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登場から27年でも色褪せぬ魅力再発見!! 三菱デリカスペースギア 唯一の存在感と実力

掲載 更新 16
登場から27年でも色褪せぬ魅力再発見!! 三菱デリカスペースギア 唯一の存在感と実力

 「ソロキャンプ」など、アウトドアを楽しむ方が増えている昨今ですが、日本で最初にアウトドアブームが訪れたのは、今から30年ほど前の1990年代のこと。このアウトドアブームの影響で、「RV(リクレーションナル・ビークル)」とよばれるクルマが爆発的な人気となりました。その代表的なモデルのひとつが、三菱の「デリカスペースギア」です。

 当時のアウトドアブームを牽引したデリカスペースギアの特徴とその魅力について、振り返ります。

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文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:MITSUBISHI、ベストカー編集部

[gallink]

90年代のRVブームをけん引

 バブル景気が崩壊した、1990年代の初頭。日本経済は一気に冷え込み、クルマ業界も、高級車が飛ぶように売れたハイソカーブームが終焉。そんな逆風にもめげずに唯一元気だったのが、アウトドアブームに上手く乗った「RV」たちでした。

 このRVブームをけん引したのは、RVブームのきっかけを作った2代目「パジェロ」、本格4WDのミニバンというジャンルを確立した「デリカスペースギア」、そしてフットワークに優れたコンパクトなアウトドア車「RVR(スポーツギア)」という、三菱の3モデルでした。

1991年に登場した2代目パジェロ。パリダカの優勝などで大人気となり、1980年代~1990年代のRVブームを牽引した

パジェロ並みのクロカン走破性

 デリカスペースギアは、2代目パジェロをベースに開発された本格4WDのミニバンで、1994年から2007年まで生産されました。

 フロントノーズにエンジンを搭載し、パジェロ譲りのビルトインフレーム構造で衝突安全性を確保。前席からラゲッジまでフラットフロア化によってウォークスルー、および自由度の高いシートアレンジを実現しています。最低地上高は210mmを確保、一般的なミニバンより40mm程度高く、悪路走行でも余裕のある設定としています。

 そして、何といっても最大の注目は、パジェロで好評のFRベースの「スーパーセレクト4WD(2WD/フルタイム4WD/直結ハイレンジ4WD/直結ローレンジ4WDを切り替え)」によって、パジェロ並みの悪路走破性を持つことです。

1994年に登場したデリカスペースギア、パジェロをベースにした4WDのミニバンで、ミニバンらしからぬ悪路走破性が魅力

 パワーユニットには、大排気量3.0Lのガソリンエンジンと2.8Lディーゼルターボエンジンなど、ユーザーの要望に応じる形で多種のエンジンが用意されました。なかでもクロカン走行と相性が良いのは、低中速トルクに優れたディーゼルターボです。4WDとの組み合わせで、悪路でも力強い走りが可能。

 アウトドアに適したクルマとして必要な条件は、アウトドアで何を楽しむかによって異なりますが、4人以上の多人数を前提とすると、以下が挙げられます。

・多人数が余裕をもって乗れるか、シートアレンジに自由度があるか
・荷物が十分積めるスペースがあるか、車中泊するスペースがあるか
・悪路や雪路などでも安全に走破できるか

 これらの条件を満足できるクルマとなると、必然的に「4WDのミニバン」、それも、ある程度車高の高いクルマ、となります。4WDモデルのあるミニバン、といえば、トヨタのアルファード/ヴェルファイアや、日産エルグランドなど、いくつかありますが、これらのミニバンは、当然ながらあまりハードな走破性は持ち合わせていません。

 デリカスペースギアは、販売終了からすでに15年が経過するモデルですが、今も昔も唯一無二の存在なのです。

唯一のライバルは、現行のデリカD:5

 唯一、ライバルといえるのは、デリカスペースギアの後継である、現行の「デリカD:5」でしょう。「最新は最良」ということばがありますが、用途によってはスペースギアの方が優れている点もあります。

 現行である「デリカD:5」は、基本コンセプトこそスペースギアと同じですが、オフロードよりもミニバンとしての機能を重視しています。スペースギアよりも全長、全幅は大きく、全高と最低地上高が低くなり、フロントフェイスも都会的な雰囲気に様変わりしました。

 そして、両車の特徴の違いを決定付けているのが、スペースギアのベースがFRのパジェロに対して、D:5のベースはFFのアウトランダーであることです。その結果、看板である4WDシステムについては、スペースギアのスーパーセレクト4WDに対して、デリカD:5は電子制御式4WDであり、極悪路の走破性や脱出性については劣ります。

 現行のデリカD:5がややマイルドな4WDのミニバンに変わった背景には、最近のSUVやミニバンは都会的な乗用車ライクなモデルが好まれる風潮があります。伝統的に固定ファンを持つデリカですが、一方でユーザーがクロカン性能を好むファンに限定されるのも事実。デリカD:5もややマイルド系のミニバンへと舵を切ったのです。

 お洒落度や安全機能、装備面では、もちろん現行のデリカD:5が優れています。しかし、悪路走行や雪路走行などで安全かつ高い走破性を求めるなら、コンパクトで扱いやすい、パジェロ譲りの頑強な構造と本格4WDのスペースギアの方がお薦めといえます。

2019年にフロントフェイスをダイナミックシールドに変更したデリカD:5。内外装が豪華なラージクラスのミニバンに変貌

◆      ◆     ◆

 唯一無二の存在である、「デリカスペースギア」。興味があれば、ぜひ中古車市場を覗いてみてください。コスパは良いので、掘り出し物があるかもしれませんよ。

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みんなのコメント

16件
  • さすがに今は数が減ったがスペースギアのオーナーは代わりが効かないとして長く乗り続けていた人が多かった。ワンモーションフォルムの居住性、パジェロ譲りの悪路踏破力、五ナンバーサイズで狭い山道でも使いやすいなど。更に価格も比較的安かった。
  • 黒煙モックモク
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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