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フェラーリ「288GTO」「F40」「F50」「エンツォ」など超希少なフェラーリが集結したオートモビルカウンシル2023を振り返る

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フェラーリ「288GTO」「F40」「F50」「エンツォ」など超希少なフェラーリが集結したオートモビルカウンシル2023を振り返る

超希少なフェラーリを展示

今年で8回目を迎えたAUTOMOBILE COUNCIL 2023ですが、毎回見どころとなっているのが主催者がテーマを考えて出展車両を選ぶ『主催者テーマ展示』。今回は2つのテーマ展示があり、そのひとつがポルシェの「初期ナローからカレラGTまで」と題した911の60周年記念企画。もうひとつがフェラーリの「フェラーリ・スペチャーレ」と題した創業者であるエンツォ・フェラーリの生誕125周年企画でした。

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フェラーリ288GTO(1984年)

最初に紹介するのは1984年製のフェラーリ288GTOです。このネーミングは2.8L(2855cc)の8気筒(正確にはボア×ストローク=80.0mmφ×71.0mmのV型8気筒)エンジンを搭載したモデルで、GTOとはGran Turismo Omologata(グラン・ツーリズモ・オモロガタ。伊でグランド・ツーリングカーとして公認された、の意)の頭文字を並べたもので、実際に世界中のモータースポーツを統括しているFIAのグループB(=当時のGT)として公認されています。

ただしミッドシップの後輪駆動で2輪のみを駆動するパッケージでは、4輪駆動が必須となっていた当時の世界ラリー選手権(WRC)での活躍には疑問符が付き、またアクシデントが続出したことでグループBによるWRCは中止となってしまい、結果的にWRC参戦は叶いませんでした。

もう一つ特徴的だったのはホモロゲーションモデル≒競技専用車両ながらピニンファリーナのチーフデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティが手掛けた流麗なスタイリング。流石はフェラーリといったところでしょうか。ちなみに、フェラーリでの正式な呼称は単純にGTOとされていますが、1960年代前半に活躍したレース専用車両の250GTOと区別するために、一般的には288GTOと呼ばれています。

フェラーリF40(1988年)

続いて紹介するのは1988年に誕生したフェラーリF40。フェラーリの創立40周年を記念して誕生した“公道を走れるレーシングカー”な1台で、実際に内外のGTレースで活躍していました。鋼管スペースフレームにカーボン製のシェルを張り合わせたハイブリッドなフレームに、先に紹介した288GTO用エンジンを発展させた3L(2936cc)(ボア×ストローク=82.0mmφ×69.5mm)V8を搭載。IHI製の水冷インタークーラー付きツインターボが組み合わされ、最高出力は478psを絞り出していました。

こうしたハイパフォーマンスを発揮し、サーキットで活躍した準レーシングモデルですが、やはり流麗なボディはフェラーリの伝統。288GTOと同様にピニンファリーナのチーフだったフィオラヴァンティが手掛けたスタイリングも大きな特徴でした。

フェラーリF50(1995年)

そんなF40に続いて登場したアニバーサリーモデルは、創立50周年を記念して1995年に発売されたF50。展示されていたのは最終年度となる、1997年モデルでした。開発コンセプトは“公道を走るF1”で、当時フェラーリの副会長を務めていたエンツォの息子であるピエロ・ラルディ・フェラーリの「F1のエンジンを搭載したロードカー」というアイデアをもとに開発されました。

1992年シーズンのF1GPを戦ったF92A用3.5L V型12気筒エンジンのブロックを流用し、排気量を4.7Lまで拡大。気筒当たり5バルブのツインカム(V型だから4カム)ヘッドを搭載したティーポF130Aエンジンを、ダラーラで開発したカーボン製シャシーにストレスマウントしています。

ピニンファリーナが手掛けたスタイリングは流麗で、コンフォタブルなインテリアにも配慮が感じられました。基本パッケージのために乗心地には厳しい評価もありましたが、これは“謂れなき酷評”でしかなく、紛れもなくF1GPマシンとロードカーの接点にあるフェラーリでした。

フェラーリ エンツォ フェラーリ(2002年)

4台目の展示車両は2002年に登場したエンツォ フェラーリです。創業者と同じ名を名乗るこのモデルは、創業55年を記念したアニバーサリーモデルであり、21世紀で初となるスペチアーレ(限定生産車)でした。

F50と同様にダラーラで開発したシャシーを採用していますが、カーボンファイバー製のバスタブ(フレーム)にサブフレームを介してエンジンをマウント。F50で不満の多かった振動などの乗り心地を改善していました。搭載されたエンジンは5998ccの排気量を持つ65度のV型12気筒で、660hpの最高出力を誇っています。

スタイリングは多くの歴代フェラーリがそうであったようにピニンファリーナに依頼されていますが、直接担当したのはチーフデザイナーに就いていた奥山清行さん、通称“ケン・オクヤマ”でした。F1を意識したフロントノーズとリアウイングが取り去られているのが大きな特徴となっています。

フェラーリJ50(2018年)

5台目は2018年に登場したJ50です。これはそのネーミングからもわかるように、フェラーリの日本(Japan)進出50周年を記念したモデルで、488スパイダーをベースに、わずか10台のみが生産されています。

488スパイダーに搭載されているTipoF154と呼ばれる3.9L V8ツインカム・ツインターボは、J50ではオリジナルの670psから690psに引き上げられています。マラネロのフェラーリ・スタイリング・センターが手掛けた魅力的なミッドシップ・ロードスターはタルガトップが大きな特徴となっていました。

フェラーリ モンツァSP1(2020年)

最後の1台は2020年に登場したモンツァSP1です。これは当時、フェラーリの会長を務めていたセルジオ・マルキオンネが1950年代のレーシングスポーツ、750モンツァの前を通りかかった際に漏らした「このモデルが好きなんだ」との台詞で生産が決まった、と伝えられる1台です。

フェラーリのクラシックモデルに触発された特別な車を作ることを目的としたプログラムである、「ICONA(イコーナ)」シリーズと呼ばれる新しいモデルラインの第1作となりました。812スーパーファストをベースに、ボディを大幅にストリップダウンしたシャシーへエンツォ由来の810psを捻り出すV12を搭載。シングルシーターがSP1、2シーターがSP2と呼ばれています。これらの“特別”なフェラーリ6台の競演は、素晴らしいものがありました。

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