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ファーウェイ&シャオミのEVは価格も性能も戦略も強烈!! スマホ系電気自動車メーカーの勢いがヤバい!

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ファーウェイ&シャオミのEVは価格も性能も戦略も強烈!! スマホ系電気自動車メーカーの勢いがヤバい!

シャオミEVが中国メーカー勢の中心に躍り出た

中国で開催された北京モーターショーにおいて、さまざまな新型EV、および最新EVテクノロジーが発表されました。とくに中国メーカー勢のなかでも、シャオミがその人気の中心となりながら、さらにファーウェイについても、新たなEVブランドであるSTELATOの立ち上げを発表し、ハイエンドセダンS9を発表するなど、中国スマホメーカーという第三勢力の最新動向についてを解説します。

中国市場はまだまだEV化の流れが止まらなかった! 内燃機関からPHEVを介してEVシフトするシナリオの中身

今回取り上げていきたいのが、中国国内で4月末から5月上旬にかけて開催された北京モーターショーです。この中国最大のオートショーについては、上海と北京において隔年で開催されており、昨年の上海モーターショーについては「上海ショック」と題して、多くの日本メディアが、その中国製EVの完成度の高さを報じていました。

そして、今回とくに取り上げていきたいのが、2024年の中国EV市場で台風の目となっているスマホメーカー勢という第三勢力の存在です。まず初めに取り上げていきたいのが、シャオミの存在です。

すでにシャオミについては、4月初頭から初の量産EVであるSU7の納車をスタートしており、順調に生産体制を拡張中です。そして、正式発売がスタートしてから28日が経過した段階で、詳細な注文動向であったり、初のOTAアップデートのタイムライン内容や2024年シーズンにおける納車台数目標、および自動運転のアップデートに至るまでの最新動向が公表されました。

まず初めに、4月24日時点における5000元(約10.8万円)の予約金の返金が不可となる、いわゆるロックインオーダー数が7万5723台に到達している状況です。とくに直近の4日間で5000台以上のロックインオーダーが追加されており、初期注文だけではなく、継続的に確定注文台数が増加していることが示唆されています。

そして、シャオミに対する大きな懸念点でもあったその納車体制について、正式発売をスタートしてから28日間の間に5781台を納車することに成功。とくにEVの量産に関しては、テスラがモデル3において生産地獄に直面し、倒産寸前にまで追い込まれていたという背景が存在したことで、大量の需要を獲得したとしても、それを満足に捌けないのではないかといわれていました。しかし、蓋を開けてみると、納車をスタートしてからものの20日間程度の間に6000台近い車両を納車することに成功したわけです。

その上、当初予定していた生産スピードを引き上げて、6月度においては1万台の納車台数を達成すると主張。2024年シーズンについては、合計10万台の納車台数を実現するという目標も設定してきました。

さらに、すでに納車されたユーザーの内訳について、女性の割合がすでに28%を実現しており、今後その女性率は40%から50%に到達するとも予測されています。その女性率の高さについて理由を調べてみると、エクステリアデザインのよさ、日焼け対策、そして収納の多さという理由が占められています。まさにSU7の強みを、女性ユーザーが高く評価していることが見て取れるわけです。

さらに、ドイツ御三家BBAのオーナーが29%を占めているという点も極めて注目に値します。つまり、ドイツブランドからSU7に流れている様子が見てとれ、これはアメリカでモデル3の爆発的人気とともに、3シリーズやA4、Cクラスの販売台数が低下した流れとまったく同様に感じます。

さらに、アップルユーザーが51.9%と過半数を占めており、やはりこれはCarPlayにも対応しているHyper OSという独自OSを採用しているシャオミの懐の深さが功を奏しているわけです。これによって、SU7を購入したアップルユーザーが、次のスマホの買い替えの際に、シャオミ製のスマホに乗り換えたり、シャオミ製家電を購入する動機づけにもなることから、シャオミのビジネス全体にも好影響を与えるポテンシャルを秘めているわけです。

そして、販売ネットワークについても、2024年末までに46都市、219店舗をカバーする予定です。また、サービスネットワークに関しても、2024年末までに82都市、139店舗をカバー予定。より多くのユーザーにSU7を触れてもらえるような販売ネットワークの拡充とともに、SU7を購入したあとのアフターサービスに関しても、急ピッチで拡充しようとしています。

さらにOTAアップデートについて、ついに初めてのOTAアップデートを5月初旬に配布予定であり、ここではワイヤレスカープレイであったり、エンドトゥーエンドのバレーパーキング、およびそれ以外のスマートな運転体験を配布予定です。

それに続いて、2回目のOTAアップデートについても5月末に実施予定であり、その際にはいよいよ高速道路だけではなく、市街地における自動運転「市街地NOA」をリリース予定です。まずは主要10都市において解放、その後2024年末にかけて、順次、中国全土でのリリースを予定しています。

その上、SU7については、浙江省のトラックレースにおいて1分42秒163という好タイムを記録しています。これはポルシェ・タイカンターボS、およびテスラ・モデルSプラッドを上まわるタイムです。これより上となると、アウディRS e-tron GT、ロータスEletre R+、Zeekr 001 FR、そしてトップのロータスEmeya R+くらいしか存在しないという、EVのなかでもトップクラスのタイムを記録しています。

さらにその上、このラップタイムはあくまでもピレリP ZERO 5という、SU7 Maxに装着される純正タイヤであり、さらに高性能なレーシングタイヤであるミシュランパイロットスポーツCUP2 Rを装着すると、そのタイムは1分38秒043にまで短縮。何といっても、SU7 Maxは29.99万元と明らかに安いわけであり、パフォーマンス性能に対するコスト競争力が抜群に高いことが見て取れます。

そして最後に、この北京オートショーにおける発表会で、シャオミオートへの参画を改めて募集したところ、なんと48時間以内に5000件以上ものレジュメが送られてきているそうです。

いずれにしてもシャオミについては、今後15年以上をかけて世界の自動車メーカートップ5の一角を構成するという野心的な目標を掲げており、採用を強化して、SU7以降のEV開発に繋げていこうとしているわけです。

ファーウェイがEV高級セダンに旋風を巻き起こす予感

次に取り上げていきたいのがファーウェイの存在です。ファーウェイのEV事業に関する前提知識として押さえておくべきは、大きく3つのフェーズでEV事業に参画しているという点です。

まずひとつ目が、ファーウェイが独自開発しているモーターやバッテリーマネージメントシステム、コントロールユニットなどを含めた、EV関連テクノロジーを外販するというビジネスモデルです。ティア1サプライヤーのようなビジネスモデルであるといえます。

次に「Huawei Inside」と名付けられたEV関連のパワートレインだけでなく、コクピットまわりのソフトウェア、さらにはファーウェイのADASシステムを駆動する、ハードウェアとソフトウェアも内蔵することで、スマートEVにまつわるテクノロジーをファーウェイがすべて手がけるというビジネスモデルも展開しています。すでにChanganのEV専門ブランドAvatr、およびBAICのEV専門ブランドArcfoxについては、このHuawei Insideを採用しています。

そして、そのHuawei Insideからさらに一歩進んで、車両販売における商品戦略、マーケティング、そしてファーウェイストアにおける展示や販売に至るまで、自動車ビジネスすべてを包括的に担当するというビジネスモデルも展開しています。これは、Harmony Intelligent Mobility Alliance、通称HIMAと呼ばれる連合です。すでにSeresと立ち上げているAITO、Cheryと立ち上げているLuxeed、そして今回の北京オートショーで正式発表されたBAICと立ち上げるStelato、およびJACとも新ブランドを立ち上げる予定です。

いずれにしても、とくにHIMAについては自動車メーカーに極めて近いビジネスモデルとして、ティア0.5と呼ばれたりもします。

そして、今回取り上げていきたいのが、そのHIMAの一角を構成する、BAICとのStelatoブランドの存在です。そのStelatoブランド初のEVとしてお披露目されたのが、フラッグシップセダンのS9です。全長5160mm、全幅1987mm、ホイールベースが3050mmというフルサイズセダンセグメントに該当します。

前後にモーターを搭載するAWDグレードについては最高出力385kWを発揮。バッテリー容量については、79.9kWhと97.6kWhの2種類をラインアップする見込みです。CLTC基準での航続距離は、それぞれ672km、816kmという十分な航続距離を実現しています。

そしてなんといっても、このHIMAに属するEVについては、ファーウェイの独自開発OSであるハーモニーOSを採用しながら、独自開発の自動運転システムであるファーウェイADSを採用することで、市街地NOAであったり自動バレーパーキング機能を利用可能となります。これらのEV性能と先進性を武器にして、メルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズ、アウディA8などに対抗します。

また、このフルサイズセダンセグメントについては、BYDがDenzaブランドからZ9 GTであったり、YangwangブランドからU7をラインアップし、どちらも2024年後半に正式発売がスタートしていくことから、一気に盛り上がりを見せるセグメントになる見込みです。

よって、今回発表されたStelato S9の登場によって、これまでドイツBBAが圧倒的な支配力を有していたフラグシップセダンセグメントにおいて、どのような変化が訪れるのか。とくに今回はファーウェイだけではなく、BYDが高級ブランドを引っ提げて、満を持してハイエンドセグメントに参入してくることから、2024年後半以降のフラグシップセダンセグメントの販売動向の行方にも大きく注目できるでしょう。

いずれにしても、北京オートショーにおいては、中国メーカー勢の人気が凄まじく、なかでも世界最大のEVメーカーであるBYDとともに、シャオミ、そしてファーウェイという第三勢力旋風が吹き荒れている状況です。

とくにシャオミについては、SU7を2024年中に10万台納車するというアグレッシブな目標を打ち立て、ファーウェイについてはHIMAを立ち上げて、その3つ目のブランドであるStelatoから、ついにフラッグシップセダンEVのS9を正式発表。

ドイツBBAのフラッグシップセダンと全面戦争を挑むことによって、どれほどの販売台数を実現できるのかに注目です。

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みんなのコメント

19件
  • 葛葉恭次
    スマホ系電気自動車メーカーの勢いがヤバい!

    発火した火の延焼の勢いが?www
  • NAS********
    タイトルからして記事を上げる資格など無い雑誌社なのは明らか
    今自由主義国で中共のEVを問題視している事にはダンマリか
    このような広告紛いの記事でおおそうかと騙される人はまだいるのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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