日本におけるジープは、伝統の“ジープルック”が特徴のラングラーと、現代的なスタイルを持つ都会的なSUVが4モデルから選べる。
SUVのラインナップは、ベースモデルから「レネゲード」、「コンパス」、「チェロキー」、そしてフラグシップの「グランドチェロキー」だ。今回、冬の北海道で試乗したチェロキーの上級グレード「リミテッド」は、全長4665mm、全高1725mmのボディに、最高出力272ps/最大トルク400Nmを発揮する1995cc直列4気筒ターボエンジンを搭載し、9段オートマチックを組み合わせる。
季節を選ばない万能クロカン──ジープ ラングラーを雪上で楽しむ!
駆動方式はオンデマンド型の4WD(前輪駆動ベース)だ。複数の走行モードをもつ「セレクテレイン・システム」を「AUTO」にしておけば、路面や走行状況に応じ、必要なトルクを後輪へ自動で配分する。なお、セレクテレイン・システムのコントローラーはインパネ下部にあり、「AUTO」「SNOW」「SPORT」「SAND/MUD」「ROCK」の、合計5つのモードをダイヤル操作で切り替えられる。
セレクテレイン・システムは、スロットルコントロール、シフトタイミング、トランスファーケース、トラクションコントロール、エレクトロニック・スタビリティコントロールなどを協調制御し、各走行モードに適した内容に切り替える。
私はセレクテレイン・システムでAUTOを選択し、走った。一般道では多少の積雪があったものの、スタッドレスタイヤの恩恵もあって、まったく不安はない。
ジープの輸入元であるFCAジャパンの広報部が設定した試乗コースは、新千歳空港そばから、北野沢温泉までの一般道だった。国道275号線を走り、途中で支笏湖を見ながら、山のなかに入っていく。出発地の千歳こそ快晴で積雪も少なかったが、支笏湖の手前から雪が多くなり、北湯沢あたりはしっかり雪が積もっていた。しかも出発は午後だったから、16時ごろから太陽が山の陰にみるみる隠れてしまい、暗くなっていくなか、チェロキーで目的地を目指した。
チェロキーのスタイリングは都会的だ。伝統的な7スロットグリルを備えているものの、表面のカーブはなめらかさが強調されていて、市街地に溶け込むデザインだ。
インテリアも本格的なクロカン4WDモデルと比べると、ちょっと豪華でスポーティな仕立てだ。私が乗った試乗車は、インテリアカラーがブラックで統一されていた。シート表皮はパーフォレーテッド(孔開き)タイプのしっとりした触感のレザーで、ダッシュボード各所にはクロームをあしらい質感を高めている。
居心地のいいインテリアとともに、走り出しの力強さも印象的だ。エンジンの回転フィールは、トルクがアイドリングのすぐうえからしっかり出るマルチシリンダーのような感覚だった。高回転域までまわすとスポーティで気持ちいいらしいが、雪道では試せなかったので、次回の楽しみとしたい。
路面からのフィードバックは、ステアリングホイールを通して適度に伝わってくる。過敏ではないから、雪道のひとり旅では、とくに安心して走れた。
一般道とはべつに、主催者が用意した特設コースでの試乗も体験した。これによりチェロキーの扱いやすさがよりよいかたちでわかった。
きついターンをするときも、トラクションコントロールがしっかり働く。アクセルを強めに踏み込むとノーズが内側に入っていくのが一般的な傾向であるが、チェロキーはそういったことなく、路面をしっかりグリップして走った。
もうひとつ、私が気に入ったのは元気のいい音を奏でてくれるアルパイン製のオーディオシステムだ。iPhoneの圧縮音源も、各楽器の持ち味をしっかり聴かせてくれる印象で気持ちがいい。ドライブを大いに楽しくしてくれた。
日本におけるジープは、1942年登場の「ウィリスMB」を彷彿とさせるラングラーが根強い人気を誇る。それと比較すると都会的にすぎるように感じるチェロキーであるが、SUVとして乗れば出来のよさに感心するだろう。
試乗したリミテッドの価格は479万円だ。輸入車で同価格帯のSUV(4WD)を探すと、メルセデス・ベンツ「GLA220 4MATIC」が467万円、BMW「 X1 xDrive 20i」が461万円、アウディ「Q3 2.0 TFSI quattro」が469万円、ボルボ「XC40 T4 AWD Momentum」459万円、などのモデルがすぐ浮かぶ。存在感は負けていない。SUVブームの日本において、もう少し注目されてもいいのでは? と、思うのであった。
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