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【試乗】新型 BMW 5シリーズ|デザイン変更に加え、乗り心地がさらに“深化”したスポーツサルーン

掲載 更新 27
【試乗】新型 BMW 5シリーズ|デザイン変更に加え、乗り心地がさらに“深化”したスポーツサルーン

マイナーチェンジによるデザイン変更

2020年5月にBMW 5シリーズのLCIが実施された。LCIとは「Life Cycle Impulse」の略で、日本風にいうとマイナーチェンジということになる。

BMW 5シリーズ(現行型)のカタログはこちら

おさらいをすると、この5シリーズで使われているプラットフォームは、現行型7シリーズのアーキテクチャーによって作られたものだ。フラッグシップ向けの骨格という点で、安心感がもてる。

骨格がリッチに作られているからこそ、改良しても基を疑わずに自らの哲学のページをめくることができるのである。

今回、5シリーズに実施されたLCIは、フェイスリフトによるフロントとリアの印象変更である。特にヘッドライトは、L字型の象徴的な輪郭によって引き締まった印象を与える。

また、リアもフロントに合わせたテールライトのデザインで、重厚感も感じられる。

過去のLCIモデルに試乗して思うことは、次の世代のモデルを予感させる味を追加しているところだ。 

グレード名に即した上質な内装

試乗する場所は神奈川県の箱根ターンパイクだ。BMWを操るに、ここほど合った日本の道はない。

起伏に富んだワインディングによる適度な路面のアンジュレーションで、サスペンションのしなやかさを下りと上りで体感できる。

BMWはスポーティなイメージを抱かせるモデルが多いが、試乗する「530i ラグジュアリー」の内装はノーブルな焦げ茶色で構成されており、本来もっている上品さを醸し出した仕様である。

乗っているだけでオーナーを想像できるような希少な1台である。排気量も2L ターボという出力を誇張しないエンジンで、品の良さを示すひとつのスペックである。 

4気筒の強みが、いかんなく発揮されている

まずは大観山から、ターンパイクを下ってみる。下りなので、エンジンのパフォーマンスはそれほど重要ではない。8速ATのトランスミッションのコントロールと、エンジンの静粛性、それとリニアなブレーキコントロールを期待しながらエンジンを始動した。

ストロークがあるシートは上質なレザーによって、ドライバーを優しく包み込む。手に触れる部位が時にコールドタッチを示し、時に温かみのあるレザーを感じさせる。まるでドイツ製ミッドセンチュリーのファニチャーのごとく、質感と心地良さを感じるインテリアだ。

この4気筒ユニットはとても静粛性が高い。振動も抑えられており、3シリーズとの格の違いが随所に感じられるのである。

ステップアップするATは細やかで、無駄にはシフトアップしない。速度に合った的確なポジションで、動力をしっかりと路面に伝えるのだ。

曲がりくねった下りカーブでも、リニアに速度を落とすことができる。同乗者はドライバーに対して、不安を抱くことはないだろう。それだけ車をコントロールしやすいのである。

下りなのでフロントに重心がかかってくるが、重さによるハンドリングにきたす影響も皆無である。このあたりはさすが4気筒である。軽快さがあるが乗り心地もよく、サスペンションを沈めてボディをフラットにする。セオリーどおりであるが、しなやかで安定感がある。

コンフォートを優先にしたラグジュアリーグレードであっても、不安定が残るプアーなハンドリングとは一線を画する。 

マイナーチェンジによる乗り心地の向上を感じた

料金所を越えてからターンして、上り坂に移る。坂を一気に駆け上がるのだが、上品に乗るには心地よいエンジンサウンドだ。トランスミッションが一瞬忙しくなるところもあるが、8速もあるとクロースレシオにできるので、乗員が前後に揺れることもない。

後軸にウエイトを置いた、FRのトラクションは抜群だ。加速してもフロントが浮き上がることもなく、タイヤと路面のコンタクトは万全である。決してドライバーの手が路面を模索するような事態にならないのが、BMWのサルーンの哲学といえる。

少しスポーツドライビングをしても、破綻はなくしっかりと路面の状態をサスペンションでいなす様子がわかるので、雨の日などでも不安定と感じることもないだろう。

今回のマイナーチェンジで、サスペンションと乗り心地の深層を探ろうとする意図が見え隠れする。

見えない部分に磨きをかけてこそ、カスタマーへの本当の回答だといえるのではないだろうか。  文/松本英雄、写真/尾形和美 【試乗車 諸元・スペック表】●BMW 5シリーズ 530i ラグジュアリー型式3BA-JR20S最小回転半径5.7m駆動方式FR全長×全幅×全高4.98m×1.87m×1.48mドア数4ホイールベース2.98mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.6m/1.63mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS◯車両重量1690kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量1965kgミッション位置フロア最低地上高0.15mマニュアルモード◯  標準色ブラックオプション色ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ブルーストーンメタリック、グレイシャー・シルバーメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、ピュア・メタル・シルバーメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、ファイトニック・ブルーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、アルビット・グレーメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ヴェルデ・エルメス・グリーンメタリック掲載コメント-型式3BA-JR20S駆動方式FRドア数4ミッション8ATAI-SHIFT-4WS◯標準色ブラックオプション色ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ブルーストーンメタリック、グレイシャー・シルバーメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、ピュア・メタル・シルバーメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、ファイトニック・ブルーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、アルビット・グレーメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ヴェルデ・エルメス・グリーンメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.7m全長×全幅×全高4.98m×1.87m×1.48mホイールベース2.98m前トレッド/後トレッド1.6m/1.63m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1690kg最大積載量-kg車両総重量1965kg最低地上高0.15m掲載用コメント-エンジン型式B48B20B環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量68リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)14.6km/L総排気量1998cc燃費(WLTCモード)12.5km/L└市街地:9.6km/L└郊外:12.4km/L└高速:14.5km/L燃費基準達成-最高出力252ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm350(35.7)/4800エンジン型式B48B20B種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1998cc最高出力252ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm350(35.7)/4800環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量68リットル燃費(JC08モード)14.6km/L燃費(WLTCモード)12.5km/L└市街地:9.6km/L└郊外: 12.4km/L└高速: 14.5km/L燃費基準達成-

BMW 5シリーズ(現行型)のカタログはこちらBMW 5シリーズ(現行型・マイナーチェンジ後)の物件一覧はこちら(※流通状況により掲載がない可能性がございます

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みんなのコメント

27件
  • レクサスGS(FR)がES(FF)に切り替わってしばらく、

    この
    BMW 5シリーズ
    を含め、
    メルセデスベンツ Eクラス
    アウディ A6
    が残っているのは何故か?

    レクサス共々、
    我々は考えなければいけないのではなかろうか(貧乏人の私が言うのは気が引けますが。。。)。
  • こっちもフェイスおとなしめ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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