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なぜ正式発表前にチラ見せする? 最近多い新型車のティザーキャンペーンを行うメーカーの狙いとは

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なぜ正式発表前にチラ見せする? 最近多い新型車のティザーキャンペーンを行うメーカーの狙いとは

 新型車の事前告知開始と同時に旧型の在庫車を狙うという人もいる

 最近は新型車のティザーキャンペーンが積極的に展開されるのが半ば当たり前となっている。ティザーキャンペーンとは、わかりやすくいえば、新型車が正式発売される前の事前予告キャンペーンとなるだろう。今年9月に日本国内正式デビューともいわれている、次期型カローラセダン&ツーリングも、すでに特設サイトが解説されティザーキャンペーンが始まっている。

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 メーカーが正式に何らかの新型車の情報提供を開始すれば、「この新車いいな」と思ったひとが取り扱いディーラーを訪れることもあるので、当然ながら販売現場にも、同じタイミングで新型車に関する情報がメーカーから届いている。たいていは、データもしくは紙ベースの、セールスマン向けの商品情報が掲載されたスタッフマニュアルが配布されているので、ディーラーへ出かけ、セールスマンにティザーキャンペーンの始まった新型車について問い合わせれば、そのスタッフマニュアルの情報をベースに商品説明を受けることができる。

 なかにはマニュアルそのものをカタログ代わりに使うセールスマンも多いようだ。その時点では正式な予約受注などはまだ受け付けていないケースも多いが、そのようなときでも購入希望意思を伝え、初対面ならば連絡先を告げておけば、その後予約受注開始などの動きがあった際に情報提供が受けられるはずである。

 また、ティザーキャンペーンと同時に、仮予約(納車の優先順位をつける)や、正式な予約受注を受け付けていることもあるので、とりあえずメディアやウェブサイトでティザーキャンペーンが始まったのを見て、気になった新型車があればディーラーへ出かけることをおすすめする。

 ティザーキャンペーン開始がここのところ早まる傾向になっているが、これは新型車だけでなく、現行モデルの在庫処分セールのようなものを兼ねているともいえよう。同じティザーキャンペーンを見ても、「こんな新型車が出るんだ」と思うひとがいる一方で、「新型車の事前告知をしているのだから、現行車は大幅値引きで買えるはず」と思うひともいる。ティザーキャンペーンには、“現行車ファイナルセール告知”のような側面もあるのだ。

 軽自動車以外の登録車では、一般的には新型車登場1カ月前にオーダーストップ(新規にメーカーへ生産を発注することができなくなる)となる。オーダーストップとなると、ディーラーが持つ在庫車のみの販売となるが、このタイミングになると、希望するグレードやボディカラー、希望オプションがついていないなど、自分の希望する仕様の在庫車がないこともあるし、オーダーストップ開始の時点で、すでにディーラー在庫車がかなり限定的となることも多いのである。オーダーストップになってしまうと、在庫車個々で一定の利益を出すことになるので、“指示値引き”のようなものが設定される。値引き交渉しても初回提示額からのアップ余力もかなり限定的となるので、あまり買い得ともいえない。

 軽自動車の新型と旧型の同時販売は珍しいことではない

 ただ、最近目立つのはティザーキャンペーンとほぼ同じタイミングでオーダーストップとなるケースである。販売現場の事情通によると、「現行カローラアクシオ&フィールダーはすでに(6月下旬時点)オーダーストップとなっているとのことです」。オーダーストップの時点で、ディーラーがストックしている在庫もわずかとのことなので、カローラについては、すでに次期型の予約受注が販売活動の中心となっている。

 このようなケースでは、正式発売のかなり前から予約受注活動をはじめ、実際に受注を積み重ね、正式発売1カ月後あたりに「発売1カ月でこれだけたくさん受注しています」と告知し、さらに販売促進活動に弾みをつけようとする狙いと、予約受注を多く積み重ねることで、お客の好みのグレードやボディカラーなどの傾向を把握し、効率的(人気仕様をメインにした)な生産を行うためのデータ集めをしたいという部分もあるようだ。

 一方で軽自動車はティザーキャンペーンを積極展開しても、同タイミングもしくは、その後に現行車がオーダーストップとなっても、売れ筋モデルならばディーラー在庫は新型車が正式にデビューしても潤沢にあるケースも多い。薄利多売が使命の軽自動車は、ブランド別でも車名別でも、日夜激しい販売台数競争が展開されている。一般的には新型車へ切り替わる“端境期”には販売台数が急落するのだが、とくに車名別で販売台数トップクラスにランキングされるモデルは、端境期の販売台数の落ち込みを防ぐために、新型車だけでなく旧型となった在庫車も、新型デビュー後も積極的に販売し続けるケースも目立つ。ショールームに新型車と旧型車が並んで展示されているということもある。

 軽自動車は手軽に日常生活の移動手段として使えるという“ツール”として所有されることが多いので、新型車が登場するということに、「現行あるいは、タイミングによっては旧型車が安く買える」と見るひとも多いと考えられる。新型登場直前のタイミングで単に値引きアップだけでなく、用品無料サービスなども充実した末期モデルを買い得に購入したいという購買行動が目立つのは軽自動車ならでは。移動の足と割り切るひとには新型になるというのは、必ずしも絶対的に魅力的なことには映らないのである。

 いずれにしろ、新型車の事前情報がチラチラしはじめて、そのモデルが気になったら、ディーラーへ出かけ情報収集を是非開始してもらいたい。正式デビュー後に動きだすと納期がどんどん遅くなってしまい、値引きも予約段階のほうが前述したように売れ筋を見極めるような、マーケットリサーチ的な部分も兼ねていることもある。正式発売直後よりは魅力的な条件が提示されることが多いのである。

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