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巣ごもり年末年始にオススメ! 「トップギア」に登場したおバカな魔改造車ベスト7

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巣ごもり年末年始にオススメ! 「トップギア」に登場したおバカな魔改造車ベスト7

■2020年も継続開催中だった「The World of Top Gear」

 2018年夏、筆者は長らくの念願をかなえて、ロンドンからクルマで2時間ほど走らせたイングランド南部ハンプシャー州ビューリーにある素晴らしい国立博物館「ナショナル・モーターミュージアム」を訪ねることができた。

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 そこで出くわしたのが、英国の公共放送局「BBC」が制作する、バラエティ番組のメガヒット作、「BBC Top Gear」に登場する番組特製のクルマたちを集めた「The World of Top Gear」と名付けられた企画展である。この番組は、日本でもBS/CS放送、あるいは動画配信サービスなどでもお馴染みだ。

 ここで展示されていたのは、かつてこの番組を率いていた名物司会者、ジェレミー・クラークソン氏とリチャード・ハモンド氏、そしてジェームズ・メイ氏が、英国人らしい強烈なブラックユーモアを発揮して「魔改造」した、冗談のようなクルマたち。

 いずれも番組の終盤には良くてボロボロ、悪ければ爆破されてしまうという、いかにもな末路を辿った魔改造車たちが居並ぶのだが、TV画面から飛び出した実物を目の当たりに見ると、実はそれぞれのクルマに対する愛とリスペクトが込められた作品のようにも感じられたのだ。

 今回は「The World of Top Gear」で目撃した魔改造車から7台をセレクトし、紹介しよう。

●フィアット・パンダの超ロングリムジン

「シーズン9(2007年)」に登場。

 1993年型フィアット「パンダ1000CLX」を前後に叩き切り、その間に10mのキャビンを挿入したその名も「ジャイアント・パンダ」。当初は全長14mで登場するも、英国内法規に合わせて12メートルに短縮したと番組内では語られていた。

 ほかにもリチャードの製作したミッドシップ&オープンの「MG-Fスポーツリモ」や、ジェームズのサーブ「9000」とアルファ ロメオ「164」(ちなみに共同開発の姉妹車)双方のテールを切り落として合体させた「サルファ・ロメアーブ(Salfa-Romeaab)」も製作されたが、いずれも手作り感たっぷりの出来ばえ。

 さる音楽祭でレッドカーペットを歩く、ミュージシャンやインフルエンサーの送迎に使用されることになっていたものの、後席に乗せられたセレブたちは、途中から歩かされたり車内で転がされたりと、いずれもひどい目に遭わされることになった。

●ジャガーXJ-Sの高速列車

「シーズン17(2011年放映)」に登場。

 この時代のイギリスで整備の進んでいた都市間高速鉄道に対して「コストが過大」と異論を唱え、より安価な鉄道旅行を実現するために自動車をベースに製作された画期的な鉄道車両を提案するという、いつもどおりの大仰なテーマのもとに製作された。

 そこでジェレミーが提案したのは、ジャガー「XJ-Sコンバーチブル」を機関車とする「TGV12」。もちろんフランスの超特急「TGV」のパロディなのだろうが、名物トリオ曰く「TG」は「Top Gear」のイニシャル、「V12」はXJ-Sに搭載されるV12エンジンを示すとのことであった。

 大パワーの後輪駆動車ベースということで、鉄路では発進に苦労を強いられたが、走り出せばなかなかの快速走行。後方に連結する「客車」もバケットシートをくくりつけたフルオープンで、テスト走行では視聴者から選ばれた乗客が乗車したものの、当然ながらひどい目に遭わされることになった。

 一方、ジェームズは4WDでトラクションに優れたアウディ「S8」を改造した鉄道車両を製作。1等車/2等車/3等車(屋根なし)のキャンピングカーを牽引して、リチャードをキャビンクルー兼ウェイターとして走り出したが、こちらもキャンピングカーの厨房から出火! という「お約束の」アクシデントに……。

●トライアンフ・ヘラルドの水陸両用車

「シーズン8(2007年放映)」に登場。

「水陸両用車への挑戦」と銘打ち、なんとドーバー海峡を横断しようというチャレンジのために作られた、自作の水陸両用車である。

 かつての名物司会者トリオの中で、筆者がもっとも尊敬するジェームズ・メイ氏は、古いモノが大好きな趣味人。そこで1959年ー1971年にトライアンフ社が生産・販売した小型大衆車「ヘラルド」のコンバーチブルに、巨大なマストとセイルを組みつけたヨット風の水陸両用車へと魔改造する。

 ところがこのヨット風水陸両用車は、常に水没の危機にさらされていたうえに、本当にヨットのごとく動力を風任せにしてしまっていたため、まるで前に進まず早々にリタイア。

 VW「カラヴェル・キャンパー」をボートに乗せたような水陸両用車を製作したリチャードも、志なかばで水没を喫してしまう。

 結局、破壊されつつもゴールにたどり着くことができたのは、ベッド(荷台)にパワーボートの船外エンジンを搭載したダットサン・ピックアップのジェレミーだけであった。

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●フィアット・ムルティプラの高齢者向け車両

「シーズン19(2013年放映)」に登場。

 ジェレミーとリチャードは「高齢者の運転による弊害の解決策を提案する!」と称して、高齢者のために特別に設計されたクルマを開発するというテーマにチャレンジした。

 彼らは、乗降性に優れる(つまり腰に負担を掛けない)ベース車両として、日頃から「世界一醜いクルマ」と嘲笑していたフィアット「ムルティプラ」をベース車両に選択。

 大型トラック/観光バスのような巨大なドアミラーや、前後の巨大なバンパー。さらにボディサイドに木製の乗降ステップもくくりつけ、「高齢者好みのクルマ」と決めつけた英ローバーのラジエーターグリルも据えつけた。

 そして、番組内で老人キャラを担当しているジェームズに因んで「ローバー・ジェームズ」と名づけたこのクルマを、高齢の住民が多いというドーセット州クライストチャーチに持ちこんで、数人の年配マダムに試乗させたのだが、彼女らの評判はさんざん。最後はなぜか左右のドアを落とし、路上に火花を巻き上げて……。

●番組特製のレンジエクステンダーEV(?)

「シーズン14(2009-2010年放映)」に登場。

 当時イギリスで購入できたもっとも安価なEV、インド製「G-Wiz」よりもリーズナブルで優れた電気自動車を創ろう! と意気込んで開発されたレンジエクステンダーEV。

 シャシは、なんとピュアスポーツカー(ただし安価で流通していた)TVR「キミーラ」のそれを流用。べニア板で作ったボディを組み合わせ、ディーゼルエンジンで発電する電動パワーユニットを搭載したこのクルマには、「ハンマーヘッド・イーグルi‐スラスト」という、なんとも仰々しいネーミングが授けられた。

 MC三人衆の主張(誇張?)によれば、このクルマは「電気自動車の刺激的な未来の始まりを表すもの」であり、「既存の電気自動車へのアンチテーゼとなるべく生みだされた」とはいうものの、名門「AUTOCAR」誌の名物編集者スティーヴ・サトクリフ氏をわざわざ招聘しておこなったテストドライブは、やはり予想どおりの結果に……。

●ロータス・エクセルのキャンピングカー

「シーズン15(2010年放映)」に登場。

 モーターホーム(キャンピングカー)は、快適なドライブを邪魔する存在と敵視する3人が、ならば魅力的なモーターホームを創ろうという企画が立ち上がった。

 そこでジェームズは、スポーツカーをベースにスポーティな走行も可能なキャンピングカーを企画。ロータス「エクセル」のルーフ上に、にわか作りながら空気抵抗も考慮した(?)キャビンを乗せた。

 一方リチャードはランドローバー「110」、ジェレミーはシトロエン「CX」に2階建ての家をくくりつけたようなキャンピングカーに仕立て上げ、宿泊・調理設備やトイレなど、どのクルマが最適かを確認するために、コーンウォールでキャンプを敢行。

 それぞれの実用性を競うテストをおこなうも、それぞれ致命的な欠点が即座に露呈してしまい……。

●リライアント・ロビンのスペースシャトル

「シーズン9(2007年放映)」に登場。

 かの「Mr.ビーン」のみならず「Top Gear」でも出オチの定番として圧倒的な(?)人気を誇る三輪小型車リライアント「ロビン」を、なんとスペースシャトルに作り直して宇宙に送るという壮大な企画のために開発された。

 ベース車にロビンが選ばれたのは、尖ったノーズなどのスタイリングがスペースシャトルのオービターに似ている、などというもっともらしい理由をつけているものの、本来の目的はこの愛すべきクルマをおちょくることだったに違いあるまい。

 しかしこの企画で驚くべきは、英国の航空宇宙研究に携わる最高峰の頭脳が集結したことである。最新ロケットエンジンの供給を受け、風洞実験も国立大学の研究所でおこなわれたという。

 それでも「お約束」のごとく最後は墜落・爆発に終わったのは、さすが伝説のスラップスティック番組「空飛ぶモンティ・パイソン」を生み出した英国BBCといえるだろう。

* * *

 ちなみに、国立自動車博物館の公式ホームページを見ると、「The World of Top Gear」展は、2020年末の時点でも継続開催中とのこと。

 新型コロナウイルス禍が終息し、再びイギリスを訪れることができる日が訪れたら、Top Gearファンは是非ともその目でご覧になることをお勧めしたい。

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みんなのコメント

6件
  • 本当毎回ジュレミーは美味しい所を持っていくww
  • こういう楽しい番組が有れば受信料も納得出来るがBBCですら受信料の廃止を検討している
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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