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他人とは違うチョイスが渋い! 人気モデルの激レアOEM車5選

掲載 更新 16
他人とは違うチョイスが渋い! 人気モデルの激レアOEM車5選

■販売台数はベース車の1割以下!? 人気モデルのOEM車とは?

「OEM」とは「Original Equipment Manufacturing(またはManufacturer)」の略で、「他社ブランドの製品を製造すること(またはメーカー)」という意味の言葉です。

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 OEMは自動車業界でも盛んにおこなわれており、自社で開発・製造せずにほかの自動車メーカーから調達して販売するクルマのことを「OEM車」と呼んでいます。

 どうしてこのようなクルマが存在するのかというと、開発・製造するメーカーと、それを販売するメーカーの双方にメリットがあるからにほかなりません。

 開発・製造側にとっては販売網が広がることで生産台数が増え、販売側にとっては車両開発という大きな投資なしに新型車をラインナップに加えられるからです。

 消費者にとっても、複数のブランドから選ぶことができたり、馴染みのディーラーで購入できたりという利点があります。

 また、ベース車には人気モデルが選ばれることが多く、OEM車のほうが販売台数が少ないこともよくあり、人気車とほぼ同じなのに「ほかの人とはちょっと違うクルマ」感を味わえるというわけです。

 そんな「人気車なのにちょっと違う“ワザあり”な選択」となり得るクルマ5車種をピックアップして紹介します。

●三菱「デリカD:2」

「デリカD:2」は、三菱の看板モデルである「デリカ」の名を冠するものの、2列シートのトールワゴンであるスズキ「ソリオ」のOEM車。現行型は3代目にあたり、2020年12月に登場しました。

 ベースはひと足先に発売された4代目ソリオで、ダイナミックな内外装が特徴の「ソリオバンディット」に相応する「デリカD:2カスタム」もラインナップされています。

 ベース車両との違いは、エンブレム類やグレード展開、選択できるオプション装備が若干異なる程度です。

 搭載されるパワーユニットは91馬力の1.2リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。ソリオとは違い、デリカD:2には純粋なガソリン車は設定されていません。

 多くのOEM車ではボディカラーのバリエーションがベース車両より少ないことが多いのですが、ソリオとデリカD:2にはそれぞれ専用カラーが用意されているのが特徴のひとつ。

 基本的には同じクルマなので、ソリオかデリカD:2かは色で選んで決めるというのも面白いかもしれませんね。

●マツダ「フレア」

 軽トールワゴンの先駆者であるスズキ「ワゴンR」のOEM車がマツダ「フレア」です。現行モデルは2017年ワゴンRが6代目へのモデルチェンジにあわせて、フレアも2代目へと代替わりを果たしています。

 フレアはエンブレム以外は「ワゴンR」とほぼ共通ですが、設定されているグレードに差異があります。ワゴンRはマイルドハイブリッド仕様が2グレードにガソリンエンジン仕様が1グレードの計3グレードで展開されますが、フレアはマイルドハイブリッド仕様の2グレードのみ。

 スポーティで豪華な「ハイブリッド XS」とスタンダードな「ハイブリッドD XG」で、それぞれワゴンRの「ハイブリッド FZ」と「ハイブリッド FX」にあたります。

 49馬力のガソリンエンジンだけを積む「ワゴンR FA」に相当するグレードや「ワゴンR ハイブリッド FX」には存在する先進安全装備レス仕様もフレアにはありません。

 だいぶ絞られたラインナップであることも影響しているのか、ワゴンRの月間3816台という販売台数と比べると、フレアは301台とは控えめです(2021年5月)。

 デビューから4年以上が過ぎたこともあり販売は落ち着いていますが、フレアはワゴンRの1/12程度というのですから、マニアックな選択肢といっても間違いではないでしょう。

●日産「NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ」

 スズキの軽ワンボックス「エブリイ(商用車)/エブリイワゴン(乗用車)」をベースに、日産へOEM供給されるのが「NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ」です。

 2003年に「クリッパー」として登場した初代モデルは三菱「ミニキャブバン」、2007年登場の「クリッパーリオ」は三菱「タウンボックス」のOEM車でした。

 しかし、2013年に供給元の三菱が軽商用車の生産および開発から撤退したため、同年に登場した2代目からスズキが車両を供給することになり、車名もNV100クリッパー/NV100クリッパーリオへと改められました。

 また、翌々年にベースのエブリイがフルモデルチェンジを実施。NV100クリッパー/NV100クリッパーリオは登場からわずか2年で現行型の3代目へとモデルチェンジしています。

 OEM車のなかにはベースモデルに対し多少の独自性を盛り込んだ車種もありますが、NV100クリッパー/NV100クリッパーリオについてはほぼエブリイといっても過言ではありません。

 ボンネットのエンブレムやホイールキャップとステアリングの中央にあるロゴがスズキから日産に変更されている程度。

 ちなみに、三菱「ミニキャブバン/タウンボックス」やマツダ「スクラムバン/スクラムワゴン」もエブリイのOEM車です。

 メカニズムや機能性の面ではまったく同じですが、それ以外の面ではバリエーションが少ないというデメリットもあります。

 たとえば商用車モデルでターボエンジン×MTの組み合わせが選べるのはエブリイだけ。ボディカラーもエブリイは5、6色(グレードにより異なる)から選べますが、NV100クリッパーは2、3色のみとなります。

■20年以上の歴史を人知れず築いた長寿なOEM車も!

●ダイハツ「アルティス」

 ダイハツのフラッグシップに君臨する上級セダンが「アルティス」です。親会社のトヨタが製造する「カムリ」のOEM車で、あまり話題にのぼる車種ではないため知られていませんが、じつは5代も続いている長寿モデルなのです。

 現行のアルティスは10代目カムリがベース。両車ともに2017年7月10日に発売され、内外装はエンブレム類以外共通です。

 カムリはエントリーグレードの「X」と、上級グレードの「G」、後から追加されたスポーティな「WS」の3グレードがラインナップされますが、アルティスは「G」のみの1グレード展開となっています。

 ボディカラーもカムリの「G」と共通の4色で、システム最高出力が211馬力の2.5リッターガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載するのも同じです。

 両車でもっとも違うのは販売価格です。アルティスはカムリより約25万円高く、FF仕様が405万3000円、モーターを使用する電気式の4WD仕様「E-Four」が425万1000円(ともに北海道地区を除く)となります。

 OEM車はベース車両より数万円高くなることはよくありますが、ここまで差があるのは非常に珍しいといえます。

 この差は装備の違いによるもので、アルティスにはカムリの同グレードではオプションとなる「ディスプレイオーディオ」や「電動チルト&テレスコピックステアリング」、「カラーヘッドアップディスプレイ」などが備わるため、実質ほとんど価格差はありません。

 国内6000店舗のトヨタディーラーに対しダイハツは790店舗と販売力に差があるので仕方がありませんが、アルティスは数台しか売れない月もあるほど本当にレアなクルマです。

●スズキ「ランディ」

 日産「セレナ」のOEM車として2007年に登場した5ナンバーサイズのミニバンがスズキ「ランディ」です。現行モデルは2016年末に販売開始された3代目で、ひと足先にモデルチェンジを受けて5代目となったセレナがベースになっています。

 エンブレム類だけを変更するOEM車が増えた昨今では珍しく、グリルやバックドアのメッキガーニッシュが専用品へと改められているのが特徴。メカニズムはもちろん共通で、搭載される2リッター直列4気筒DOHCのエンジン型式が若干異なりますが、それは表記上だけで実際には最高出力150馬力の同じユニットです。

 グレード展開が絞られるのがOEM車の悲しいところで、マイルドハイブリッドの「S-HYBRID」は用意されますが、セレナの主力「e-POWER」や売れ線の「ハイウェイスター」は設定がなく、ランディはオーソドックスなグレードのみのラインナップとなっています。

 また、セレナの一部グレードにオプション設定される日産の自動運転技術「プロパイロット」も用意されません。セレナの目玉のひとつでもあるので、今後ランディにも搭載されることを期待するしかありません。

 セレナは広さや使い勝手といったミニバンとしての機能性の高さが何よりも魅力のクルマです。そうした部分はすべてランディにも受け継がれているので、価格が高くなる上級グレードや高額なオプション装備は不要という人には、グレード体系がシンプルで悩まずに済むランディはまたとない選択肢といえるでしょう。

※ ※ ※

 新車価格はベース車両よりやや高めのOEM車ですが、中古車の相場はどうなのでしょうか。

 だいたいは人気のベース車に対しOEM車は不人気車となるのですが、やはり同じクルマなだけあって、同等グレードならほとんど相場は変わりません。

 OEM車のほうが安そうなイメージがありますが、人気のベース車はとにかくタマ数が多く相場が下がるので、結果的どちらも似たような価格帯になるというわけです。

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みんなのコメント

16件
  • ソリオが元々なのに三菱のロゴの収まりが良い
  • ソリオとデリカD:2にはそれぞれ専用カラーが用意されているのが特徴のひとつ。

    どれ??無いよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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