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新型スープラが見えてきた…「トヨタはオープンを作らない」 BMW 新型「Z4」のキーマンに開発秘話を聞く

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新型スープラが見えてきた…「トヨタはオープンを作らない」 BMW 新型「Z4」のキーマンに開発秘話を聞く

■BMWとトヨタ、車両の共同開発は困難を極めたのか?

 先日開催されたパリモーターショーで、BMWが新型Z4の市販バージョンをお披露目しました。先代のE89が2016年8月に生産終了となって以来、約2年ぶりに復活した新型は、2019年デトロイトモーターショーでワールドプレミアになると言われている新型トヨタ・スープラとの兄弟モデルです。

ついに登場! トヨタ新型「スープラ」の市販プロトタイプを公開

 そこで、BMWが「G29」の車内コードを持つ新型Z4をどのように開発したのか、プロジェクトマネージャーのミヒャエル・ウィンベック氏とプロダクトマネージャーのアンドレアス・エーデラー氏に直接聞いてみました。

 編集部(以下:編):BMWとトヨタの2社は、2台の異なるスポーツカーを開発するにあたり、どのような関係性だったのでしょうか?

 ミヒャエル・ウィンベック氏:我々とトヨタは、“ハイパフォーマンス・スポーツカーを作る”という共通の目的の下で協力してきました。しかし、BMWはオープンカーのZ4、トヨタはクーペのスープラを開発しました。この2台は異なるクルマであり、デザインやキャラクターも違います。

 編:BMWはロードスター、トヨタはクーペを作るとなると、ボディ形状の違いから技術的な衝突はなかったのでしょうか?

 ウィンベック氏:確かに技術的にはチャレンジングなものでした。しかし、トヨタとの意見の衝突はありませんでした。クーペは軽量化のメリットがあり、ロードスターも十分なボディ剛性を確保できました。ソフトトップは静粛性の面からもデメリットはありませんし、新型からロック部には発泡剤を充填して、防音効果を高めています。トランク容量も犠牲になっていません。

 編:Z4とスープラは、どの程度共通した部分があるのでしょうか。

 ウィンベック氏:デザインに直接関わらない部分については、共有していると言って良いでしょう。つまりプラットフォームです。開発が進んでからは、互いにどんな開発を行っていたのか、特に情報共有はしていないので、異なるクルマになっています。

■新型Z4はクーペを作らず、新型スープラはオープンを作らない

 編:新型Z4が目指したものを教えてください。

 ウィンベック氏:開発初期から狙っていたのは、ハイパフォーマンスなオープンスポーツカーです。高剛性ボディや高性能なコンポーネント、独立フロントサスペンション、M4と同スペックのタイヤ、高性能なLSDも採用しています。

 編:将来的にZ4クーペは登場するのでしょうか。また、スープラにオープンカーはあり得るのでしょうか。

 ウィンベック氏:今回トヨタと共同開発をスタートするにあたって、我々は『クーペを作らない』、また『トヨタはロードスターを作らない』という話になっています。

 編:では、新型Z4について、今後ハイブリッドやEVといった、電動パワートレインが投入される可能性はありますか。

 エーデラー氏:電動化の予定はありません。ロードスターというのは電動化に適したクルマではないからです。またZ4に関しては電動化の要求もありません。これはZ4が基本的なモデルであるべきというわけではなく、ピュアで軽量なスポーツカー、伝統的なロマンティックなロードスターへの回帰を目指しているからです。

 同様にディーゼルも予定していません。ロードスターはモーターサイクルに近いロマンティックで趣味性が高い商品です。モーターサイクルと同様に走る喜びに直結します。

 編:新型Z4は、従来モデルと比べて特にインテリアの質感がグッと高まったようですが、価格もそれなりにアップすると考えて良いのでしょうか。

 エーデラー氏:質感は高くなりましたが、最適な価格を見つけるには工夫が必要です。我々はお客様に良いものを届けたい、ロイヤリティが高い顧客に乗ってもらいたいと考えています。しかし、価格が高すぎれば購入していただけません。そこを上手くクリアして、価格に関しては落としどころを見つけようと努力しました。

※ ※ ※

 新型Z4は、“トヨタと共同開発”という点が大きな注目を集めていますが、2人の話を聞くかぎり、実際にはスープラとはかなりの部分で違いがあり、決して“スープラ・ロードスター”ではないようです。

 走りの面でもBMWのスポーツカーに相応しいキャラクターを実現したという自信がうかがえます。おそらく価格は、先代より若干高くなるかもしれませんが、走る楽しさの点では大いに期待して良さそうです。

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