「東京モーターショー」から名称を一新した「ジャパンモビリティショー2023」が東京ビッグサイトで賑わいを見せている。「乗りたい未来を、探しにいこう!」と題し、会場では自動車メーカー各社の最新モデルの展示から、これまでの自動車ショーの枠にとらわれない新たなモビリティの体験、さらに音楽ライブやお笑いライブまで、見どころは尽きない。スケールアップした4年ぶりの祭典を、日刊自動車新聞電子版の編集メンバーが独自の視点で気になるポイントを紹介する。会期は11月5日まで。
写真で見る ジャパンモビリティショー2023「Tokyo Future Tour」
モビリティショーを実感できる主催者プログラム「ジャパンモビリティショー2023」の西展示棟・1階で主催者プログラム「Tokyo Future Tour(トーキョーフューチャーツアー)」を展開している。「モーターショー」から「モビリティショー」に名称変更した変化を実感できる象徴的なプログラムだ。クルマだけではないさまざまなモビリティが活躍する東京の未来を、「LIFE(ライフ)」「EMERGENCY(エマージェンシー)」「PLAY(プレイ)」「FOOD(フード)」に「MOBILITY(モビリティ)」を掛け合わせた4つのゾーンで体験できる。
ツアーの冒頭は未来の東京を見せる「イマーシブシアター」から始まる。圧倒される大きなスクリーンとサウンド、映像とリンクした照明が映像への没入感を高めてくれる。未来の東京では空や海もモビリティが自由に移動している。見る側の年齢によっては既視感のある映像かもしれないが、この空間を楽しむ意味でも一見の価値はありそう。
イマーシブシアターを抜けて「ライフ」ゾーンに入ると最初に、パーソナルモビリティとJR東日本の水素ハイブリッド電車「HIBARI(ヒバリ)」が目に飛び込んでくる。さらに進むと、米ジョビー・アビエーションの電動垂直離着陸機「S4」の巨大な機体に驚く。自動車メーカーも参入する月面モビリティまで登場し、気持ちが空に向かった思えば一気に月面にまで連れていかれる。また、メインのショーではさまざまな立場の人がさまざまなモビリティで自由に移動する様子を表現。「ライフ」といっても幅は広いようだ。
未来の街にはゴジラも襲来「エマージェンシー」ゾーンでは映画「ゴジラ」とコラボレーションしている。ゴジラが襲来して災害が発生する設定のショーでは、さまざまなモビリティが活躍する場面を描いている。電気自動車(EV)による給電をはじめ、瓦礫も厭わないアトラックラボのクローラー駆動ロボット「AT-4WDクローラー」、特に異彩を放つのはロボットライドの装着型ロボット「スケルトニクス」だ。体に装着する3mの機体が人の身体動作をサポーとして力を拡大する。瓦礫風の重いものも難なく動かす雄姿を見ているときは、まさか次の「プレイ」ゾーンでDJの音楽に合わせて踊るスケルトニクスの姿は想像できないだろう。
そんな「プレイ」ゾーンでは、トヨタ自動車のAIバスケットボールロボット「CUE」がひたすらフリースローを決めている。また、人気ゲーム「パックマン」をAR(拡張現実)と専用カートで遊べるミックスドモビリティ体験も用意されている。
3Dプリンターのウニ「フード」ゾーンには、アイシンの給仕ロボット「ピーボ」やトヨタの自動運転車「e-パレット」を活用した無人店舗など食に関するモビリティが展示されている。運ぶだけではなく、調理ロボットも並んでいる。山形大学は食の3Dプリンターを展示し、食べられるウニを造形していた。どこでも同じ味を再現したり、アレルギーを起こす食材を別の食材に再現したりと食の可能性を広げているようだ。近い将来にe-パレットが自宅までやってきて、出張3Dプリンター寿司なるものが登場する日も近そうだ。
トーキョーフューチャーツアーは、それぞれのゾーン間の逆流を禁止している。各ゾーンのショーやイベントはタイミングによっては実施していない可能性も。あますことなく体験したい人は事前に時間を確認してもらいたい。
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