■25年前1200万円で発売されたR33ベースのNISMO400Rとは
2021年10月30日に米国・ロサンゼルスで開催された「第16回JCCS(日本旧車集会)」と、11月2日-5日に開催された「SEMAショー2021」の両方に出展されたNISMOのコンプリートカー「NISMO400R」。
このクルマは、米国への輸入条件となる通称「25年ルール」が解禁されてから初めて米国に上陸した1台です。
石油王用の「GT-R」がヤバ過ぎる! ド派手モデルは4500万円超え!
1995年1月の東京オートサロンにて、日産「スカイラインGT-R(BCNR33)」(以下、R33)がデビューした1年後、日産のモータースポーツ部門であるNISMOにより衝撃の発表となったのがコンプリートカーのNISMO400Rです。
R33に搭載のRB26DETTをベースに排気量を2.8リッターまでアップした専用の「RB-X GT2」エンジンをはじめ、専用エアロや専用バケットシートなど外装、内装に数多くのNISMO400R専用装備を有していました。
最大の特徴であるRB-X GT2エンジンはグループAレースで無敵を誇った日産技術の粋を集められて設計、改造されたもの。
R33の標準エンジンRB26DETTの最大出力が280ps/6800rpm、最大トルク36.0kg-m/4500rpmであるのに対して、同じく400ps/6800rpm、47.8kgm/4,400rpmにパワーアップがされました。
大容量インタークーラーや空冷式のオイルクーラーもNISMO400Rの専用装備です。
外装は当時のGT500マシンを彷彿とさせるワイドオーバーフェンダー(+25mm)をはじめ、カーボン製ボンネットや可変式ダブルウイングなども400R専用品となります。
室内は320km/hまで刻んだメーターパネルをはじめステアリング、チタン製シフトノブ、3連メーターなどあらゆるところに専用パーツが盛り込まれています。
発売された1996年当時の価格は1200万円。当時、1000万円を超える国産車は非常に珍しい存在でした。
99台限定での販売を予定しておりNISMOは「完売」としていますが、実際に販売されたのは50台以下だったという話もあります。
1996年当時の国産車で至高のNISMOチューニング車両とはいえ、さすがに1200万円という価格はなかなか手が出せなかったのかもしれません。
そのNISMO400Rが、史上初めて25年ルールの解禁を待って米国の地に登場しました。
それが、前述の第16回JCCS(日本旧車集会)とSEMAショー2021です。
最近、日本のメディでも取り上げられる機会が増えた「25年ルール」ですが、どのようなルールなのでしょうか。
米国では、製造から25年以上経過したクルマは、日本車を含め世界中のどんなクルマであっても該当するすべてのFMVSS(米国保安基準)に準拠しているかどうかに関係なく、合法的に輸入することができます。
そのなかで、25年以上が経過した「クラシックカー」に対する特別な輸入方法で、定めたのは日本の国土交通省に相当する「NHTSA(NATIONAL HIGHWAY TRAFFIC SAFETY ADMINISTRATION米国道路交通安全局)」となります。
このルールは、海外製のクルマを排除するのではなく、製造から一定期間が経過していれば本来は一般登録ができない外国のクルマであっても輸入を認めようという優遇装置です。
直近1年間で解禁となった話題の日本車には以下のクルマがあります。
・ホンダ「インテグラタイプR(DC2)」1995年10月発売(2020年10月以降に解禁)
・日産「スカイラインGT-R LMリミテッド」1996年5月発売(2021年5月以降に解禁)
・三菱「ランサーエボリューションIV」1996年8月発売(2021年8月以降に解禁)
・トヨタ「チェイサー(JZX100)」1996年9月発売(2021年9月以降に解禁)
※ ※ ※
なお、実際に解禁となる年月はそのクルマの製造年月から25年となるので、同じモデルでも製造された時期によって異なり、この辺りは非常に厳しくチェックされます。
■もはや手が届かない? スカイラインGT-Rの値段は世界で高騰!
製造から25年を経て、「解禁」となったNISMO400Rのアメリカ上陸第一号車を販売したのは、カリフォルニア州サイプレスにあるトップランクUSAという会社です。
すでに売約済みということですが、気になるのはその価格です。
1996年に1200万円という高額なNISMO400Rが25年を経てアメリカに輸入され、一体いくらで販売されたのでしょうか。
トップランクUSAに聞いてみたところ、「価格は非公開」とのことでしたが、担当者は次のように話してくれました。
「クルマ自体はすでに弊社のお客さまに売約済みです。
金額に関しては非公開になりますのでお伝えできませんが、数年前、NISMO400Rは7000万円で取引されていたケースがありました。
古い情報なのであまり参考にならないと思いますが…高額なこと間違いありません。
輸入したのは2021年9月で、ホームページに入荷したことを伝えた際には、電話やEメールでの問い合わせがすごい数で来ていました。
しかし多くの人々にとっては夢のまた夢のような金額に感じたと思います」
コメントにあるように数年前には7000万円で取引されたということもあり、現在であれば1億円超でも不思議ではありません。
また、国内のGT-R専門店にいくつか聞いてみたところ、次のように話してくれました。
「NISMO400Rが中古車市場に値段をつけて売り出されることはほとんどありません。
100台以下の生産台数という超希少車であるため市場に出る前にオーナー同士の個人売買や、専門店とオーナーの間で売買契約が完了しているケースが多いからです。
数年前までは価格をつけて販売されることもありましたが、現在は中古車雑誌などに出ることもないでしょう。
あったとしても「応談」となっているので結局は相場であっても正確な金額が一般公開されることはないでしょう」
※ ※ ※
近年、米国を中心に1990年代の日本製スポーツカーは大変な人気となっています。
その筆頭がR32・R33・R34のスカイラインGT-Rです。
R34の25年ルール解禁は早くても2024年1月以降となり、米国で合法的に輸入販売が開始されるまでには2年以上あります。
米国でもっとも多い台数のスカイラインを扱う前出のトップランクUSAでは、売約済みの車両含め解禁前の車両を日本やカナダで保管し、25年ルールが適用される時期にアメリカに輸出するシステムを採用しています。(カナダでは25年ルールが15年で解禁)
米国上陸第一号となったNISMO400Rも同様の方法で、解禁となる2021年9月までカナダ国内で保管されていました。
日本にあるトップランクUSAの保管場所にはたくさんのスカイラインが解禁を待って良い状態で来るべき時を待っているそうです。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
4年で108人死亡 岡山県「人食い用水路」はなぜ誕生したのか? 危険性は近年緩和も、そもそも存在するワケとは
お金持ちがこぞって買うのも納得! 新型レクサスLMに乗ったらライバルなんて存在しないことがわかった
うっかりで…「ゴールド免許」剥奪? 無事故&無違反でもブルー免許に格下げ? 絶対に“注意すべき”コトとは
小さなランクル登場へ!! [ランクルFJ]は伝統のラダーフレーム採用! 約350万円で2024年末登場か!?
ホンダ「新型スポーティコンパクト」登場へ まさかの「次期シティターボ」!? 丸目“旧車デザイン”で期待の「斬新モデル」 26年に投入なるか
なつかしい昭和のスズキ「サンバー」を美しくレストア! 板金屋から引き継いで、ホワイトリボンタイヤで見事にオシャレな1台に仕上げました
平均年収約458万円… 1800万円の「レクサスの最上級SUV」は買えないのでしょうか? 4人だけが乗れる「LX EXECUTIVE」を愛車するために必要な年収とは
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
えっ…また給油!? 「ガソリン代を節約したい!」 誰でも“今すぐ”できる「燃費を良くする」方法とは?
左折するのに右にハンドルを切るのは道交法違反!?「右振り左折」は安全面・マナー面的にも悪癖なので改めましょう
みんなのコメント