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マツダ・ロードスター 玄人好みの商品改良でどう変わった? NDのモデルライフ9年目へ(2)

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マツダ・ロードスター 玄人好みの商品改良でどう変わった? NDのモデルライフ9年目へ(2)

オトナっぽい進化、より上質になったRF

マツダが「大幅商品改良」を謳うロードスターの試乗会。今回我々はリトラクタブルハードトップを備えたRF RS/ベーシックなS/SレザーパッケージVセレクションの3台を試乗することができた。

【画像】改良を受けたマツダ・ロードスター試乗の写真をみる 全100枚

まずはロードスターRFの最上級モデルであるRSから

今回RFが搭載する2Lエンジンの出力は変わっていないが、直付け2ピニオンのステアリングラックやアシンメトリックLSDといった初モノはちゃんと入っている。

最初に感じたのはアルカンターラとナッパレザーを使用した黒基調のインテリアの質感の高さだった。もともとRFはソフトトップのロードスターよりも上質な雰囲気を売りにしていた。そこに今回からステッチ入りの表皮でトリムされたセンターパネルが追加されたことで1クラス上の高級感を帯びている。

今回の試乗では従来のモデルも用意されており、新旧を乗り比べることができたのだが、そこではステアリングラック変更の効果がすぐに分かった。操舵に対する遅れがなくなっているし、路面からのフィードバックも増えている。

だが少しペースを上げていくと、ステアリング系統がシャープになったせいでロールが若干急なようにも感じた。RFはリトラクタブルハードトップのおかげでソフトトップより重心が高いので、本気で走るなら操舵を丁寧に、もしくはルーフを開けて走る必要がある(?)

ともあれRFの長所である”高級感”は着実に増していることが確認できた。

ロードスター最軽量、シンプルなS

2番目に乗り込んだモデルはロードスターSだった

ジルコンサンドメタリックという存在感はあるけれど悪目立ちはしないウグイス色が40代より上の世代でウケそう。

エントリーグレードのSは以前からLSDを装備していない。それでもステアリング系統は刷新されているし、1.5Lエンジンのパワーアップも反映されている。

RFを試乗した後だったこともあり、Sの走りは「軽さ」が印象的だった。今回の改良で990kgだったSもついに1トン越え(1010kg)に成長。それでもワインディングを走る限りクルマが重いという感じはしなかった。

軽快なドライブフィールの源泉は16インチのタイヤにあると見た。今回試乗した他の2台は路面を掴む感触が強く感じられる17インチ。対するSの16インチはショルダーが丸く、路面に軽く触れているような雰囲気なのだ。

2年前に追加されたロードスター990Sで好評だったKPC(キネマティックポスチャーコントロール)のおかげでコーナーにアプローチする際、リアの持ち上がりが抑えられている点も軽快感となって伝わってくる。

LSD装着モデルのようにペースを上げていっても挙動がピタッと安定しているわけではない。だが気持ちよくワインディングを流して走るようなごく一般的な走らせ方をするドライバーであれば、むしろLSDなしですっきりと曲がってくれるSの方がお薦めだ。

主役はやはり新しい非対称LSD

最後にドライブしたSレザーパッケージVセレクション

今回の改良の効果を最も端的に感じられる1台だった。その要となっているのはアシンメトリックLSDである。

従来型の円錐クラッチ型LSDを装着したモデルに試乗し、そのあと新型に乗ると、スロットルオフ時のLSDの効きがクルマの姿勢を安定させる様子が手に取るようにわかった。

具体的にはコーナーの進入時、ブレーキングやスロットルオフで前荷重の姿勢をとったときのリアの持ち上がりが抑えられることで、右足を安心してスロットルの上に置いておくことができ早めに開けていくこともできる。 

特に従来型と差が顕著だったのはブレーキングを伴わない中高速コーナーの進入で、わざと雑にスロットルオフしてみても、しっかり後輪を抑え込むLSDのおかげでピッチングの動きが非常にゆったりとしている。

基本的に曲がりにくいクルマをLSDや電子制御ベクタリング等で曲がる方向に持っていくのが昨今の主流といえる。ところがアシンメトリックLSDを装着したロードスターのアプローチはその真逆に近い。

もともと旋回が得意なクルマのリアのスタビリティを高めることで、ドライバーが自信をもって操れる状況をお膳立てしているのである。

シンプルなSにも感銘を受けたが、アシンメトリックLSDを装着したモデルはそれよりもひとクラス上の領域における「人馬一体」を実現している。ライバル不在でもちゃんと自分らしく進化する。

「大幅商品改良」の看板はその通りだと確信したのである。

試乗した3台のスペック

マツダ・ロードスターRF RS

価格:430万8700円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:15.8km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1110kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1997cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:184ps/7000rpm
最大トルク:20.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速MT
タイヤサイズ:205/45R17(フロント)205/45R17(リア)

マツダ・ロードスターS

価格:289万8500円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:16.8km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1010kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1496cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/7000rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速MT
タイヤサイズ:195/50R16(フロント)195/50R16(リア)

マツダ・ロードスターSレザーパッケージVセレクション

価格:355万3000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:AT車 16.8km/L(WLTC)/ MT車 17.2km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1030kg(MT)/1070kg(AT)
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1496cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/7000rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速オートマティック/6速MT
タイヤサイズ:195/50R16(フロント)195/50R16(リア)

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みんなのコメント

3件
  • suc********
    幌の2リットルは今回もなしか
  • jas********
    1.5の駆動系が2.0やNR-Aと同じになったからの重量増加のようですね。初期モデルを乗り続けてきましたが、乗換えを考えてしまいます。
    2.0やファイナリエディションなど出てきた時の乗り換え資金を準備しようと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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