ジャガー・ランドローバー(JLR)本社は、エネルギー貯蔵システムの開発を手がけるスタートアップ企業のAllye Energyと提携し、外出先でゼロエミッション充電を実現する斬新なバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を開発したと発表した。
1台のモデルの使用済みバッテリーを使用した、新しいポータブルのバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)には、レンジローバー、レンシローバースポーツのPHEVモデルに搭載されていたバッテリー・パック7台分を再利用している。
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車両から取り外したバッテリーは、一切の加工を行なうことなく、カスタマイズされたラックに差し込むだけで使用することができる。各BESSは、フル充電の状態で、英国の平均的な家庭の約1か月分の消費電力に相当する270kWhのエネルギーを貯蔵することができる。
EVの要件を下回った低エネルギー状態でも、通常70~80%の容量が残っているため、エネルギー貯蔵システムで安全に使用することができる。これらの二次利用が終了した後、真の循環型経済の実現に向けた取り組みとして、原材料を回収して再利用することが想定されている。
二次利用バッテリーを採用した初めてのBESSは、一度に最大9台のレンジローバーPHEVを充電することも可能で、充電は、レンジローバーの既存のPHEVモデル、EVモデルに採用しているコンバインド充電システム(CCS)に対応しており、充電プラグを接続するだけで充電できる。
さらに、パワーロック・コネクター経由でのマルチ給電コネクターにも対応しており、固定サイトまたはオフグリッドサイトで、再生可能エネルギーを充電することが可能なのだ。
ジャガー・ランドローバー社の開発チームは、今回初めてこの新しいBESSを導入し、2024年後半に発売予定の新型EV「レンジローバー・エレクトリック」の走行テストで、BESSによる充電を行なっている。
「レンジローバー・エレクトリック」の開発過程では、低速充電しかできない遠隔地のオフロードでもエンジニアリング・チームが長時間の耐久テストを行なっている。
テストを実施したエンジニアは、低電力電源からBESSに充電し、その後BESSの急速充電機能を使用すると、普通電源から車両を直接充電するよりもはるかに短時間で充電することが可能になったという。
この多用途なBESSの重量は3.5トン未満で、さまざまな場所に移動することも、固定して利用することも可能で、販売店やジャガー・ランドローバー社の拠点に設置することができる。
これによりジャガー・ランドローバー社の3000を超える販売ディーラーネットワークは、太陽光などの再生可能エネルギーを効率的に活用したり、電力網への接続が制限される遠隔地での急速充電をサポートする蓄電装置として使用することが可能だ。そしてこのユニットは、他車でも利用でき、つまり循環型エネルギー事業の一つと位置づけられているのだ。
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ジャガー・ランドローバー 公式サイト
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