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やっぱりヤバいR32GT-R!! 盗難防止の奥の手をオーナーが解説

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やっぱりヤバいR32GT-R!! 盗難防止の奥の手をオーナーが解説

 ここ数年大きな問題となっているのが自動車の盗難だ。統計などではランドクルーザーやプリウスの台数が多いが、その裏で1990年代の希少なスポーツモデルも大きな被害を受けている。今回はR32型スカイラインGT-Rのオーナーが、実体験をもとに注意するポイントを指南する。

文/藤田竜太、写真/ベストカー編集部、日産、マツダ、スバル、Adobe Stock

やっぱりヤバいR32GT-R!! 盗難防止の奥の手をオーナーが解説

■狙われる1990年代のスポーツカー

人気の高いR32GT-Rは窃盗団の標的になることもしばしば

 先日、知人が購入した新車がようやく納入されたので、近所のカーセキュリティショップを紹介してあげた。

 自分のR32型日産スカイラインGT-Rのセキュリティもインストールしてもらったショップなので、紹介しつつ最近の盗難事情について聞いてみると、相変わらず千葉県北西部、茨城県南部、埼玉県、神奈川県などで、1990年代のスポーツカーの盗難が多発しているとのこと。

 狙われやすいのは、第二世代の日産スカイラインGT-R(R32、R33、R34)、マツダRX-7(FD3S)、トヨタスープラ(80)、ホンダのタイプR系、それに三菱ランエボ、スバルインプレッサSTIといったところらしい。

 盗難の手口も大胆になってきており、自宅の敷地内で、外から見えない場所にあるシャッター付きの車庫からクルマを盗まれてしまった例もあったとのこと。

 1990年代のスポーツカーを狙う輩は、ほとんどが窃盗団、つまりプロの犯罪グループで、組織的に犯行に及んでいる例が多いらしい。

 また窃盗団は入念に下見をしたうえで犯行に及ぶのもひとつの特徴。近所で普段見かけないクルマが、ゆっくりと町内をぐるぐる回っているケースや、見知らぬ人が駐車場前で立ち止まっているとか、クルマのそばにタバコの吸い殻が落ちていたりするのは、窃盗団が下見に来ている可能性がある。

 もうひとつ、よく話題になるのが、ワイパーなどに挟まれている「車を現金で高価買い取りいたします」と行った類いのチラシ!

 この手のチラシは自動車窃盗団の下見である可能性が高く、実際、SNSには愛車に買い取りチラシが挟まれたあと、窃盗被害に遭ったという情報が多く掲載されている。

 こうしたチラシには、スポーツカーだけでなく、トラックや重機、ワンボックス、フォークリフト、農機具などの写真が一緒に掲載されていて、会社の所在地もけっして近所ではなかったりするのが共通の特徴。

 見るからに怪しい業者にしか思えないが、こうしたチラシが貼られたまま、しばらく放置していると、「普段あんまり乗っていない」「クルマを見に来ることも少ない」=盗みやすいクルマとして、窃盗グループにマークされてしまう。発見次第、速やかに剥がして処分すること。

■挟まれたチラシを放置してはいけない

ワイパーのところに中古車店の買取チラシが挟まっていたら注意だ(ふわしん@Adobe Stock)

 ちなみに筆者も今年に入り、2回ほどこうしたチラシを貼られたことがある。そのままチラシを捨ててもよかったのだが、今回は地元(千葉県北西部)の警察署に行って、生活安全課にこれらの二枚のチラシを提出しパトロールの強化と、こうした怪しい業者の背景捜査をお願いした。

 さらに、最近の自動車盗難の状況についても質問すると、次のように教えてくれた。

・千葉県は全国でもっともヤードが多い(約640箇所 全国の約24%)
(ヤード=周囲が鉄壁等で囲まれた作業場等であって、海外への輸出等を目的として、自動車等の解体、コンテナ詰め等の作業のために使用していると認められる施設)

・千葉県以外では埼玉、愛知、茨城、神奈川の順でヤードが多い。
・自動車盗の都道府県別認知件数は、千葉県、愛知県、茨城県、大阪府、埼玉県がワースト5で、この4県+1府だけで全体の58.5パーセントを占めている(令和4年)。
・旧車では、スカイラインGT-R、RX-7(FD3S)、80スープラなどがとくに要注意。
・自動車盗の検挙率は、令和4年は45.6%。

 思ったより検挙率が高かったのは心強かったが、ちょうど一年前、近所のスカイラインが盗難未遂になったことがあり、その犯人は捕まったのかと聞くと、まだ捜査中との答えだった……。

■純正イモビライザーは効果が薄い

ハンドルロックなどの防犯グッズは有効だが、過信は禁物だ(Monika@Adobe Stock)

 いずれにせよ、1990年代のスポーツカーオーナーとしては、枕を高くして眠れない状況が続いているのは間違いない。

 では実際、どうやって愛車を守ればいいのか。
警察では、車両盗難防止対策として以下のようなアドバイスをしている。

・確実な施錠
・盗難被害に遭わないためにも自動車にイモビライザを装着。
・盗難防止機器の活用
(センサーが衝撃・振動・音等の異常を感知し警報音を発する警報装置、ハンドル固定器具、タイヤのホイールロック、GPS追跡装置等の盗難防止機器を活用)

・防犯設備が充実した駐車場を利用
(人感センサーライト、防犯カメラなどの設置。人通りが多く、見通しがいい駐車場)、
・貴重品は車内に放置しない

 このうち、施錠は絶対条件として、純正のイモビライザー(R34GT-Rなど)は、あまり効果が期待できないと思っていい。

 またプロの窃盗団となると、ハンドル固定器具、タイヤのホイールロックなども、数分で破壊してしまう。

 防犯カメラがあっても、盗難車や盗んだナンバープレートをつけたクルマでやってきて、覆面をして犯行に及び、10分前後でクルマを盗んで去って行く。防犯カメラがあるのを知っていても、お構いなしといった不敵な輩も目立っている。

■後付けのイモビライザーや盗難防止機器は必須

盗難防止機器の取り付けはプロショップなどに相談しよう(Михаил Решетников@Adobe Stock)

 そうした実情から、やはり一番頼りになるのは、バイパーやクリフォードなどの後付けカーセキュリティだ。

 10万~20万円の投資になるが、これはもう1990年代の人気スポーツカー ユーザーにとって、必須不可欠なものだと断言する。とくに過去30年、自宅の車庫で何の不安もなかったという人ほど気をつけて欲しい!

 新車の頃も盗難、いたずらが心配だったと思うが、それを乗り越えた安心感から油断しないこと。ここ2~3年の間に状況はかなり変わっており、治安のいい街だったとしても、遠方からプロの窃盗団が遠征してきている例があるので、安全神話は過去のものだと思った方がいい。

 令和4年の自動車盗の発生場所は「一般住宅」が全体の38.9%とダントツで、自宅に在宅中、愛車が盗まれるケースも珍しくないのだ。

 だからこそ、まだ後付けセキュリティを入れてない人は、「いまさら」と思わず、早急にセキュリティのインストールを検討して欲しい。

 その際肝心なのは、セキュリティのインストールは専門店に依頼すること。
誤作動が少なく、確実に愛車を守るためには、膨大なノウハウが必要。オーダーメイドで愛車とその使い方にあった施工を実現するには、その道のプロに頼まないと効果が半減することも!

 専門店で、施工台数が多く、なおかつこれまで施工したクルマの盗難被害がゼロ、もしくはゼロに近い実績のあるショップを調べて依頼しよう。

■セキュリティショップはかなり混み合っている

クルマ盗難の最新情報については、最寄りの警察署に相談しよう(kuremo@Adobe Stock)

 ただ、非常に困ったことに、昨今の車両盗難事件の多発の影響で、どこのプロショップも予約がすぐに取れない状態が続いている。

 そのうえ、件の半導体不足の影響を受け、一部の人気セキュリティが品薄、欠品気味に……。

 「近所でクルマが盗まれた!」といったニュースを聞いて、慌ててプロショップに相談しても、「半年待ちになります」と言われたら不安でしょうがないはず。被害に遭う前に、早めにアクションを起こすことが何より大事だ。

 あとは消極的な対策だが、GPSを使ったココセコムなどの位置情報を確認できるツールも併用したい。施錠以外、これといって防犯対策をしていないという人は、とりあえずAppleのAirTag(4780円~)だけでも、クルマに積んでおくようにしよう。

 さらに車両保険の見直しも重要。旧車の車両保険は、全損・盗難でも30万円~50万円しか補償されないパターンが多いが、代理店次第で市場価格に見合った補償額で契約できるところもあるので、根気強くリサーチ&交渉してみること(通販型では受け付けてもらえない)。

 手軽なところでは、キーを抜いてハンドルロックをかけておくのも意外に有効。アナログ式で頼りないように思えるかもしれないが、筆者の知人はこのアナログ式のハンドルロックのおかげで、盗難未遂で済んだ実例がある。

 クルマを離れるときは面倒でも、つねにハンドルロックをかけることを習慣にしておこう。

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  • 目新しいことは何もない記事。
    警察が捜査しないと言うことが問題。
    逮捕してもたいていが罰金刑なると言うことは大問題。
  • 奥の手でもなんでもないやん
    本当の奥の手なら公開しない方がいいけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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