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【この金額は高い?安い?】ロータス・エミーラ 英国価格発表 新時代の到来

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【この金額は高い?安い?】ロータス・エミーラ 英国価格発表 新時代の到来

英国価格は約900万円から

執筆:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)

【画像】新型ロータス・エミーラ【ライバルと写真で比較】 全111枚

翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ロータスが10年以上ぶりに発表した新型量産車のエミーラは、スーパーカーのようなルックスと高級感のあるインテリアを持ち、メルセデスAMGまたはトヨタ製のエンジンを搭載する、ミドシップの2シーター・スポーツクーペだ。

英国では、最も安いモデルで5万9995ポンド(約900万円)から販売される予定。来春から世界の主要市場で発売され、当初はエキシージとエヴォーラに搭載されているトヨタ製のスーパーチャージャー付き3.5L V6を搭載したモデル、秋には2.0L 4気筒のAMGユニット搭載モデルが登場する。

最初に販売されるのは、V6エンジンにMTまたはATを選択できる限定仕様車「ファースト・エディション」で、価格は7万5995ポンド(約1140万円)からとなっている。

ファースト・エディションは、ツートンカラーの20インチアルミホイール、ブランドロゴ入りのブレーキキャリパー、タイヤ空気圧監視システム、ブラックコのロワートリム、12ウェイ調整可能なシートなどを装備する。

6色のボディカラーと7色のインテリアカラーが用意され、プライバシーガラス、ブラック・アルカンターラのヘッドライナー、スポーツペダルなどがスポーティーな雰囲気を盛り上げる。

また、「ツアー」または「スポーツ」のサスペンション設定を選択できるドライバーズ・パックが装備されており、グッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツまたはミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2のいずれかのタイヤを指定することができる。

トヨタ製V6とAMG製4気筒

ロータスにとってエミーラは、最後の純エンジン車となる。限定生産の電動ハイパーカーであるエヴァイヤに続き、吉利汽車の所有下にあるロータスの新時代の到来を予感させるものだ。吉利汽車は、新モデルだけでなく、新しい施設や製造プロセスにも資金を提供している。

プラットフォームは、ロータスの新しいスポーツカー・アーキテクチャーだ。1996年にエリーゼで初採用した押出成形と接着によるアルミニウム・シャシー技術を用いて開発されている。全長4412mm、全幅1895mm、全高1225mm、ホイールベース2575mmと、エヴォーラよりもわずかに大きいサイズとなっている。

ホイールベースはエヴォーラと同じだが、トレッド幅が拡大され、20インチの大径ホイールが装着できるようになった。そのため、プロポーションはエヴォーラとは大きく異なっている。

英国で最初に納車が始まるのは、トヨタ製V6を搭載したハイスペックの特別仕様車「ローンチ・エディション」で、トランスミッションはマニュアルとオートマチックの2種類が用意されている。

AMGの親会社であるダイムラーに吉利が出資し、ロータスとAMGが新たに技術提携したことで実現したAMG製4気筒エンジンは、ロータス独自のチューニングが施された上でエミーラに積まれる。専用のエアインテークとエグゾースト、8速デュアルクラッチを採用している。

両モデルともにエンジンを横置きにして、後輪のみを駆動する。最高出力は360~400psで、最大トルクは43kg-mになるとのこと。0-100km/加速は4.5秒以下、最高速度は290km/h以上になると見られている。CO2排出量は180g/km以下を達成する。

機能性を高めたインテリア

デザイン面ではエヴァイヤの影響を強く受けており、低くてワイドな車体に、大きな開口部、ショートオーバーハング、そして大きく盛り上がったフェンダーが特徴的だ。

ロータスのデザイン責任者であるラッセル・カーが担当したエミーラは、これまでのロータス車よりも使い勝手の良さに重きを置いているようだ。

前後LEDライト、アップル・カープレイおよびアンドロイド・オート搭載の10.25インチタッチスクリーン、12.3インチのデジタルメーターなど、最新の技術が採用されている。

インテリアは、これまでのロータスとはまったく異なる。乗り降りが容易になっただけでなく、より広々とした印象を与え(乗降性、ヘッドルームはクラストップレベルとのこと)、高品質の素材が使われ、多くの収納が確保されている。

中央にある2つのカップホルダーやドア内張りの収納のほか、シート後方の208Lのラゲッジスペースと、エンジン後方の151Lのトランクを持つ。

さらに、マルチファンクション・ステアリングホイール、KEF製10チャンネル・プレミアムサウンドシステム、4ウェイ電動調整式シート(12ウェイ調整式スポーツシートはオプション)、キーレス・スタート、クルーズコントロール、オートワイパー、電動格納式サイドミラー、リアパーキングセンサー(フロントはオプション)、自動防眩ミラーなど、機能性が大幅に向上している。

安全面としては、アダプティブ・クルーズ・コントロール、衝突防止システム、疲労警告、道路標識検知、スピードリミッター、車線逸脱警告、リア・クロストラフィック・アラート、車線変更支援など、ADAS(先進運転支援システム)を搭載する。

ファンに響く走りの伝統

こうした日常的な使い勝手の向上を図りながら、走行性能は犠牲になっていないとロータスは主張する。

マネージング・ディレクターのマット・ウィンドルが言うように、これらの機能は「ロータスのコア・ダイナミクスを維持しながら、新しいユーザー層にアピールする」ために追加されたものだ。

サスペンションはダブルウィッシュボーン、ステアリングは電動ではなく油圧式を採用しているが、これはロータスファンには喜ばれるだろう。

シャシーのセッティングは、ソフトな乗り心地の「ツアー」と、硬めの「スポーツ」の2種類が用意されている。後者はオプションのドライバーズ・パッケージで選択できるが、このパックにはローンチコントロールとミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2タイヤが含まれている。

エアロパーツは可動式ではないが、前後でバランスのとれたダウンフォースを生み出し、正確で予測可能なハンドリングを維持しながら、コーナーでのグリップを向上させているという。

ロータスの車両属性担当ディレクターであるギャバン・カーショウは、次のように語っている。

「エミーラは、最近のロータスの市販モデルよりも広いトレッドを持ち、安定性を高め、優れた路面追従性を実現し、低重心の感覚を与えてくれます。エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの伝統を受け継ぐ、真のロータス・スポーツカーです」

車重はエヴォーラよりも約5kg重い1405kgとなっているが、導入された快適装備による重量増加を補うために、一連の軽量化措置が取られている。

これまでにない生産規模

車両の基本構造部は、英ノリッジにあるロータス・アドバンスト・ストラクチャーズという新工場で製造された後、ヘテルにある拠点に約16km運ばれる。この1万2000平方メートルの新工場では、半自動化プロセスで組み立てられていく。この工場は10年間にわたって未完成のまま放置されていたが、ようやく稼働にこぎつけた。

現在、ロータスの英国内生産施設への投資総額は1億ポンド(約150億円)にのぼり、ヘテルには自動化された塗装工場が新設されている。マット・ウィンドルによると、塗装の仕上げなど主要な部分を厳格に標準化することで、品質が大幅に向上するとのこと。

エミーラは年間最大4800台の生産を計画しており、これまで1400~1600台のペースで販売していたエリーゼ、エキシージ、エヴォーラに比べて大幅に増加することになる。ウィンドルは、エミーラの魅力がこれまでのロータス車よりもはるかに大きく幅広いものであることから、新たなユーザー層を取り込めると確信している。

エミーラは、ロータスが2028年の創立80周年に向けて、前社長のフィル・ポパムのもとで策定された「ビジョン80」計画から生まれた最初のモデルである。前述の通り、同社にとって最後の純エンジン車となる。今後はアルピーヌと共同開発した新型電動スポーツカーに加え、中国・武漢の新工場で生産予定の電動SUVも展開していく。

エリーゼとエキシージの生産は今年末に終了し、両車ともほぼ完売している。エヴォーラの生産はすでに終了している。

開発におけるテーマとは?

英AUTOCAR編集部は、ロータスのデザイン責任者、ラッセル・カーへインタビューを行った。

――ロータスの新モデルは、そうそう出てくるものではありません。このような重要なプロジェクトにどのように取り組みましたか?

「わたし達は、どのプロジェクトにも大きな情熱と興奮を持って取り組んでいます。このクルマでは、ドラマ性や魅力、スーパーカーのようなエキゾチック感を備えながらも、スポーツカーというカテゴリーに位置し、日常的に使用できる親しみやすさと品質の高さを兼ね備えることが大きなテーマでした」

「正直なところ、競争が厳しいことはわかっているので、わたし達はもっと前進しなければなりません。ロータスは歴史的に見ても、ライバルよりも常にスポーティなブランドでした。新たに迎え入れたエヴァイヤは、ロータスの真の姿を示すものでしたから、これを足がかりにしない手はありません」

――なぜ、ここまでインテリアを一新したのでしょうか?

「乗り込んだ瞬間、何の戸惑いもありません。サングラスやボトルなどを置く場所はたくさんありますし、収納も充実しています。空港への移動やビジネスでの使用など、毎日妥協することなく使うことができます」

「クルマには何も求めず、ストレスなく支えてもらいたいものです。しかし、もし(車両属性ディレクターの)ギャバン・カーショウになりきって運転したいのであれば、それも可能です」

――スポーツカーは比較的長く販売される傾向にあります。そのためにはどのようなデザインが必要でしょうか?

「すべては理由があって成り立っています。クルマを美しく、記憶に残るように、そしてモダンにすることが大切です」

「自分に正直になり、単にファッショナブルであろうとすることは避け、少し控えめにする。創造性や興奮を捨ててはいけませんが、大きなエアロパーツで飾り付けるのは簡単です。バランスを取らなければなりません。時折、コーリン・チャップマンが導いてくれているように感じることもあります……」

――エミーラの開発にはどのようにテクノロジーを活用したのですか?

「デジタルモデリングを多く行っていますが、常に実物大のクレイモデル(粘土製の模型)を用意しています」

「また、インテリアではVRを使用しています。ラフなデジタルデザインを作り、VRゴーグルを装着して実際にクルマに座っているかのような感覚を味わってから、クレイを作ります」

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みんなのコメント

38件
  • NSXもこのくらいで売ればよかったんじゃなかろうか
  • エクステリア、インテリア共に前衛的でかなりカッコいい。
    これで1000万ならかなり販売数を稼ぐと思いますが・・・
    1.4トン越えのロータスなんて残念すぎる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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