発売前から注目が集まっているレクサスGX。ザックリ言えばランドクルーザー250のレクサス版になるが、そこはやはりレクサス。上質さも徹底的に追及しているという。アリゾナで試乗をしてきた山本シンヤ氏に語ってもらいます!!
文:山本シンヤ/写真:レクサス
レクサスGX爆売れ間違いなし!!! ランクル直系DNAで悪路もドンと来い 舗装路も最高ってマジですか
■プレミアムSUVのゲームチェンジャー
エクステリアからしてすでに売れそうな雰囲気がムンムンなレクサスGX
次世代レクサスの3つの柱は「電動化」、「知能化」、「多様化」である。その中でも多様化は2023年に登場した3つのモデルで表現されている。小さな高級車「LBX」、ラグジュアリームーバー「LM」、そして今回紹介する本格オフローダーの「GX」だ。
今回3代目となる新型は、単なるフルモデルチェンジではなくコンセプトも含めて刷新された。チーフエンジニアの塚崎公治氏は「レクサス本格オフローダーのど真ん中であることに加えて、プレミアムSUVのゲームチェンジャーになるべく開発した」と自信を見せる。
新型は日本への導入も公言。LXはかっこいいけど、「値段・サイズを含めて自分事ではない」、「NX/RXもいいが、もう少しガチなモデルが欲しい」と考えるユーザーにとっては、ジャストミートなモデルと言うわけだ。
実は筆者は昨年、富士スピードウェイで行われた「レクサスショーケース2023」の特設コースでこの新型GXを少しだけ味見したが、今回アメリカ・アリゾナのリアルワールド(オンロード/オフロード)で試乗をしてきた。新型の中核となるグレード「GX550オーバートレイル」を中心にお届けしたい。
エクステリアは丸みを帯びたフォルムの先代からエッジの効いたスクエアフォルムが特徴となっている。個人的にはレクサスの品を損なうことなく“ワイルド”、“ゴツさ”がプラスされたデザインだと感じた。ちなみにスピンドルグリルを含めたすべての造形は意匠性だけでなく機能が伴っているそうだ。
端正なルックス。LXより小さく、RXよりはオフロード寄り……そんなユーザーにはピッタリだ
インテリアはNX/RXに通じるコクピットデザインだがインパネ上部はフラット形状、シフト周りに走行系スイッチ集約など、SUVに求められる視界性や直感操作がしやすいレイアウトになっている。シート配列は2列/3列が用意され、3列シート車の2列目はベンチシートとキャプテンシートが選択可能だ。ちなみに3列目は応急用だが、先代よりも体育座り感が減ったので実用性は増している。
まずはGXの真骨頂であるオフロード走行からだ。GA-Fのプラットフォーム、V6-3.5L直噴ツインターボなど基本コンポーネントをLXと共通するも、どちらもGX用に最適化(例えば、エンジンは小型タービンに変更)。
それに加えて、LXに採用されるEPS(電動パワーステアリング)とランクルGRスポーツに採用されるE-KDSS((前後の電動式スタビライザーを独立制御)の融合だ。更にLXよりもフロントオーバーハングが短いパッケージング、更に数年の開発をかけた18インチの専用タイヤ(TOYOオープンカントリー)など、GXのために与えられた武器は数多い。
■ガチオフロードをレクサスで走る
足の動きもよさそうだ!!
走行したコースはモーグルや急斜面、ぬかるみなどが設けられた「意地悪ステージ」。ここではトランスファーはH4→L4、センター/リアのデフロックをONにして走行した。
オフロードは歩くようなスピードでの走行が鉄則だが、そのような状況でもV6-3.5Lツインターボはまるでディーゼルのようにアイドリング+αの回転域でも粘り強さを見せる。
丸太に沿って走るシーンでは車両周辺が確認可能なマルチテレインモニター、モーグルではE-KDSSの効果(従来モデル比+85mmのホイールアーティキュレーション)、30度を超える斜面の走行は基本素性(GA-Fの低重心/重量バランスの良さ)、急こう配の穴への進入/脱出はクロールコントロールの静かで緻密な制御などを実感。
リアの沈み込みはまさにランクル直系のそれ。レクサスだから、という遠慮はないぞ
その印象はまるでドライバーの運転が上手になったと錯覚してしまうくらい楽に走れるのだ。これは基本素性+最新機能のタッグによるものだが、背中をそっと押してくれるような自然でさり気無い機能の介入なのが嬉しい。
走行後、同じ道を自分の足で歩いてみたが、「こんな所を走っていたんだ」と愕然……。更に他の同業者が走るシーンを外で見てみていると、「サスが壊れているの?」と思うくらいの足の動きと大地をがっしり掴むトラクション、当たりそうで当たらないボディ下部の形状や角度など、驚くことばかりだった。
■「オプカン」標準装備でオンロードだって最高だぞ
カラーリングも映える
続いて、オンロードの走行だ。オフロードに強いクルマを舗装路面で走らせると、走る/曲がる/止まるの性能がよく言えば“穏やか”、悪く言えば“ダル”になってしまうのが一般的だが、新型GXは下手な都市型クロスオーバー以上に普通に走る、いやそれ以上にスポーティな印象さえ感じるくらいだ。
EPS採用のステア系は軽い操舵感で必要な情報のみを的確に伝えてくれるし、ボディオンフレーム構造の欠点の一つである下屋(シャシー)と上屋(ボディ)のバラバラな動きは皆無の見事な一体感、低重心/前後バランスの良さを活かした旋回姿勢と言った基本素性の高さはLX譲りだが、ダイレクト感が強くスッキリとした車両挙動により、クルマがより小さく、そしてより軽く感じるのだ。
ちなみにLXとGXの車両重量に大きな差はないが、体感的には「150~200kgくらい軽いのかな?」と思ったくらいの機敏な動きを見せる。直進安定性もボディオンフレームとは思えない高いレベル、外乱に影響されやすく落ち着きがなかった先代に対してビシーッと走ってくれる。運転支援も充実&精度高いので、長距離クルージングも楽々だ
重箱の隅を突くとセンター付近の落ち着きや切り始めのレスポンスは若干緩めだが、EPS制御を手ごたえ重視&重めの操舵力にスポーツにすれば問題なし。また、コーナリング時の姿勢変化もE-KDSSの巧みな制御によりオフロードであれだけストロークしたクルマとは思えないくらい少なめで、思わずコーナーを攻めたくなるくらいの一体感だ。
乗り心地も良好で、入力は優しくストローク感が高いが、ショックをスッと抑えて無駄な動きを出さない見事なボディコントロールに脱帽。これはAVSとE-KDSS、そしてTOYOオープンカントリーの協調によるものだろう。
そんな印象から、オンロードで走らせていると、「このモデルは本当にあの悪路を軽々走ったクルマなのか?」と勘ぐってしまうくらいの見事なオンロード性能だった。
■グレード違いも試乗してみると……
こちらが「ラグジュアリー」。オンロードでの性能を求めるユーザーに人気が出そう
ちなみにオンロードでは別のグレードも試乗。メカニカルダンパー+20インチタイヤ(ヨコハマ)仕様の「プレミアム」はGXの基本素性をピュアに味わえるグレードで、ハンドリングと乗り心地(大きな入力以外)のバランスの良さと路面感受性の高さはGXベストと言っていい仕上がりで、オンロードにおけるオールラウンダー的な存在。
AVS+22インチタイヤ(ダンロップ)仕様の「ラグジュアリー」はFスポーツと言ってっもいいくらいレスンシブなハンドリング。アメリカの荒れた舗装路面ではヒョコヒョコした動きが気になったが、60-70km/hくらいから22インチタイヤを感じさせないフラット感とLXに匹敵する動的質感を実感。
22インチのカッコよさや利便性(GX唯一の電動ステップ付)も含め、路面状況が良い都市部メインで使う人なら満足度は高いと思う。
総じて言うと、オンロード/オフロードを万能なのはもちろん、、「誰でも」、「安心して」、「楽に」、「快適に」走る事ができる、“本物”のマルチパフォーマンスカーと言っていい。筆者はレクサスが目指す「二律創生」、「YETの思想」が、直感的かつかりやすく表現されているモデルだと思っている。
日本でのヒットは間違いないが、唯一心配なのは供給体制……。欲しい人にしっかり届けられる体制になることを期待。
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