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JTCを席捲したキドニーグリルの1台が今蘇る!プラッツ‐NuNu製プラモ「BMW M3」後編【モデルカーズ】

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JTCを席捲したキドニーグリルの1台が今蘇る!プラッツ‐NuNu製プラモ「BMW M3」後編【モデルカーズ】

ディビジョン2はワンメイクレース状態に

ケガニレーシングのBMW M3と、それを再現したプラッツ‐NuNu製プラモデルについては、前編の記事ですでに紹介した(下の「関連記事」参照のこと)。ここでは初代M3、そしてそのベースとなった二代目3シリーズ(E30型系)について述べていくことにしよう。

圧倒的強さを誇ったあのマシーンの”ケガニ”仕様!プラッツ‐NuNu製プラモ「BMW M3」前編【モデルカーズ】

【画像53枚】デカールから細部の塗装・組み立てまで、その制作過程を見る!

1975年に登場した初代3シリーズ(E21型系)の後継車としてE30がデビューしたのは、1982年のことである。そのシンプルなボディラインはE21のそれを発展させたもので、ボディサイズもわずかに拡大されていた。ボディは2ドアのクーペ(セダンと呼ぶ場合もある)とカブリオレ、4ドアのセダンがあり、5ドアのワゴンもツーリングの名で1987年に加わっている。モデルバリエーションは多岐に渡り、車名は数字の下2ケタが排気量を示す(その通りでないモデルもある)。

エンジンは直列4気筒と6気筒のSOHCがラインナップされ、4気筒には1.6Lや1.8Lなどが、6気筒には2L、2.3L、2.5L、2.7Lなどが存在。これらのエンジンは時期や地域によって追加や廃止・変更などが多くあり、それらを説明していると長くなるので、ここでは省略するが、大まかには、シリーズの中枢は4気筒の1.8Lと6気筒の2~2.5Lと言えるだろう。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット、リアがセミトレーリングアームというお馴染みのもので、FRのお手本ともいうべきこのシャシーは、日本車にも大きな影響を与えた。

1985年にはBMW初の4WD(フルタイム方式)の325iXを追加、1986年にはグループAのためのホモロゲモデルM3を発売したのち、1987年にマイナーチェンジを実施。この時テールランプなどのデザインが変わったほか、バンパーが鉄製のもの(上下がメッキ)から樹脂製に変わった。ツーリングが加わったのもこの時である。1989年には、DOHCの1.8Lエンジンを搭載した318iSを追加。そして1990年には、三代目となるE36型系へとモデルチェンジを行っている。

各国のグループAレースばかりでなくラリーでも活躍
話をM3に戻すと、すでに述べた通りグループAのホモロゲ―ションを得るために開発されたモデルであり、具体的にはメルセデスの190E 2.3-16に対抗したものと言ってよい。1985年のフランクフルト・モーターショーで発表されたM3は、ボディからして大きく手が入れられており、前後フェンダーはブリスター状に拡げられ、フロントには大型のエアダムを装備、サイドスカートやリアスポイラーも備わる。

そればかりでなく、空気の流れを良くするためCピラーは寝かされトランクもハイデッキ化されており、Cd値は0.33を達成。こうした改良のためボディパネルの大半はベースの3シリーズとは大きく異なっており、同じと言えるのはボンネットとルーフだけであった。また、前後バンパーやサイドスカート、トランクリッドやリアスポイラーはプラスチック製とし軽量化に努めた結果、車重は1200kgまでダイエットされている。

エンジンは当時M1やM5に使用されていたM88をベースとしつつも、重量バランスの観点から2気筒分を切り落とし直列4気筒とすることで設計された、S14と呼ばれるユニットを搭載。DOHC、1気筒あたり4バルブのヘッド周りはそのまま使用され、2.3Lの排気量から195psを発揮、レース仕様では300㎰までに達した。トランスミッションはZF製もしくはゲトラク製(レーシングパターン)の5速MTが組み合わされている。前輪のキャスター角が大きく採られ、直進安定性を高めていたのも特徴だった。また、市販バージョンではABSが装備されている。

翌1986年にM3は発売されたが、本来の目的であるレースでは目論見通り圧倒的な強さを見せた。1987年のWTC(世界ツーリングカー選手権)ではBMWのサポートのもと複数のプライベーターが参戦、初戦こそレギュレーション違反ということでケチがついたものの、シーズンが終了してみれば、M3のドライバーのひとりであるロベルト・ラヴァーリアがチャンピオンに輝いている。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)でも同年および1989年の2度、タイトルを獲得。このほか1987年のコルシカラリーでも優勝を飾るなど、その活躍は広範囲にわたった。

日本のJTC(全日本ツーリングカー選手権)における活躍も前編で触れられていた通りで、M3が属するディビジョン2は、1988年以降BMWのワンメイクレースかのような様相を呈し、結果、1993年のJTC終了に至るまでマニュファクチャラータイトルを7年連続で獲得している。作例のケガニレーシングBMW M3は、モータージャーナリストでもある日下部保雄と、ラリードライバーの山内伸弥がステアリングを握り、第2戦と第6戦の2度、優勝を飾ったのである。

M3は1987年にカブリオレを追加したほか、同年のエボリューション(エンジンを210psにパワーアップ)、1988年のエボリューションII(220psにパワーアップ)と進化。さらにDTMのレギュレーション変更に合わせてエンジンを2.5L(238ps)に拡大したスポーツエボリューションも1990年に登場している。1991年末までの6年間に生産されたM3は、合計17,970台に及ぶ。

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