多くの執筆陣が称賛したのがアウディA6の乗り心地。ドライブトレインやサスペンションなどの動的部分の完成度が高く、静粛性やフラットライドは実用車としてハナマルの出来栄え。4輪操舵のオールホイールステアリングも装備可能で、小回りが効くのも高評価に繋がった。
V6がオススメだだがコスパなら直4
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フルタイム4WDのクワトロを駆使して優れたハンドリングと乗り心地のバランスを実現するのがアウディのお家芸だが、それにしても最新A6のシャシー性能は突然変異的にいい! とりわけV6モデルは短いサスペンションストロークのなかで効率的にハーシュネスを吸収し、ボディをフラットに保ってくれる。その乗り心地は金属バネによって生み出されていることが信じられないくらい、未来的で斬新だ。
48V系のマイルドハイブリッドと組み合わされたV6エンジンのレスポンスも「未来的な鋭さ」でシャシーのセッティングとよくマッチしている。
いずれにせよ、これだけ総合性能が優れているうえに、時代に先んじた印象のサルーンはかつてなかった。したがって、いまが“買い”といって間違いないだろう。
ディーゼルとガソリンの2タイプが用意された4気筒モデルは、V6モデルに比べてサスペンションストロークはやや長めで、このためハーシュネスは軽いもののフラット感と未来感ではV6に及ばない。ただし、動力性能は直4で十分以上。しかも価格はV6より200万円以上も安いので、コストパフォーマンスはバツグンに良好。A6のスタイリングに惚れ込んだ層にお勧めしたい。
大谷達也/T.Otani
異様なまでの動的質感の高さ
ひと昔前のアウディのイメージは、操縦安定性は抜群に高いけれど、それと引き換えに乗り心地がややゴツゴツとしていたり、スポーティを強調するためなのかアクセル操作に対して望んだ以上に加速する素振りを見せたりしていたが、2018年発売のA8でははっきりと変貌した。とてつもなく快適で、ドライバビリティは最上の部類。これはフラッグシップだから特別に気合いが入っていたのかと思いきや、翌年に登場したA6も同じ傾向だったのが嬉しい。
エアサスのA8に対して金属スプリング+可変ダンパーのA6だが、大径タイヤを履いてもまったくゴツゴツ感がなく、あらゆる速度域でイヤな硬さを感じさせない。それでいて入力は素早く収束させる。快適で安定感にも優れる理想的なシャシーだ。コーナーでは、ステアリングを切ったら切っただけ素直に曲がっていく。
特筆すべきはドライブトレインやサスペンションなど、動く部分のフリクションがとにかく低く抑えられていて、動的質感が異様なまでに高いことだ。
静粛性もハイレベルで音量が低いうえに、耳につきやすい周波数は徹底的に抑え込まれていて、ガラス越しにみる外が別世界に思える。いまのアウディは、機械としてこれ以上ないほど優秀なのだ。
石井昌道/M.Ishii
【Specification】AUDI A6 AVANT 40 TDI QUATTRO SPORT
■全長×全幅×全高= 4940×1885×1465mm
■ホイールベース=2925mm
■車両重量=1880kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1968cc
■最高出力=204ps(150kW)/3800-4200rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/1750-3000rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/55R18:225/55R18
■車両本体価格(税込)=8,280,000円
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速く電動でも乗ってみたいね。