現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 25年の進化を辿る ランドローバー・フリーランダー x ディスカバリー・スポーツ 前編

ここから本文です

25年の進化を辿る ランドローバー・フリーランダー x ディスカバリー・スポーツ 前編

掲載
25年の進化を辿る ランドローバー・フリーランダー x ディスカバリー・スポーツ 前編

ブランドに対する認識を塗り替えた

記念日を祝うことは良いものだ。誕生日以外でも。

【画像】フリーランダーとディスカバリー・スポーツ 最新のディフェンダーとレンジローバーも 全107枚

クルマの場合は、過去のモデルを振り返ることで、これまでの年月にどれだけ変化を遂げたのか確認する機会になる。安全性能や動力性能、環境性能などの向上を、つぶさに感じ取ることができる。

大抵の場合は、古いモデルより新しいモデルの方が良くなっている。客観的に捉えれば。そして、それ以上の発見もある。

ランドローバーとして最も小さなSUV、フリーランダーが発売されたのは25年前。その後の同社にとって、極めて大きな意味を持つ存在だったといえる。近年も成長が止まらない、都会派SUVというカテゴリーに属する新しいモデルだった。

当時既に50年近い歴史を有していた、ランドローバーというブランドに対する認識を新しく塗り替えた。商業的にも技術的にも、その後へ続く布石になる結果を残した。2022年に改めてフリーランダーへ触れてみると、その事実を再確認させられる。

というわけで今回は、ジャガー・ランドローバー(JLR)社のお膝元、ロンドンから140km北のゲイドンにやってきた。初代ランドローバー・フリーランダーに試乗するため。本社にお邪魔したのではなく、英国モーター・ミュージアムの方だけれど。

AUTOCARの読者ならご存知かもしれないが、既にフリーランダーというモデル名は現行のラインナップから消えている。カテゴリーやサイズで辿ると、ディスカバリー・スポーツがその後継に当たる。フリーランダー3と呼んでも良いだろう。

モノコック構造に独立懸架式サスペンション

モデル名が変わった理由は、現在のJLR社がディフェンダーとディスカバリー、レンジローバーという3モデルを軸としたグループ化を進めているため。当時はモデル毎に、別の名前が与えられていた。ディスカバリー+スポーツという組み合わせではなく。

フリーランダーを振り返るうえで、モデル開発を率いたディック・エルシー氏にお話を伺うことができた。このコンパクトSUVは、重要な位置付けにあったという。

「当時、3年先までランドローバーの製品計画を見通した時に、空白と呼べるカテゴリーがあるとわかりました。そこで、レジャー向けの四輪駆動モデルを投入するという、野心的なターゲットを設定したんです」

急成長していた高級SUV市場において、レンジローバーはランドローバーの重要な役割を果たしていた。自社のブランド力を利用した、より身近な価格のモデルが同等の支持を得るであろうことは、明確だったそうだ。

その頃ランドローバーを保有していたブリティッシュ・エアロスペース社も、その計画に賛同。技術的に重要な意味を持つ、実験的なプロトタイプが作られた。

ボディと独立したラダーフレーム・シャシーをやめ、同社として初のモノコック構造を採用したことが最大の特徴。リジッドアスクルではなく独立懸架式のサスペンションとし、エンジンが横向きに搭載されていたことも、新しい1歩といえた。

買収したBMWがプロジェクトを推進

試作車は完成したものの、プロジェクトを量産モデルへ仕上げるに当たり、当時で4億5000万ポンドという開発予算が必要だった。そこで1993年、ブリティッシュ・エアロスペース社はエルシーに、開発パートナーの開拓を命じたという。

彼がアプローチした企業が、マグナ・シュタイア社とカルマン社、そして日本のホンダ。しかし話はまとまらず、フィンランドのバルメット社に持ちかけると、少しの進展を得られた。

ところが1994年2月、ランドローバーを含めるローバー・グループをBMWが買収。計画は一旦棚上げされてしまう。

だが実際は、新しいブランド・オーナーは非常に協力的だった。「BMWは、このプロジェクトに感銘を受けた様子でした。ランドローバーの将来へ大きな影響力を持つ、素晴らしい手段だと認められたんです」

「BMWによる買収は、容赦ない支配とは真逆の、夢のチケットといえるほどポジティブなものでした。より優れたデザインと上質な製造品質、洗練性を得るよう、推進してくれたんです」

晴れて1997年9月、まったく新しいランドローバー・フリーランダーが発表される。構成する部品のすべてが、従来のランドローバー・モデルと共有されていなかった。

スタイリングを手掛けたのは、現在JLR社でクリエイティブ部門を率いるジェリー・マガバーン氏。ターゲットは、トヨタRAV4やホンダCR-Vがしのぎを削る市場に定められた。ランドローバーという、ブランド力を後ろ盾に。

この続きは後編にて。

こんな記事も読まれています

これまでの日産車とは全く違う!? しかもPHEV!な『エヴォ・コンセプト』…北京モーターショー2024
これまでの日産車とは全く違う!? しかもPHEV!な『エヴォ・コンセプト』…北京モーターショー2024
レスポンス
一体どんな対応をしてくれる? バイクの騒音被害を通報した際の警察の対応とは
一体どんな対応をしてくれる? バイクの騒音被害を通報した際の警察の対応とは
バイクのニュース
なぜ「高速の渋滞」起きる? 交通量だけじゃない意外な「原因」 日本イチの渋滞「東名・大和トンネル付近」のイマは?
なぜ「高速の渋滞」起きる? 交通量だけじゃない意外な「原因」 日本イチの渋滞「東名・大和トンネル付近」のイマは?
くるまのニュース
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
カー・アンド・ドライバー
24時間で10万台を受注!話題の「スマホ屋のスーパーEV」に人気殺到…北京モーターショー2024
24時間で10万台を受注!話題の「スマホ屋のスーパーEV」に人気殺到…北京モーターショー2024
レスポンス
“どこへでも行き、生きて帰ってこられる”究極のキャンピングカーを欧州で発見! トヨタ「ランクル70」ベースのゴツいトラキャンがカッコいい
“どこへでも行き、生きて帰ってこられる”究極のキャンピングカーを欧州で発見! トヨタ「ランクル70」ベースのゴツいトラキャンがカッコいい
VAGUE
JLR レンジローバーの25MYは出力アップとLWBにディーゼル・マイルドハイブリッドをラインアップ
JLR レンジローバーの25MYは出力アップとLWBにディーゼル・マイルドハイブリッドをラインアップ
Auto Prove
これは便利!スマホとつなげてカーナビアプリを操作できるnpdのディスプレイオーディオ「NPD-A100」
これは便利!スマホとつなげてカーナビアプリを操作できるnpdのディスプレイオーディオ「NPD-A100」
@DIME
片道2万円の完全個室「高速バス」 わずか11席の“超リッチ”仕様!? 新幹線よりも高価な「ドリームスリーパー」とは
片道2万円の完全個室「高速バス」 わずか11席の“超リッチ”仕様!? 新幹線よりも高価な「ドリームスリーパー」とは
くるまのニュース
「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪
「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪
Merkmal
キャリイにハイラックス! アジアのモーターショーで「トラック」が熱視線を浴びるワケ
キャリイにハイラックス! アジアのモーターショーで「トラック」が熱視線を浴びるワケ
WEB CARTOP
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
カー・アンド・ドライバー
え?これですか?電動ゲレンデヴァーゲンです 見た目も乗り心地もGクラスそのもの 電動Gは愛好家からどう受け止められるだろうか
え?これですか?電動ゲレンデヴァーゲンです 見た目も乗り心地もGクラスそのもの 電動Gは愛好家からどう受け止められるだろうか
AutoBild Japan
日産「新型スカイライン」まもなく発売 史上“最強”「匠の手組みエンジン」搭載! 旧車風デザインの「超特別モデル」 何が違う?
日産「新型スカイライン」まもなく発売 史上“最強”「匠の手組みエンジン」搭載! 旧車風デザインの「超特別モデル」 何が違う?
くるまのニュース
ニュルブルクリンクで試験中を捕捉!! トヨタ・スープラの最高峰「GRMN」
ニュルブルクリンクで試験中を捕捉!! トヨタ・スープラの最高峰「GRMN」
レスポンス
【試乗速報】ホンダ新型CBR1000RR-R「マイチェンの域を超えている!! 従来と同じ218馬力なのに、20馬力アップしたような力強さ」
【試乗速報】ホンダ新型CBR1000RR-R「マイチェンの域を超えている!! 従来と同じ218馬力なのに、20馬力アップしたような力強さ」
モーサイ
24年GWの「高速道路渋滞」後半4連休が“激コミ”の予想! どの車線が早く進む? 一般道への迂回は逆効果ってホント!?
24年GWの「高速道路渋滞」後半4連休が“激コミ”の予想! どの車線が早く進む? 一般道への迂回は逆効果ってホント!?
くるまのニュース
RIP SLYME、Crystal Kayの出演も決定! ハーレー主催の「ブルスカ」参加アーティストを発表
RIP SLYME、Crystal Kayの出演も決定! ハーレー主催の「ブルスカ」参加アーティストを発表
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

341.3383.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

74.078.0万円

中古車を検索
フリーランダーの車買取相場を調べる

ランドローバー フリーランダーの中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

341.3383.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

74.078.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村