「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
日本のクラシックカーや絶版車、珍車についての知識にも定評あるモータージャーナリスト、片岡英明氏監修による本書から、出てくるのが早すぎた!? ちょっとざんねんなミニバンモデル3台をご紹介!
タイミングさえ合えばアル/ヴェル ノア/ヴォクにも負けてなかった!? 登場が早すぎたミニバン3選
監修/片岡英明、写真/日産、ホンダ、マツダ
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■「ミニバン全盛の未来」を見事に予見したものの…… 日産 初代プレーリー(1982~1988年)
日産 初代プレーリー(1982~1988年)。キャッチコピーは「びっくりBOXY SEDAN」。当時は「新しいセダン」という位置づけでした。
●発想はよかったものの技術が追いつかず……
今でこそミニバン全盛の世の中ですが、初代日産プレーリーは「ミニバン」という言葉すら存在していなかった1982年にいち早く「両側ともセンターピラーレス構造」を採用し、「ベンチシート」「3列8人乗り」「回転対座」などのシートバリエーションも実現させていた画期的なクルマです。
しかしボディの開口部が大きすぎてボディ剛性は非常に低く、車重に対してエンジンパワーも低すぎたため、販売はかなり苦戦しました。
そのコンセプトは良かったというか、クルマの未来を確実に予見していたのですが、ざんねんながら技術が追いついていなかったのですね。無念です。
・発売年月:1982年8月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:1487cc
・最高出力/最大トルク:85ps/12.3kg/m
・全長/全幅/全高:4090×1655×1600mm
・車両重量:975kg
・諸元記載グレード:JW
●ざんねん度:★★★★☆
■外が見えやすくてキッズ満足! でも大人は…… ホンダ モビリオ(2001-2008年)
●「覗かれ放題の家」はやっぱり……ねえ……?
ホンダ モビリオは、ホンダ フィットの車台をベースに作られた3列シート・7人乗りのコンパクトミニバンです。販売期間は2001年から2008年でした。
後席のドアは、狭い場所でも乗り降りしやすい左右両側スライドドア。
そして「小さな子供でも車外の景色が見えるように」と、ウインドウ下端を極端に下げたのですが、大人からは「周りから見えすぎちゃって恥ずかしい!」という意見もけっこうあったようです。
物事のバランスというのは難しいですね。
・発売年月:2001年12月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:1496cc
・最高出力/最大トルク:90ps/13.4kg/m
・全長/全幅/全高:4055×1685×1705mm
・車両重量:1260kg
・諸元記載グレード:A(FF)
●ざんねん度:★★★☆☆
■「いいモノなら売れる」とは限らない現実の厳しさを教えてくれました マツダ 3代目MPV(2006~2016年)
マツダ 3代目MPV(2006~2016年)。国産ミニバンのなかではかなり広い全幅ですが、小回りが利く設計でした。良好な燃費と排ガス対策で、環境性能も優秀。刀をイメージしたシャープなデザインも魅力でした
●他社のミニバンに比べてやや狭かったか?
3代目のマツダMPVは、2006年から2016年まで販売されたマツダのミニバンです。
キャッチコピーは「スポーツカーの発想で、ミニバンを変える」というカッコいいもので、エンジンも(当時としては)先進的な直噴ターボエンジンを採用するなどかなり頑張りました。
後輪のサスペンションもマルチリンク式(かなり凝った作りの上等なサスペンション)です。それなのに、不人気でした。
なぜ売れなかったのかはわかりませんが、とにかくざんねんです。
・発売年月:2006年2月
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:2260cc
・最高出力/最大トルク:163ps/21.4kg/m
・全長/全幅/全高:4860×1850×1685mm
・車両重量:1720kg
・諸元記載グレード:23F
●ざんねん度:★★★★☆
* * *
なんでそうなったの!!? ざんねんだけど、でも愛おしい。そんなクルマたちの数々を集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』は講談社ビーシーより絶賛発売中! アマゾンのレビューも好評価です!
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みんなのコメント
マツダはスライドドアがOEMしかない(しかもスクラム、フレアワゴン、ボンゴ及びブローニー)
のでMPVやプレマシー、ビアンテ乗ってる人に後継車が無いのがディーラーさんの頭痛の種。
2代目と比べると背が低くなったことで使い勝手が悪くなった。
そして価格も大幅アップ!
2代目は値引き40万円以上も珍しくない車であった。