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「レクサスLXエグゼクティブ」後席でも実感できる”世界中のどんな道でも楽に、上質に”(萩原文博レポート)

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「レクサスLXエグゼクティブ」後席でも実感できる”世界中のどんな道でも楽に、上質に”(萩原文博レポート)

レクサスLX は2022年1月にフルモデルチェンジを受けるや否や大人気となり、長い納車待ちの列ができています。そんなレクサスのフラッグシップSUV、新型LXに今回から設定された4人乗りのエグゼクティブは本体価格なんと1800万円!その試乗インプレッションを萩原文博さんのレポートでお届けしましょう。

次世代レクサス第2弾はフラッグシップ

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エントリーモデルのUXから、発売予定のBEV(バッテリー電気自動車)のRZまで、5タイプのSUVをラインアップしているのが、トヨタのプレミアムブランドであるレクサスです。レクサスブランドの販売台数を稼いでいるのはこういったSUVであるのは言うまでもありません。

そのレクサスのSUVは、次世代レクサスモデルの第1弾として2021年10月にNXが登場しました。そして、2022年1月には次世代レクサス第2弾モデルとして、フラッグシップモデルであるLXがフルモデルチェンジを実施しました。今回はこのLXの中でも特に後席の居住性を重視した4人乗りのエグゼクティブ(車両本体価格1800万円)に試乗することができましたので、インプレションを紹介しましょう。

ランドクルーザー300と基本コンポーネントは共通

レクサスのフラッグシップSUV、LXはトヨタランドクルーザーをベースに作られています。日本市場においては現行型で2世代目ですが、北米市場では1996年にランドクルーザー80をベースとした初代モデル、1998年にはランドクルーザー100をベースとした2代目モデル、そしてランドクルーザー200をベースとした3代目モデルのLX570が販売されていました。

日本ではその3代目モデルのLX570が2度目のマイナーチェンジを行った2015年8月に初導入されました。日本市場において、初代モデルとなるLX570はランドクルーザー200には設定されていない、5.7LV型8気筒エンジン+8速ATというレクサスブランド最大の排気量のエンジンを搭載。国産SUVの中で唯一1000万円を超えるラグジュアリーSUVでした。

現行型LX600は、2021年8月に登場したトヨタランドクルーザー300をベースとしています。旧型モデルではランドクルーザーとは搭載するエンジンを変更していましたが、現行型LX600は最高出力415ps、最大トルク650Nmを発生する3.5L V型6気筒ツインターボガソリンエンジン+10ATという同じパワートレインを搭載しています。旧型の5.7LのV型8気筒エンジンから大幅に排気量はダウンサイジングしていますが、ツインターボ化によって出力・トルクともに向上しています。組み合わされるトランスミッションは10速ATで、駆動方式は4WDのみとなっており、燃費性能はWLTCモードで8.0~8.1km/Lを実現しています。

世界中のどんな道でも上質に

レクサスLX600は「世界中のどんな道でも楽に、上質に」をコンセプトに、ドライバビリティと乗り心地を追求。オンロード、オフロード問わず、優雅な移動体験を提供するフラッグシップSUVに仕立てられています。「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を確保するために、ボディオンフレーム構造を維持しながら、クルマの骨格を一から見直しました。クルマの骨格には新プラットフォームであるGA-Fプラットフォームを採用し、伝統のラダーフレームを刷新。最新の溶接技術の活用等により、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとして、優れた衝突安全性能を確保するとともに、静粛性と走りの質を向上させています。

ボディについても、高張力鋼板の採用拡大やボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウムにすることで、従来型との車両重量比で約200kgの大幅な軽量化を実現。さらに、また、パワートレインの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動することにより、低重心化、前後重量配分の改善を達成しています。

伝統を継承しつつ刷新された内外装

現行型レクサスLXの外観デザインで最もインパクトが強いのが、7組のフローティングバーで立体形状をつくり、フレームの無いシームレスな構成としたスピンドルグリルでしょう。一つ一つのバーの厚みをミリ単位で細かく調整することにより、デザイン性とツインターボエンジンが要求する高い冷却性能を両立しています。

ヘッドランプは、L字型のクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ機能付)を立体形状へと進化させ、さらにインナーレンズを二重にし、それぞれに異なる段差を設けることで、奥行き感と見る角度による変化を与えています。

インテリアは、クルマとドライバーがより直感的につながり、より運転操作に集中できる新たなコックピット思想「Tazuna Concept」を取り入れています。運転に集中できる快適な空間を提供するため、「程よい包まれ感のあるドライビング空間」を実現しています。

さらに前方の道路から、ヘッドアップディスプレイ、メーターへとつながる走行情報表示系を配置、また12.3インチタッチディスプレイをナビ画面とすることで、運転中のスムーズな視線移動を実現。スイッチは人間工学の観点から機能的に整理し、ダイヤル、トグル、プッシュの操作方法や形状にも変化をつけることで直感的な操作性にも配慮しています。この結果、オフロード走行時においても、ドライバーの押し間違いを低減し、意に沿った走行モードの選択や温度調節をサポートします。また、2.3インチタッチディスプレイ上端を水平に配置することで、悪路走行時においても、ドライバーが平衡感覚を把握できるようにしています。

盗難防止から運転支援まで全てが最新スペック

安全装備も非常に充実しています。まず注目すべき点が、LEXUS初の指紋認証を全車に標準装備したこと。スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ中央の指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合、指紋情報が一致しなければエンジンが始動しません。人気が高く車両盗難の多いモデルだけに、非常に重要な装備と言えます。

また、運転支援システムはLexus Safety System +を搭載しています。衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティは、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な領域を拡大。交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になっています。

さらに、自動車専用道路などにおいて設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」に、カーブの大きさに合わせて減速するカーブ速度抑制機能を採用。同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト(LTA)」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現するなど最新鋭の運転支援機能を採用し、ドライバーの負担軽減を実現しています。

また、LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促すほか、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援するドライバー異常時対応システムを採用。停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に効果を発揮します。

レクサスのフラッグシップSUVであるLX600には、日本の伝統であるおもてなしの精神が具現化され、高級車に相応しい装備内容となっています。

徹底した後席へのおもてなし精神

今回、試乗したモデルはフラッグシップSUV、LX600の中でも、最上級モデルとなるエグゼクティブ(車両本体価格1800万円)です。エグゼクティブの特徴はリアシートで、頭部、腰、臀部を優しく包み込む凹形状のヘッドレスト、シートバック、クッションを採用。カーブでの横Gや路面の入力に対し高いホールド性を確保します。

また、クッションの臀部やシートバックには、形状の工夫を施すことで安心感のある姿勢を保てるようにするとともに、振動吸収性に優れたソフトウレタンを使用し、オフロード走行時にも不快な振動を効果的に抑えてくれ、どのような場面でも同じような環境で寛げるよう、後席のVIPたちのために快適なプライベート空間づくりを追求しています。

巨大だが意外と運転しやすく、驚異的に静か

LX600エグゼクティブのボディサイズは全長5,100mm×全幅1,900mm×全高1,895mmと巨大です。しかし、実際にドライバーシートに座るとこの大きさを感じさせないほど運転しやすいのです。それは、ドライバーからボディの見切りが非常に良いから。サイドのフェンダーの膨らみがないため、タイヤの位置が確認しやすいうえ、ボンネットも前方までしっかりと見えるので、非常に車両感覚が掴みやすくなっています。

試乗したLX600エグゼクティブの車両重量は、なんと2,600kgとスーパーヘビー級です。しかし、排気量をダウンサイジングしながら、パワーアップした3.5L V型6気筒ツインターボエンジンは、非常にスムーズに加速させていきます。そして驚いたことに、エンジン音がほとんど車内に侵入していきません。

LEXUS最厚である5.76mmのフロントドアガラス、ウインドシールドガラス、リアドアガラスにアコースティックガラスを採用し、さらに、インストルメントパネル裏に吸音材を配置するなど車両全体を通じて適材適所の防音を施すことで、ロードノイズやエンジンノイズの低減を図っているからです。赤信号などで停車しても、振動も騒音もほとんど感じることはありません。

欧州プレミアムブランドのフラッグシップSUVと比べても遜色ない

個人的にはレクサスにはLSというフラッグシップセダンはありますが、現在のレクサスブランドの最上級モデルはこのLX600だと感じました。実際、中近東などではLXのようなフラッグシップSUVがVIP専用車として使われていることからも、納得できます。

もちろんLX600はマジックカーペットのようなオンロードの乗り味だけではなく、高い悪路走破性も兼ね備えています。路面状況に応じたオフロード走行支援を、6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)から選択できるマルチテレインセレクトをはじめ、アクセルやブレーキ操作をすることなく、ステアリング操作のみで極低速走行が可能なクロールコントロール、エンジンブレーキだけでは十分減速できないような険しい急坂路を降坂する際、4輪のブレーキ油圧を自動的に制御し、タイヤロックさせることなく安定して降坂することをサポートするダウンヒルアシストコントロールなど最新の電子デバイスが搭載されています。

今回はオンロードのみの試乗でしたが、欧州プレミアムブランドのフラッグシップSUVと比べても、高い静粛性や安定した乗り味は引けを取らないどころか、LX600のほうが上回っているとも感じました。これほどの高性能なLX600を世界の目の肥えたユーザーが放っておくわけがありません。残念ながら、現在はバックオーダーが増えすぎて、受注停止となっています。

受注停止は残念なことですが、それだけ世界の人たちがLX600のオーナーになることを熱望していることの表れだと言えるでしょう。

※記事の内容は2022年07月時点の情報で制作しています。

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