■レトロだけじゃ語れない“ナナマル”の魅力とは
最近のクルマは、最新の技術や機能、装備を備えることで高い商品性をアピールしています。
それはクルマだけでなく工業製品であればどれも似たような状況と言えますが、「変わらないコト」を進化させながら作り続けるというモノも存在します。
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デザインや機能はその時代に合わせて、進化・変化していくのが世の中の常です。
一方で「変わらないコト」で評価され続けているものも存在します。
極端に言えば伝統工芸などはその代表とも言えるかもしれません。
一方で工業製品に関しては「目新しさ」が売れる重要な要素を占めているのも事実です。
また最近では「レトロ」や「古き良さ」といった過去を懐かしむブームもあり、デザイン的にもレトロ風なものも出ています。
そうしたなかでトヨタの「ランドクルーザー70」(以下ランクル70)は1984年の誕生以来、約40年間ランドクルーザーの普遍的価値「信頼性・耐久性・悪路走破性」を変わることなく絶えず追求し続けてきたモデルです。
ランドクルーザーシリーズには「ステーションワゴン」「ライトデューティ」「ヘビーデューティ」という系譜が存在しますが、なかでも最も過酷な使われ方をしてきたのがランクル70です。
1984年に登場した初代ランクル70は、世界的にランクルの存在を知らしめた「40系」のイメージを継承したモデルです。
その後、日本では2004年に生産終了となるものの、海外では生産が続けられてきました。
また2014年には期間限定で再販売。そして2023年11月には再再販となり、継続したカタログモデルとして戻ってきます。
ランクル70は、1984年から2024年まで本格的なオフロード設計、強靭なフレーム、高い基本性能、シンプルなパーツ構造という部分を変えずに販売されてきました。
国や地域の法規制などにより、部分的な改良や進化はあるものの、信頼性・耐久性・悪路走破性などの70らしさはそのままです。
それでいてパワートレーン、操縦安定性、デザイン、安全性能をアップデートすることで、より快適により高い悪路走破性を備えました。
このような特徴を持つランクル70について、開発担当者は「300系・250系と違い70系は変わらないコトを続けるクルマです。そのためお客様からの『変えないで』という部分が随所に残っいます」と話しています。
そのひとつが、エアコンパネルの操作です。
最近のクルマではボタン式となるのに加えて、温度や風量を自動で調整するオートエアコンや左右独立で温度が設定出来るなどの機能が備わっています。
しかしランクル70では「懐かしい!」と思わず言いたくなるようなレバー式ならびマニュアル操作が基本です。
後席にもマニュアル操作のエアコンが備わり、レバーを動かすとボォーという音と共に大量の風が出てきます。
このようなレバー式は、例えば手袋をつけていた状態でも操作がしやすい、悪路でも直感的に操作が出来るといった部分から一部のオフロード車にも見られます。
※ ※ ※
いまの時代だから最新のクルマがスゴいとも言えない「変わらないコト」が評価されるランクル70。
実際に日本での発売後には多くのオーダーが入ったことで、手に入れづらいモデルになっています。
しかし本来のランクル70は、世界中の人達の命や暮らしを支えるクルマです。
そのため、本当に欲しい人が買えるように早くなって欲しいものです。
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液晶のタッチパネルを目で追い、階層をたぐって…なんて運転中やってられませんって。