8の純正を装着していて、上々のフィーリングに満足していただけに、ZN6のA型ショックアブソーバーにすることで、ネガなフィーリングが出たらどうしようと少し心配していた。なぜなら、約12年前のイメージでA型のサスペンションは、乗り心地が硬いという印象があったからだ。

リフレッシュサービスのショックアブソーバーを入れた車両を見ると、気持ち車高が上がったように見えたが1000kmぐらい走れば、車高も落ち着いてきた。今回は、足まわりゴムブッシュリフレッシュコースとショックアブソーバーリフレッシュコースを一緒に行っているので、どちらの効果が大きいということは判別できないが、可能であればこのふたつはセットで施工することをオススメしたい。

さて、そのフィーリングはというと心配していた硬さはなく、どちらかというと快適。ZN8はパンッと張ったようなフィーリングなのだが、ZN6のA型は、じつに自然な動きで心地よい。約12年前は、これを硬いとジャッジしていたとしたら、みんなスポーツカーのフィーリングに慣れていなかったということだろう。

マウントゴムリフレッシュコースについても同様のことが言える。エンジンマウントやミッションマウントは、交換してから4万kmなので、大きな劣化は見られなかった。ただ、デフマウントについては、これまで交換したことがなかったのでハッキリと劣化が見られた。デフマウントを新しくすることで、これまで以上にリアの駆動にシッカリ感が生まれた。シフトアップ時のレスポンスも上がったと感じられ、リアの動きがナチュラルになったイメージだ。

ブレーキパーツの交換とキャリパーオーバーホールも行った。アタリがつくまでは、少しフワっとした感じがあったが、少しずつフィーリングが良くなった。何しろ、すべてリフレッシュされたことで、思いっきりブレーキングできるという安心感が大きい。

リフレッシュ完了! これであと10万キロは走れるだろう

以上のように86リフレッシュサービスをひと通り施工したザッカー号。個人的には、施工後のフィーリングに大満足で、これであと10万kmは走れるだろうと感じている。愛車の状態に不安を持っている読者のみなさんにはぜひ試してほしい。

今回は、すべてのカテゴリーを一度に行ったが、気になる部分だけをお願いするというのもアリだし、クルマの状態というのは、1台1台違うもの。これを機会にGR GarageのGRコンサルタントにチェックしてもらって、愛車の弱っている部分をあぶり出すというのは有効な手段だと思う。きっとアナタの愛車にマッチする提案をしてくれることだろう。

■KINTO FACTORY https://factory.kinto-jp.com/introduction/product/product-list/gr/GR001

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みんなのコメント

48件
  • この車に大金かけてオーバーホールするなら買い替えるやろね。普通の人は。
  • マイナスマイナス
    日本車は頑丈だらからか、車に何の関心もない人なら乗り換えなんて面倒なことをしないで適当なメンテナンスで平然と乗り潰すよ。
    少なくとも「多くの人は2回目か3回目の車検で手放してきただろうし、それが当たり前だったと思う。10年も同じクルマに乗るなんて、なかなかないことなのだから。」は大嘘だよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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