現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「トレノ、カリブ、マリノ」数々の派生車を生んだトヨタ・スプリンターとはどんなクルマ?

ここから本文です

「トレノ、カリブ、マリノ」数々の派生車を生んだトヨタ・スプリンターとはどんなクルマ?

掲載 更新 7
「トレノ、カリブ、マリノ」数々の派生車を生んだトヨタ・スプリンターとはどんなクルマ?

カローラの兄弟車「スプリンター」

 2019年のフルモデルチェンジで大きくイメージを変えたカローラ。1967年の登場以来、かつては「レビン」「セレス」「ルミオン」など、いくつか派生モデルが存在したが、いわゆる「兄弟(姉妹)車」として「スプリンター」があったことを覚えている人も多いだろう。

車名を変えずに10世代以上! 伝統のブランドを守り続ける国産車セダン5選

 スプリンターは、前後デザインを変更したカローラ(世代によってはボディのプレスも変えていたこともあった)といえたモデルで、1968年から2002年にまで、34年・8世代の長きにわたってトヨタのラインナップを支えた名車のひとつである。

登場当初は「カローラ・スプリンター」だった

 1960年代、というより昭和40年代に入って「マイカー」の本格的普及が始まり、各メーカーは車種を増やしていった。その中で、トヨタもオーナーの趣味嗜好や年代などに合わせてワイドバリエーション化を進めることになり、初代カローラにもスポーティな仕様が求められた。

 そこで、2ドアセダンだったカローラのボディ後半を2ドアファストバックスタイルに変更、「カローラ・スプリンター」として、新たに構築された「トヨタオート店」にて発売を開始した。そう、初代はカローラの派生モデルだったのだ。

 2代目以降は独立した車種となったが、前述のように基本的にはカローラの意匠替え車だったため、カローラのフルモデルチェンジに合わせて歴史を刻んでいくことになった。3代目にはカローラの2ドアHTと異なりクーペが存在し、その高性能版として「トレノ」を設定している。

クロスオーバーSUVの先がけ、「カリブ」を追加

 使い勝手がよいハッチバックと、RVのワイルドなイメージを併せ持つ「クロスオーバーSUV」というジャンルは、いまやすっかり代表的・かつ売れ筋のクルマとなったが、その先がけといえるモデルが「スプリンター・カリブ」である。小柄で少し背が高いステーションワゴンに4WDを組み合わせたカリブは、道無き道を突き進む4輪駆動車というよりは、4WDの悪路走破性を日常使いやアクティブな趣味に生かす方向に活用した、当時としては画期的な多目的車だった。

 実はこの初代カリブ、スプリンターの名が与えられているが、ベースはカローラ/スプリンターよりも小型の「ターセル」だった。そのため、縦置きFFレイアウトが特徴だった初代と2代目ターセル (&コルサ)同様、エンジンは縦置きだった。

 その後、2代目カリブは6代目スプリンターを、3代目カリブは8代目スプリンターをベースにしたため、名実ともにスプリンターの一派生車種となった。また、3代目カリブにもさらに派生モデル「カリブロッソ」が存在。海外での3代目カリブには、8代目カローラの海外向けハッチバック(日本未導入)の丸いヘッドライトが与えられていたため、この仕様を日本で発売するにあたって追加された車種だった。

背が低い4ドアHTブームを受けて「マリノ」も登場

 1985年にデビューした「カリーナED(エキサイティング・ドレッシィ)」は、低いルーフの4ドアスペシャリティーカーだったが、居住性を犠牲にしてでも得た小さなキャビンのスタイリッシュなプロポーションは斬新で、大ヒットを飛ばした。

 そのため、「マツダ・ペルソナ」「アンフィニMS-8」「日産プレセア」「三菱エメロード」など、このジャンルを各メーカーが後追いする契機を与えただけでなく、トヨタ自身もカリーナよりも小型なカローラ/スプリンターに4ドアスペシャリティーを設定。「カローラ・セレス/スプリンター・マリノ」として発売した。

 セレス/マリノは前後を変えたのみの兄弟車だが、カローラ/スプリンターとは外観上で共通する部位はなく、カリーナEDよりもさらに小さなキャビンが特徴だった。しかし折はミニバンやRVブーム。セレス/マリノが出た1992年以降、4ドアスペシャリティーはおろか、セダン自体の売り上げも下降線を辿ることに。

 車内が狭いセレス/マリノも、フルモデルチェンジされることなく1998年で生産を終了。一世代限りで終わったモデルとなってしまった。しかしその4年後には本家スプリンターも終焉を迎えるとは、当時の筆者は思いもしなかった。クルマはまさに時代を映す鏡。セレス/マリノも、その象徴のような車種だったといえよう。

こんな記事も読まれています

VANTECH、ペットとの時間を大切にする特別仕様のキャンピングカーを発表
VANTECH、ペットとの時間を大切にする特別仕様のキャンピングカーを発表
レスポンス
ピレリ、ムジェロでのF1タイヤテストを完了。2日目はサインツJr.とリザーブのベアマンが周回重ねる
ピレリ、ムジェロでのF1タイヤテストを完了。2日目はサインツJr.とリザーブのベアマンが周回重ねる
motorsport.com 日本版
日産「“2ドア”ハコスカGT-R」実車展示に大反響! 「極上個体」の値段に議論勃発!? 今「いくら」で買える?
日産「“2ドア”ハコスカGT-R」実車展示に大反響! 「極上個体」の値段に議論勃発!? 今「いくら」で買える?
くるまのニュース
何か関係はある? 偉人の名前が付けられた「ナポレオンミラー」の正体とは
何か関係はある? 偉人の名前が付けられた「ナポレオンミラー」の正体とは
バイクのニュース
メルセデスベンツの新型EVトラック、欧州20カ国走破ツアー開始…航続500kmの『eアクトロス600』
メルセデスベンツの新型EVトラック、欧州20カ国走破ツアー開始…航続500kmの『eアクトロス600』
レスポンス
「高速SA」に泊まれる!? 謎の「ハイウェイホテル」車中泊より快適ってホント? “どんな人”が利用してる? 実際に宿泊した人からの感想も
「高速SA」に泊まれる!? 謎の「ハイウェイホテル」車中泊より快適ってホント? “どんな人”が利用してる? 実際に宿泊した人からの感想も
くるまのニュース
気になる! バイクのバッテリー寿命はすべて均一なのか?
気になる! バイクのバッテリー寿命はすべて均一なのか?
バイクのニュース
FP2でクラッシュの12号車ポルシェ963、ル・マンの飛行場で代替シャシーのシェイクダウンを完了
FP2でクラッシュの12号車ポルシェ963、ル・マンの飛行場で代替シャシーのシェイクダウンを完了
AUTOSPORT web
欲しい人は急げ!! アバルトのガソリン車[F595][695]日本モデルの生産終了! 残るは在庫販売のみに
欲しい人は急げ!! アバルトのガソリン車[F595][695]日本モデルの生産終了! 残るは在庫販売のみに
ベストカーWeb
トヨタ『ヤリス』次期型は2025年末登場か、ハンマーヘッド&新エンジン搭載でスポーティ感アップ!?
トヨタ『ヤリス』次期型は2025年末登場か、ハンマーヘッド&新エンジン搭載でスポーティ感アップ!?
レスポンス
スズキが新型「ハスラー」発表! レトロなゴツ顔「ワイルド仕様」 SUV感スゴッ! 「ジムニー」と比較する人はいるのか
スズキが新型「ハスラー」発表! レトロなゴツ顔「ワイルド仕様」 SUV感スゴッ! 「ジムニー」と比較する人はいるのか
くるまのニュース
輸入車メーカーや「ヨシムラ」から認められるトップペインターが施工 スプレー式ガラスコーティングとは?
輸入車メーカーや「ヨシムラ」から認められるトップペインターが施工 スプレー式ガラスコーティングとは?
バイクのニュース
日産『デイズ』と『ルークス』、一部仕様を変更し新色も追加
日産『デイズ』と『ルークス』、一部仕様を変更し新色も追加
レスポンス
新車購入でお馴染みの光景「値引き交渉」はまもなく姿を消す!? 家電で広がる「指定価格」が新車にも導入される可能性
新車購入でお馴染みの光景「値引き交渉」はまもなく姿を消す!? 家電で広がる「指定価格」が新車にも導入される可能性
WEB CARTOP
日産ノート オーラが仕様変更。フロントマスクの刷新や新内外装カラーの設定などで存在感と上質さをアップ
日産ノート オーラが仕様変更。フロントマスクの刷新や新内外装カラーの設定などで存在感と上質さをアップ
カー・アンド・ドライバー
[15秒でわかる]フィアット『ストラーダ』のスポーツ仕様…内外装ともに引き締まった印象に
[15秒でわかる]フィアット『ストラーダ』のスポーツ仕様…内外装ともに引き締まった印象に
レスポンス
ホンダ EVの社会実装とCN社会の実現にむけ新会社ALTNAが電力ビジネスの事業展開を開始
ホンダ EVの社会実装とCN社会の実現にむけ新会社ALTNAが電力ビジネスの事業展開を開始
Auto Prove
新型「BMW M3」早くもツーリングをフェイスリフト パワーアップされた「M3」の全情報!
新型「BMW M3」早くもツーリングをフェイスリフト パワーアップされた「M3」の全情報!
AutoBild Japan

みんなのコメント

7件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8292.9万円

中古車を検索
スプリンターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8292.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村