現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 連載第6回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 新型ジムニー直前特集・JB23W軽ジムニー&JB43Wシエラの相違点探し

ここから本文です

連載第6回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 新型ジムニー直前特集・JB23W軽ジムニー&JB43Wシエラの相違点探し

掲載 更新
連載第6回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 新型ジムニー直前特集・JB23W軽ジムニー&JB43Wシエラの相違点探し

 ジムニーフルモデルチェンジ目前を記念して! なぜかマニアックに末期型ジムニーの内外装解説! 「直前スペシャル」というほどスペシャルな内容でもないが、これまで(たぶん)あまり語られてこなかった、軽ジムニーとシエラの内外装の違いをここにまとめてみた。 暇つぶしにちょっとお付き合いいただければ幸いです。TEXT●山口尚志(HISASHI Yamaguchi)PHOTO●中野幸次(KOUJI Nakano):ジムニーJ23W ランドベンチャー    山口尚志(HISASHI Yamaguchi):ジムニーシエラJB43W    

 新型ジムニー発表が近づいてきた。

連載第5回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 Panasonicナビ 取付け気苦労物語・180mmスペースにワイド200mmナビを入れる法 ~だからATになった~

 2月から約4か月半の間、スズキラインナップの中で空白を置いていたジムニーが、いよいよ装いも新たにして帰ってくる。

 このときこそ、わがシエラも本当の意味で旧型になるわけだ。

 「ジムニーワイド」の名でいまのシエラが登場したのが1998年1月。

 その9か月後の1998年10月に軽ジムニーが発表。

 シエラにとっては20年6か月、軽ジムニーにとっては19年9か月を経た両車のモデルチェンジの1日前に、あらためて軽ジムニーとシエラの相違点を紹介したい。

 そんなもんいまになって解説してどうすんだという声があろうことは承知も承知。

 過去20年の間、軽ジムニーと乗用ジムニーを同じ土俵に載せて比較した雑誌は、弊社の雑誌も含めて存在しないと思う。

 ならばその比較を紹介する今回のこのページで、JB23WとJB43W最後の花道を飾ってあげようではないか。

 と、無理やりな決めうちをすることにし、今回は軽ジムニー、シエラの違いを、カタログでは語られないところにまで踏み込みながら語っていこう。

 まずは外観から。




■軽ジムニー & ジムニーシエラ・外観比較

 ★フロント

 ここまで何度も書いているとおり、ボディそのものは軽ジムニーもシエラも同じ。

 外装樹脂パーツの有無で違いを出している。

 すなわち、前後のオーバーハング量を増やした前後バンパーとホイールアーチを縁どるオーバーフェンダー、そしてその間を結ぶスプラッシュガード・・・これらシルバーに塗られたパーツで、軽ジムニーに対して全長を205mm、幅を125mm、それぞれプラスしたシエラとなっている。




 正面に移って。



 写真の軽ジムニーは特別仕様車・ランドベンチャーなので、グリルやドアミラーが特別あつらえとなっているが、本来の軽ジムニーは写真のシエラと同じグリルとなる。
 
 また、この軽ジムニーは、バンパー下部に加飾がされているが、形状自体は標準の軽ジムニーと同じ。

 正面から見たときの両車の違いは、バンパーおよび横にはみ出て見えるオーバーフェンダーなわけだが、これだけでもずいぶんシエラがお兄ちゃんに見えるから侮れない。

 タイヤトレッド幅の90mm拡大も効いている。




★リヤ

 リヤはこのようになる。



 車幅以外の大きな違いは、後述するランプのほかに、タイヤサイズの相違によるスペアタイヤハウジングのサイズ、ナンバープレートの位置がある。

 プレートは軽ジムニーが車両左側なのに対し、シエラはバンパー中央部をえぐった座面の中に設置。

 スペアタイヤを背負っていること、ナンバープレートが下にあることから、車両の一部を写しながら車両後方を中継するカメラの設置場所が皆無に近い。

 全長が短いし、運転席からリヤガラスが近いので、実際のバックで困ることは少ないだろうが、カメラがほしい人は妥協しながらの設置となるかもしれない(車両一部が映らない場所に置く、リヤガラス内側に設けるなど)。




★アプローチ&デパーチャーアングル
 
 バンパーの突出量の違いでアプローチ&デパーチャーアングルが異なるのはお察しのとおり。



 これらの角度が大きいほど、平地から急斜面、急斜面から平地への進入時、地面とバンパー、シエラなら地面とナンバープレートとの接触が回避できる。

 ジムニーという車両キャラクターからして疑問なのは、シエラのナンバープレートの位置。

 プレート下端がフロントバンパー最下部よりも下にはみ出ている。

 大きな石をまたぐ際、場合によっては石と最初に接触するのはプレートという場面も有りうる。

 これはプレートが横長で下端がはみ出ない海外ジムニー用のバンパーを、そのまま国内用シエラに持ってきているため。

 事情はわかるが、納得しかねる部分でもある。


★タイヤ



 軽ジムニーは175/80R16、シエラは205/70R15のサイズだ。
 
 シエラのタイヤ幅が広くても、タイヤ高さは軽ジムニーの80%がものをいって、幅と高さで決まるタイヤのトータル径は軽ジムニーのほうが大きい。

 シエラの190mmより10mm大きい軽ジムニーの最低地上高200mmの多くは、この差から生まれているようだ。


★フロントガラス部



 フロントガラスは見た目は同じでも、シエラだけ機能が追加されていて、デアイサーがついている。

 ガラス下端から右ピラー沿いにかけて電熱線がプリントされており、冬期のスイッチONで、ガラスに凍りついたワイパーや雪、氷を溶かしてくれる。
 
 厳寒地域の心強い味方だ。




★灯火類

【フロント】



 フロントコンビランプ自体はおそらく同じもの。
 
 2灯式で、単体ユニットに車幅灯(スモール)、ダブルフィラメントのハイ/ロー、ウインカーをまとめた、低コストなタイプを用いている。

 バンパー内に置かれたフォグランプは、軽ジムニーが内寄りに、シエラはおおかた車幅いっぱいの外がわに設置されている・・・なんだかこちらのほうがよほど車幅灯だ。

 なお、フォグランプは位置だけではなくワット数も異なり、軽ジムニーが35W、シエラが55Wとなる。



【リヤ】



 リヤはまるで配列が異なる。
 
 いっけん同じに見えるボディ側のリヤコンビランプは、一番上がダミー、その下が軽ジムニーならウインカー、シエラはリバースランプとなる。

 いちばん下のテール&ストップは両車同じ。

 軽ジムニーのリバースはバンパーセンター寄りに置かれるが、昔のシビックみたいにケチらず、きちんとふたつあるのにはホッとする。

 いっぽう、シエラはバンパー側にもランプユニットがあり、最外側がウインカー。次の赤いダミーをはさんでさらに内側は反射鏡(リフレクター)だ。

 初期「ワイド」の上級モデルはこのダミー部もストップランプだった。


★バックドア下端のリフレクター



 開けたバックドア下部角っこのところにリフレクターがあるのは軽ジムニーだけ。

 リフレクターが自分のシエラにないのは、最初、生産工場の人がつけ忘れたのかと思ったが、よくよく考えたら、3年前の「歴代ジムニー」の使い勝手ページで「夜間路上での開時、後方からの視認性を考えて反射鏡を設置・・・」なんてウソを書いてしまったことに気づく。

 それも間違いではないだろうが、そうするとシエラに未設置なことの説明がつかない。

 どういうことかというとですね、リフレクターがリヤコンビランプに内蔵される軽ジムニーは、夜間にヒンジ式バックドアを開けると右リヤランプ全体が、つまり右リフレクターもいっしょに隠れてしまう。

 バックドアを開けている間だけ、右リフレクターの役目は、バックドア下のリフレクターにバトンタッチするのである。

 シエラは初手からバンパー内に設置されるから、リフレクターはバックドアの開閉で隠れることはないわけ。

 軽ジムニーのこのリフレクターは、おそらく法規制施行の対応で、途中でついたものと思われる。



 最近の軽トラックの後ろも、まゆ毛みたいなリフレクターが2本、目立つところに並んでいるでしょ。

 あれはリヤ側の荷台ゲートを下げたとき、 リフレクター内蔵のリヤランプごと隠れてしまうことの対策として別に設けられているのである。

 観察してみるとリヤゲートの開閉にかかわらず、必ず後方車両のライト光を反射するようになっている。

 あれと同じです。



★エンジン



 軽ジムニーのエンジンは、軽だからK6A型(嘘です)、シエラはM13Aをどちらも縦に搭載。

 軽ジムニーはインタークーラーを積む都合上、エンジンフードに冷却風取入口を設けているが、そのフードを、ターボもインタークーラーもないシエラに共用したため、シエラにとっては意味のないふくらみとなっている(穴はふさいである。)。

 なお、エンジンルーム内のレイアウトもまるで異なり、エンジンのインテークパイプは軽ジムニーは左ヘッドランプ裏に、シエラは逆に右ランプ裏にある。

 伴って、でもないが、ウォッシャータンクは軽ジムニーが車両右がわに1.5Lのものが、シエラは2L用が左がわにある。

 そういえば、いまや希少な油圧式パワーステアリングの油圧ポンプやフルードタンクがあるのはシエラだけのものだ。



■軽ジムニー & ジムニーシエラ・内装比較

 しつこいが、軽ジムニーもシエラもボディは同一だから、ボディに包まれる内装の相違点は、外観ほど多くない。

 したがって、インテリアの造形は基本的には同じだ。
 
 相違点は間違いさがしレベルの項目しかない。


★メーター

 その中にあって目立つ違いはまずメーターだ。



 レイアウト全体は同じものの、軽ジムニーはスピードメーターが140km/hスケール、タコメーターが9000rpmまでのものとなる。

 レッドゾーンは7000rpmから。

 電動パワーステアリングのシステム警告灯は軽ジムニーだけのもので、油圧パワステのシエラはこの部分が半ドア警告灯となる。

 そのシエラのメーターは他の普通車同様、スピードメーターは180km/hスケール、タコメーターは、レッドゾーンが6500rpmとなる8000rpmスケールに。

 横滑り防止装置の作動表示(と警告も)灯とそのOFF表示灯はシエラだけにつく。




★メーター右のスイッチ



 軽ジムニーは、いちばん左がコインホルダー、その右は、フォグランプ装着車ならそのスイッチ。
 
 いちばん右はダミースペース。

 シエラはすべてスイッチとなり、左側から順に横滑り防止装置のキャンセルスイッチ、フォグランプスイッチ、前述したデアイサーのスイッチが並ぶという具合だ。



 ・・・かけ足で軽ジムニーとシエラの違いをお見せしてきた。

 もし、本ページの読者の中にJB23W、JB43Wの中古を検討している方がいたら、参考にして下さると幸いだ。

 それにしても、この三代目軽ジムニー&シエラの内外装紹介を、新型登場を目前に控えたタイミングで行ったのはこのページだけだろう。

 いよいよ世代交代間近!

 JB23W軽ジムニー、JB43Wジムニーシエラ、20年もの長い間、お疲れさま!



(第7回につづく)

こんな記事も読まれています

トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
AUTOSPORT web
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
グーネット
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
AUTOCAR JAPAN
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
AUTOSPORT web
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
AUTOCAR JAPAN
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
Auto Messe Web
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
driver@web
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
グーネット
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0420.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0420.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村