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【あの頃、あの車】2座オープンカーの金字塔、ユーノスロードスターってどんなクルマだったの?

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【あの頃、あの車】2座オープンカーの金字塔、ユーノスロードスターってどんなクルマだったの?

車の歴史 [2023.07.28 UP]


【あの頃、あの車】2座オープンカーの金字塔、ユーノスロードスターってどんなクルマだったの?
 ここ数年、クラシックな国産スポーツカーが注目を浴びている。当時若者だった現ミドル~シニア層はもちろん、10代~20代の若い世代の知名度も高い。今回は、ちょうど34年前に誕生したオープン2シーターの金字塔、ユーノスロードスターにスポットライトを当ててみよう。

【あの頃、あの車】39年前に発売したMR2ってどんなクルマだった?


1989年(平成元年)ってどんな年?
 ユーノスロードスターが日本で発売されたのは、1989年7月のこと。34年前のこの年は、バブル経済真っ盛りの好景気。そして何より、昭和天皇の崩御により「平成」という新時代の幕開けの年でもあった。政治では、海部俊樹が内閣総理大臣に就任し、海部内閣がスタート。海外では、中国の天安門事件、サンフランシスコ大地震、フィリピン国軍反乱事件など、天災や事件なども相次いだ年である。

 身近なところでは、1989年4月から消費税がスタートした。当時の税率は3%だったが、自動販売機の缶ジュースがワンコイン(100円)で買えなくなるなど、消費者の財布を直撃。その一方、日経平均株価が史上最高値の3万8915円を記録し、日本は空前の好景気を謳歌していた。定期預金金利は6%、普通預金金利でも2%と、現在では考えられないような高金利だったことも忘れられない出来事だろう。

 この年のヒットソングは、TRAIN-TRAIN(THE BLUE HEARTS)、乾杯(長渕剛)、DIAMONDS(プリンセスプリンセス)、紅(X JAPAN)、クリスマス・イブ(山下達郎)と、今でも耳にする曲が多い。平成になったことで、エンタメ分野も大きな転換期を迎えていた。昭和を象徴するお笑いバラエティ「オレたちひょうきん族」が終わり、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の放映がスタート。また、1978年に放映が始まった人気の音楽番組「ザ・ベストテン」もこの年の9月に放映が終了している。


新時代のオープンスポーツ「ユーノスロードスター」
 ユーノスロードスターは、往年のスポーツカーにインスパイアされたモデル。1950年代~60年代は、MGやトライアンフ、ロータスなどのコンパクトな2シーターのオープンスポーツが数多く誕生した時代。その世界観をリバイバルしたのが、ユーノスロードスターというわけだ。

 1989年といえば、ほかにもスカイライン GT-Rの復活、日産 フェアレディZやトヨタ MR2のモデルチェンジ、ホンダ NSX(プロトタイプ)の発表など、90年代を目前に国産スポーツブームの前夜となった記念すべき年。ユーノスロードスターも、その追い風を大きく受けて大ヒットした。マツダの成功を目の当たりにした各メーカーは、こぞってコンパクトな2シーターのオープンカーをリリースしたほどだ。しかし、現在まで連綿と生産が続くのはユーノスロードスター(モデルチェンジで、名称はロードスターに変更)のみ。多くのモデルはブームが過ぎたら生産終了を余儀なくされた。

 ユーノスロードスターの大きな特徴は、なんといっても専用のFRシャシーを採用したこと。これにより、50対50の理想的な前後重量配分と、オープンカーとしては高い剛性を確保。スポーツカーとして欠かせないハンドリングを手に入れた。エンジンは、ファミリアに搭載されていた1.6L 直4を搭載(後に1.8L 直4を搭載)。1トン前後の軽量なボディを走らせるには十分なパワーとトルクは、街中を駆け回るだけでなく、サーキットでも大いに楽しめるクルマへと昇華。また、シンプルながらも頑丈なエンジンゆえ、壊れにくいのも美点だった。

 1989年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは惜しくも受賞を逃したが(この年はトヨタ セルシオが受賞)、後に2座オープンスポーツの生産累計が世界一になったことでギネス認定を受けている。走る楽しさは変わらぬまま、現在は4代目が生産されている現役のスポーツカーで、多くのファンに愛され続けている。


いまの相場はどうなってる?
 さて、気になる中古車動向だが、生産終了から25年が経過した現在でも物件が揃っている。ただし、10年ほど前は50万円以下の格安物件が豊富で、安価に買えるスポーツカーの代表格だったが、現在は極端に安い中古車は激減してしまった。相場の下限は50万円となっており、中古車平均価格は165万円。90年代スポーツカーとしては、極端なプレミア価格となっていない。

 物件の大半は走行距離5万km~10万kmの多走行だが、なかには3万km以下の低走行も散見される。このような良コンディション車は、概ね300万円前後の価格で販売されている。また、オリジナル状態を保った車両は少なくなっており、年々希少になっている。少し高くても、状態のよいものをねらうのは鉄則。特にソフトトップは経年で激しく傷む箇所。全て交換すると20万円ほどの出費になるので、購入前は必ず開閉をチェックしておきたい。


まとめ
 バブル真っ只中に生まれたユーノスロードスターは、バブル崩壊後も生き残り、世界中で愛されるスポーツカーとなった。モデルチェンジを重ねているが、軽量ボディのFRスポーツという基本理念はそのままに、快適さも備えたクルマとして販売され続けている。

 発売から34年経つが、初代ユーノスロードスターの輝きは増すばかり。まさに世界に誇る名車といえるだろう。

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みんなのコメント

22件
  • リトラにこだわりのないひとはNBでもイイんだよ☆

    何せNA8でも大差無いんだから、リトラ無くてイイなら更に安価になるだけで内容的には同じたからね。
  • コウモリ傘をさしたようなクルマが
    今の時代に通用するはずがないじゃないか
    と、思っていたら通用するしないどころか
    ベンチマークになっていた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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