現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > パワープラグ搭載の日産 e-NV200は、リーフよりも使いやすい“走る蓄電池”だ

ここから本文です

パワープラグ搭載の日産 e-NV200は、リーフよりも使いやすい“走る蓄電池”だ

掲載 更新 7
パワープラグ搭載の日産 e-NV200は、リーフよりも使いやすい“走る蓄電池”だ

“走る蓄電池”はリーフだけじゃない!

日産の電気自動車といえば、真っ先に頭に浮かぶのはやはりリーフでしょう。

世界で最も売れている量販電気自動車としても知られており、2代目となった現行型モデルはより大容量のバッテリーを搭載し、有事の際は蓄電池としても使える点でも注目されていますよね。

しかし、リーフを蓄電池として使う場合、リーフと家をつなぐ「V2H機器」が必須。バッテリーから電気を取り出して使うことができません。

それどころか、キャンプなどでちょっとした電化製品を使おうと思ってもアクセサリーコンセントさえ用意されておらず、せっかくの電気を使うことができないのです。

そんな、様々なシーンでEVのバッテリーから給電したい! と考える人にオススメしたいのが、今回紹介する日産 e-NV200なのです。

もしかしたらあまり耳馴染みがない車種かもしれませんが、e-NV200は、日産の小型ワンボックスバン/ワゴンのNV200バネットをベースに100パーセント電気自動車化したモデル。

日本での公式発表は2014年でしたが、それよりもずっと前の2011年から世界各地で実証実験を積み重ね、満を持してリリースされた車種だったのです。

※「V2H」とは「Vehicle to Home」の略。電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家で使う仕組みのこと、およびその総称

残念ながら日本での販売は、2019年10月をもってヒッソリと終了してしまいましたが、グローバルではまだまだ現役。

その一番の特徴と言えるのが、パワープラグと呼ばれるAC100V/1500Wのコンセント2個が標準(バンVX系を除く)で備わっているということ。

このパワープラグを使えば、1000Wで最大8時間(初期型)~15時間(後期型)もの長時間にわたり、電化製品を使うことができるのです。

もちろん、出先では帰りのバッテリーは残しておかなければなりませんが、パワープラグが自動停止するバッテリー残量を任意で設定できるので、使いすぎてしまうという心配もありません。

また、ラインナップも商用登録(バン)の2人乗り、5人乗り、乗用登録(ワゴン)の5人乗り、7人乗りと幅広いため、ニーズに合わせて選べるのもうれしいところでしょう。

ちなみに、ベースとなったNV200バネットは5ナンバーサイズ内に収まっていますが、3ナンバーサイズのリーフのコンポーネントを移植したe-NV200は、全幅が3ナンバーサイズとなっています。

そのため、トレッドも広がって安定感のある走りと見た目を実現していますが、商用車モデルは1ナンバー登録となることで、高速道路の料金が上がってしまうというデメリットもあるのでご注意を。



気になる航続距離とバッテリー容量は?

電気自動車でやはり気になるのは、航続距離とバッテリーの容量でしょう。

e-NV200のデビューは2014年で、時期的には初代リーフの前期型と同世代。

ということで、e-NV200に搭載されたバッテリーとモーターは、初代リーフの前期型と同じく24kWhバッテリーでした。

このモーターが発生するトルクは254N・mで、ガソリンエンジンの2.5Lに値する力強さ。

元々1.6Lガソリンエンジンを搭載するNV200バネットと比べても、走りのポテンシャルの高さは言うまでもありません。

その一方で、リーフと同じバッテリーを大きく重たいNV200のボディに搭載したことで、カタログ上の航続距離は185~190kmと少々物足りない印象があるのも事実。

しかし、e-NV200には、初代および2代目のリーフには備わらない装備があったのです!(ワゴン7人乗りを除く)

それが「バッテリークーラー」というもの。

電気自動車のバッテリーであるリチウムイオン電池は、スマホのバッテリーと同じく放電、充電を繰り返すと発熱する特性をもっています。

そしてバッテリーが熱をもった状態だと、劣化が早まるだけでなく、効率も極端に悪化してしまうのです。

それを防ぐために、e-NV200には車内を冷やすエアコンと同じく、冷媒を用いて充電中のバッテリーを冷やすバッテリークーラーが備わっているというワケ。

これは、負荷の高い急速充電を頻繁にするであろう、働く車ならではの配慮と言えるでしょう。

そのため、航続距離が短くて頻繁に急速充電をしても、バッテリーの温度上昇が抑えられ、充電効率のアップとバッテリーへのダメージ軽減が図れるのです。

なお、2017年に2代目リーフが発表されたことで、e-NV200も仕様向上が図られ、2018年12月以降のモデルはなんとバッテリーが40kWhと、約1.7倍に!

そして、カタログ値の航続距離は300kmと大きく向上。

ただし、実質1年も販売されなかった計算になるので、中古車市場でのタマ数はほぼ皆無ですが、じっくり探してみる価値はありそうです。

40kWhのe-NV200/e-NV200バンを探してみる

e-NV200の中古車の相場と流通台数は?

e-NV200、実は新車時の価格はバンで約330万~395万円、ワゴンで約445万~480万円というなかなかの高級車(もちろんもろもろの補助金などが出て実際の支払い額は下がっていましたが)。

しかし、原稿執筆時点(2020年6月4日)の中古車価格は、すべて24kWhバッテリー車になりますが、バンが総額でおよそ150万円以下、ワゴンでも総額でおよそ200万円以下と新車時の半額以下で探すことができます。

ただし、掲載台数はバンが8台、ワゴンが17台と圧倒的なタマ数不足は否めません。

e-NV200は一般ユーザーよりも法人ユーザーが圧倒的に多いといわれているので、今後良質な法人ワンオーナー車が市場に出てくる可能性もありますが、欲しい人は定期的にチェックしておいた方がよさそうです。

もし仕事で使うとか、荷室目いっぱいに遊び道具を満載したいという人であればバンでもいいですが、家族を乗せてお出かけしたいというのであれば、ワゴンが圧倒的にオススメ。

ただし、前述したように7人乗りモデルはバッテリークーラーが備わらないので、どうしても3列シートでないとダメという人以外は5人乗りがいいでしょう。

そもそも、e-NV200ワゴンの3列目シートはかなりミニマムですしね。

モーターの豊かなトルクと蓄電池にもなる頼もしさの反面、やや航続距離が心もとないe-NV200は万人にオススメできる車種ではありません。

しかし、同年式の2Lクラスミニバンと比べて非常に手ごろな価格という点などもあって、バシっとハマる人にはこの上ない1台となってくれそうですね。

果たしてあなたのライフスタイルにはマッチするでしょうか?

文/小鮒康一(フナタン)、写真/日産5人乗りのe-NV200(ワゴン)を探してみる▼検索条件日産 e-NV200(初代)×5人乗り×全国7人乗りのe-NV200(ワゴン)を探してみる▼検索条件日産 e-NV200(初代)×7人乗り×全国2人乗りのe-NV200バンを探してみる▼検索条件日産 e-NV200バン(初代)×2人乗り×全国5人乗りのe-NV200バンを探してみる▼検索条件日産 e-NV200バン(初代)×5人乗り×全国

こんな記事も読まれています

大型バスの「謎の小部屋」内部はどうなってる? まさかの「場所」に位置する「空間」は意外と快適!? 知られざる利用実態とは 「あの場所が!」と反響も
大型バスの「謎の小部屋」内部はどうなってる? まさかの「場所」に位置する「空間」は意外と快適!? 知られざる利用実態とは 「あの場所が!」と反響も
くるまのニュース
シトロエンの新映像、『C3』新型を起用…EVが大衆の手に渡るまでの物語
シトロエンの新映像、『C3』新型を起用…EVが大衆の手に渡るまでの物語
レスポンス
シルビアが来るなら当然これも!ハセガワ、「240RS」のプラモデル化を発表【CARSMEETモデルカー倶楽部】
シルビアが来るなら当然これも!ハセガワ、「240RS」のプラモデル化を発表【CARSMEETモデルカー倶楽部】
LE VOLANT CARSMEET WEB
アストンマーティンが新型スポーツカー「Vantage GT3」でニュルブルクリンク24時間レースに参戦
アストンマーティンが新型スポーツカー「Vantage GT3」でニュルブルクリンク24時間レースに参戦
@DIME
強風に強い折りたたみ傘が欲しい! 8本骨構造の「objcts.io×クニルプス」はいかが?【新着ドライブコーデ】
強風に強い折りたたみ傘が欲しい! 8本骨構造の「objcts.io×クニルプス」はいかが?【新着ドライブコーデ】
くるくら
「完全に存在を消すディスプレー」も!? 次世代のエコタイヤなどを展開する「コンチネンタル」の今後とは
「完全に存在を消すディスプレー」も!? 次世代のエコタイヤなどを展開する「コンチネンタル」の今後とは
くるまのニュース
[音響機材・チョイスの勘どころ]「ボックスサブウーファー」は、箱の構造でも音が変化!
[音響機材・チョイスの勘どころ]「ボックスサブウーファー」は、箱の構造でも音が変化!
レスポンス
現状維持の選択がリスクを招く? 再契約したレッドブルとペレスの現状
現状維持の選択がリスクを招く? 再契約したレッドブルとペレスの現状
motorsport.com 日本版
209万円から! ホンダ新型「最安SUV」ベテランドライバーの買い替え需要にマッチ!? シンプル装備がウケる理由
209万円から! ホンダ新型「最安SUV」ベテランドライバーの買い替え需要にマッチ!? シンプル装備がウケる理由
くるまのニュース
歴代最速のシボレー「コルベットE-Ray」日本初公開! “ハイブリッド+4WD”はコルベット史上初!! 664馬力の強心臓が提供する異次元の走りとは
歴代最速のシボレー「コルベットE-Ray」日本初公開! “ハイブリッド+4WD”はコルベット史上初!! 664馬力の強心臓が提供する異次元の走りとは
VAGUE
トライアンフ モーターサイクルズ ジャパンが10色の新色を導入
トライアンフ モーターサイクルズ ジャパンが10色の新色を導入
レスポンス
「ウェッズスポーツ」の最新作「SA-62R」が登場! コスパに優れたホイールは6本ツインスポークで高剛性と軽量化を実現、4色のカラバリです
「ウェッズスポーツ」の最新作「SA-62R」が登場! コスパに優れたホイールは6本ツインスポークで高剛性と軽量化を実現、4色のカラバリです
Auto Messe Web
マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46/1971年10月発売・S122型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト066】
マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46/1971年10月発売・S122型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト066】
Webモーターマガジン
【新型Eクラス AMG】スーパーモデルのDNAが成した性能&エコの両立
【新型Eクラス AMG】スーパーモデルのDNAが成した性能&エコの両立
グーネット
アルピーヌF1離脱のオコン、移籍先有力候補はハースか。レッドブルのドライバー発表後に、多数のシートが確定へ
アルピーヌF1離脱のオコン、移籍先有力候補はハースか。レッドブルのドライバー発表後に、多数のシートが確定へ
AUTOSPORT web
「謎の“軽セダン”」ってどんなクルマ? 新車でも売ってる!? 「見た目は軽」なのに何が違う? どういうモデルなのか
「謎の“軽セダン”」ってどんなクルマ? 新車でも売ってる!? 「見た目は軽」なのに何が違う? どういうモデルなのか
くるまのニュース
テスラ「ジュニパー」プロジェクトで『モデルY』が大変身!?
テスラ「ジュニパー」プロジェクトで『モデルY』が大変身!?
レスポンス
16年ぶりにマッチが現役復帰! ラトバラも走る! 影山も立川も参戦! S耐富士24時間レースはドライバーも豪華すぎる
16年ぶりにマッチが現役復帰! ラトバラも走る! 影山も立川も参戦! S耐富士24時間レースはドライバーも豪華すぎる
WEB CARTOP

みんなのコメント

7件
  • e-NV200がすごいみたいな記事になっているが、
    コンセントやバッテリー冷却をつけなかったリーフのほうがおかしいだけだと思う
  • なんで1or3ナンバーにしたのか解らない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

460.1476.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

68.2147.0万円

中古車を検索
e-NV200の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

460.1476.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

68.2147.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村