環境性能と損得勘定のどちらを選ぶか
一般的にハイブリッド車は、ノーマルエンジン車に比べて燃費性能が優れる。しかし、車両価格はハイブリッド車の方が高い。そもそもハイブリッド車の目的は、二酸化炭素の排出量や化石燃料の使用量を抑えることで、お金の節約ではない。損得にかかわらず、燃料消費を抑えるのが本筋だが、現実的にクルマを買う時は損得勘定も大切だ。 そこでハイブリッド車とノーマルエンジン車の価格差を、燃料代の差額で取り戻すには、どのくらいの距離を走る必要があるのか計算してみたい。
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ハイブリッドが価格差を埋めるには12万km必要
まず、トヨタ・カローラフィールダーを取り上げる。ノーマルエンジンを搭載する1.5G・W×B(217万800円)とハイブリッドG・W×B(253万6920円)を比べると、排気量や装備面の内容もほぼ同じだ。 燃費は、ノーマルエンジンのJC08モード燃費はリッターあたり23km(以下km/L)、ハイブリッドは34.4km/L。実用燃費がJC08モードの85%、レギュラーガソリン価格が1L当たり150円で計算すると、1kmの走行に要するガソリン代はノーマルエンジンが7.6円、ハイブリッドは5.1円だ。つまりハイブリッドは1km当たり2.5円安い。
一方、ノーマルエンジンの1.5G・W×Bと、ハイブリッドG・W×Bの価格を比べると、ハイブリッドが36万6120円高い。ハイブリッドはエコカー減税が免税(100%減税)、1.5G・W×Bは減税だから、購入時に納める「税額」ではハイブリッドが6万200円安くなる。この金額を36万6120円の価格差から差し引くと、実質差額は30万5920円に縮まる計算だ。
この実質差額をハイブリッドが1km当たり2.5円の節約で取り戻すには、12万km少々の走行を必要。現在はレギュラーガソリン価格が150円/Lと高いので、12万km少々でも取り戻せる距離は短いと考えたい。もしレギュラーガソリン価格が120円/Lに下がると、15万kmくらいに伸びてしまう計算となる。
ハイブリッドはエコカー減税で約17万円節税
次はトヨタ・アルファードで考えたい。2.5リッターのノーマルエンジンを搭載するG・4WD(445万6080円)のJC08モード燃費は12km/L、2.5リッターのハイブリッド(E-Four/4WD)を搭載するハイブリッドG(499万7160円)は18.4km/Lだ。 実用燃費がJC08モードの85%、レギュラーガソリン価格が1L当たり150円として計算すると、1kmの走行に要するガソリン代はノーマルエンジンが14.7円、ハイブリッドは9.6円になる。1km当たりハイブリッドは5.1円安い。
両グレードの価格差はハイブリッドが54万1080円高いが、エコカー減税の違いで購入時の税額はハイブリッドが17万2900円安く、実質差額は36万8180円に縮まる。
この金額をハイブリッドの1km当たり5.1円の節約で取り戻せるのは、7万2000kmを走った頃だ。カローラフィールダーの12万kmに比べると大幅に短い。それは、アルファードは高価格車なのでエコカー減税の減税額が開いたため。カローラフィールダーのハイブリッドは税金が6万200円安いが、アルファードなら17万2900円も安くなるからだ。 さらにノーマルエンジンとハイブリッドの1km当たりの燃料代の差も大きいから(カローラフィールダーは2.5円だがアルファードは5.1円)、アルファードのハイブリッドは取り戻せる距離が短くなるわけだ。
読者諸兄がノーマルエンジンとハイブリッドで選択に迷った時は、上記の計算をご自分で試してみると良いだろう。
大雑把に選択の目安をいえば、1年間の走行距離が1.5万kmを超えると、ハイブリッドを選ぶ価値が高まる。アルファードなら約5年、カローラフィールダーでも8年で、ノーマルエンジンとの価格差を取り戻せる。逆に1万km前後であれば、ノーマルエンジンの方がトクすることが多い。
ただし冒頭で述べたように「価格差を取り戻せないから、ハイブリッドは選ばない」という考え方はエコロジーの本質からはずれる。「損得勘定を計算して、取り戻せないことは分かったけれど、やっぱり環境に優しいからハイブリッドを選ぶ」という選択こそが正しい。 グレード選びなどを含めて、損得勘定は参考程度にとどめたい。あるいは選択に迷った時の判断材料だ。ご自分の価値観とか、好みを優先していただきたい。
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