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見た目はスポーティ 走りはコンフォート ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗

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見た目はスポーティ 走りはコンフォート ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗

ステランティスで共有する225psのPHEV

筆者が新しいヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeの試乗会へ招かれた当初、いよいよバッテリーEV(BEV)版が登場したのかと勘違いした。上級仕様として。

【画像】見た目はスポーティ 走りはコンフォート オペル・アストラ GSe 競合モデルと写真で比較 全149枚

既にBEV版のアストラが登場することは、事前情報として得ている。オペルが属するステランティス・グループのモデルでは、内燃エンジン版よりBEV版の方が、ドライビング体験で優れることが多い。ブランドとしても、訴求力を高めることになる。

ところが実際は、既に馴染みのあるパワートレインを搭載したアストラだった。プジョー308や、先日試乗したオペル・グランドランドも採用している、225psを発揮するプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だ。

180psを発揮する1.6Lの4気筒ガソリン・ターボエンジンに、108psを発揮する駆動用モーターが組み合わされ、前輪を駆動する。駆動用バッテリーは、実容量で9.9kWhのものが積まれる。

コンパクトなハッチバックボディのアストラ GSeの場合、EVモードで走れる距離はWLTP値で64kmがうたわれる。英国の場合、税制区分でも有利になる数字だ。車重が増えるステーションワゴンのアストラ・スポーツツアラーより、僅かに長い。

容姿はスポーティ 走りはコンフォート

オペルのPHEVに共通で新設定されたのがGSeで、アストラの場合は、ハイブリッド180の上に据えられるトップグレード。コニ社製の減衰力可変式タンパーに10mm車高が落ちるスプリング、専用のスタビリティ・コントロールが組まれる。

装備も充実しており、ヘッドアップ・ディスプレイにマトリックスLEDヘッドライト、スマートフォンのワイヤレス充電パッドなどが標準。多彩な運転支援システムも初めから付いている。

見た目は、GSe専用デザインのフロントバンパーと、ルーフがブラックに塗られるツートーン・カラーで差別化。足もとは特別な18インチ・アルミホイールでキメている。

なかなかスポーティな仕立てといえるアストラ GSeながら、実際の走りは攻めた感じではない。フロントシートも、サイドサポートの立ち上がったスポーツタイプが2脚載っているが、クッションが効いていて座り心地はとてもいい。

ステアリングホイールのリムは、やや細め。ホットハッチだと気負ってアクセルペダルを傾ければ、駆動用モーターだけで静かに発進する。サスペンションもしなやかに動く。

むしろ有能なダンパーのおかげか、通常のアストラ以上に乗り心地は落ち着いている。コーナーではボディロールも小さくなく、ミシュラン・プライマシー4というタイヤも、唸るようなグリップ力を発揮するわけではない。

角の取れた普段使いに適したハッチバック

ドライブモードをスポーツへ切り替えると、ステアリングホイールの重さが増し、エンジンのレスポンスが鋭くなる。だが、サスペンションの特性に変化はない。カーブの続く道を刺激的に駆け抜けられるわけではない。

とはいえ、クルマとして全体の調和が取れ、コーナーでは小さくない充足感が得られる。過度にハードな設定を与えなかったというオペルの判断は、パワートレインとのバランスを考えると正解だと思う。

PHEVのシステムは、ステランティス・グループのハイブリッド225と基本的に同じ。穏やかに運転している限りは、洗練されていて滑らかだ。8速ATにはマニュアルモードが備わらず、エンジンは仕事に消極的だから、活発に運転したくなるタイプではない。

アクセルペダルを蹴飛ばすと、駆動用バッテリーの充電量に不足がなければ、爽快な加速力を楽しめる。反面、かつてオペルが提供していた高性能グレード、VXRの復活だと期待すると若干肩透かしかもしれない。

アストラ GSeは、いい感じに角の取れた、普段使いに適したPHEVのハッチバックだといえる。プジョー308のハイブリッド225より速いことはないが、それとは一味違っていて、何かが犠牲になっているわけでもない。

これまで以上に訴求力のあるモデル

そもそも新しいアストラ自体が、スタイリッシュで仕上がりに優れたモデルだと思う。インフォテインメント・システムの内容やインテリアの質感も、平均点以上だろう。これまで以上に訴求力のあるモデルといえ、それはPHEVのGSeにも当てはまる。

英国価格は、同等の装備で馬力が劣るハイブリッド180のアルティメット・グレードより、150ポンド(約2万4000円)高いだけ。4万550ポンド(約648万円)はお手頃とはいえないが、プジョー308やフォルクスワーゲン・ゴルフの同等仕様よりお値打ちだ。

オペル・アストラ GSeを、切れ味の良いホットハッチだとは捉えないで欲しい。洗練度を増した、少し高いPHEV版だと考えれば合点がいく。仕上がりは悪くない。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万550ポンド(約648万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1470mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:90.9km/L
CO2排出量:25g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:9.9kWh
最高出力:225ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

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