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【試乗】プロを満足させられる使い勝手と性能あり! 新型キャラバンに乗ったら商用バンとは思えないほど快適だった

掲載 更新 8
【試乗】プロを満足させられる使い勝手と性能あり! 新型キャラバンに乗ったら商用バンとは思えないほど快適だった

 この記事をまとめると

■日産の商用バンのキャラバンがマイナーチェンジを受けた

名前はかわいく顔は力強く大変身! 使い勝手の良さでプロからもアウトドアフリークからも選ばれるキャラバンがマイナーチェンジ

■グリルとバンパーのデザインが変わって力強さと大人っぽさを手に入れた

■7速ATの採用で燃費を改善し、新採用のシートが乗り心地を向上させた

「NV350」がとれて「キャラバン」となり親しみやすくなった

 昔はキャラバンが一番人気だったよな……と懐かしく思い出したりするのは、鎧甲のようなボディパーツをまとったいかついヤツが主流になる遙か以前、サーファー達を中心にアメリカ西海岸風のカスタマイズを楽しみながら普段使いする初期の”バニング”カルチャーが上陸した1970年代後半を知ってるオッサン世代だ。

 僕が中学生だったあの時代、近所の兄ちゃんが仕事で使ってるキャラバンの荷室に週末だけ厚手のカーペットを綺麗に敷いて、近年でいうところの車中泊を楽しんでたことが忘れられない。「トヨタのヤツよりカッコイイだろ?」と、それはもう自慢げだったのだ。車中泊してるのは自分の家の駐車場だったというのに。

 時を隔てて現在。キャブオーバー型の商用バンの一番人気は、その“トヨタのヤツ”。いつの間にか形勢逆転していて、これまでのNV350キャラバンは販売台数でもハイエースに水を開けられている。それを食い止めるべく、NV350キャラバンのガソリンモデルにマイナーチェンジが行われた。“キャラバン”という昔ながらのシンプルな呼び名に戻しての登場である。

 今回のマイチェンのポイントは、わかりやすいところから述べるなら、まずはフェイスリフト。グリルとバンパーのデザインが変わって、力強さと同時に大人っぽさを手に入れたように感じられる。

 インテリアにも手が入っている。黒を基調としながら全体的な質感を大幅に高めていて、乗用車っぽい落ち着いた雰囲気になった。商用バンとしてはベージュやグレーよりも砂埃などが目立ちやすいというデメリットはあるが、それよりも視覚から来る乗員の快適さを重視した結果だろう。

 新たに採用されたDの字型のステアリングも、乗り降りがしやすくていい。乗用車系には以前から採用されている、スパイナルサポート機能付きシートという、背骨や筋肉に負担をかけない姿勢が得られて重心も分散させる形状の、疲れにくいシートが備わったのもトピックだろう。

 先進安全装備も充実した。フロントカメラとミリ波レーダーを併用するインテリジェントエマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、車線逸脱警報、標識検知機能、インテリジェント式ふらつき警報、ハイビームアシストが、全車に標準装備となり、サポカーSワイドの対象となった。

 プロフェッショナルが毎日の仕事で使うクルマであり、一般の人が車中泊込みのロングドライブなどに使うクルマでもあるのだから、追従型のアダプティブクルーズコントロールが欲しいところなのだが、残念ながら今回は装備されていない。

 パワートレイン系では、2リッターのガソリンエンジンの130馬力/178Nmというパワー/トルクは変わらないものの、JC08モードでの燃費0.5km/L伸びて10.5km/Lとなり、トランスミッションが従来の5速から7速へと多段化され、シーケンシャル操作での変則も可能になった。

 新型で実用性と快適性が向上して人気復活なるか!

 さて、こうした変更を受けてキャラバンはどんなふうに良くなっていたのか。ここでお詫びをしなければならないのだが、ボクはこの試乗のあとに友人の現行ハイエースに乗りに行ってきたりはしたものの、先代にあたるNV350に乗った経験がない。だから先代から新型への進化の度合いをお伝えすることができない。でも良いか悪いかぐらいは判断できるだろう、と思いながら走り出したのだけど……いや、これがなかなかよかった。

 まず、車内が静かだな、と感じられたこと。シートの下にエンジンがあるわけだから、エンジンの音がもっと車室内に入ってきても不思議はないのだが、普通の乗用車並みとまではいかないまでも、商用バンとしてはかなり静かな部類。これには多段化されたATも、大きな貢献を果たしていると思う。

 決してパワフルとはいえない直4ガソリンエンジンのパワーやトルクの美味しいゾーンを使って走りやすいし、何より100km/h走行時のエンジン回転数は2100~2200回転ほどと低めに抑えられるため、高速巡航時にガーガーうるさい! と感じることがない。

 ギヤ比の設定も巧みで、低速域から滑らかに加速を繋いでいくし、変速ショックも小さい。道路の勾配によってはシーケンシャル操作でギヤを一段落としたりできるようになったわけだが、そんなときにエンジンの回転が上がりすぎて喧しいと感じることもない。以前の5速ATを知らなくても、この7速ATの採用が極めて有効な変更だったことは理解できる。

 もっと重要なのは、乗り心地がいいことだ。路面がどうなってるのかはちゃんと伝えてくるのに凹凸のショックはだいぶ綺麗にやわらげられて、商用バンとは思えないくらい快適。そう、“快適”といっていいレベルにあるのだ。ぶっちゃけ、友人のハイエースとも較べものにならないくらい快適。先代に乗ったことのある同業が賞賛していたくらいだからここは大きく進化している部分なのだろうが、サスペンション周りには手を入れてないということだから、どうやらそれはスパイナルサポートシートの採用によるものと見ていいだろう。

 日産の社内では商用車にこのシートを採用するのはもったいないという声もあったそうなのだが、いやいや、それは間違っている。働く人達の移動こそ快適であるべきなのだ。

 試乗会の会場にはこうしたクルマを毎日の仕事に使っているカリスマ級の職人さんがふたりいらしていた。

 彼らは「1日仕事してクタクタになって、また疲れるクルマで帰るのは気が滅入る」みたいにクチを揃えておられた。そうしたナマの声に応えるべく開発が進められたのが新型キャラバンだ、といっていいだろう。カリスマ職人さん達が新型キャラバンをほぼ絶賛しておられたことからも、その開発姿勢がうかがえる。徹頭徹尾プロフェッショナルのためのクルマ、なのだ。

 そうしたプロフェッショナル達を満足させられる使い勝手、性能、そして快適性を持っているのだから、こうした商用バンをアウトドア系の遊びに使う人達だって充分に満足させられるはず。ウソだろ? と思ったら、ぜひディーラーで試乗してみるといい。おそらく今の段階で、このクルマを凌ぐ最良の相棒はないかも、と感じられるはずだから。

 さてさて、新しいキャラバンはハイエースをうっちゃることができるのか──? 乞う御期待、だ。

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みんなのコメント

8件
  • やっとステアリングスイッチついたか。

    俺はNV350ワイドボディに乗ってるけど、あまりの装備の酷さにわざわざC26セレナのステアリングつけて、リアシートはGXから移植したよ。

    4型ハイエース、NV350ワイド、どっちも乗ってるけど何故かキャラバンのほうが好き。

    ハイエースに負けず頑張って欲しい。
  • 200系とNV350のディーゼル4躯両方持ってるけど
    長距離はNV350の方がステアリングの重さで楽
    でも燃費が悪い
    市街地は最小回転半径でハイエースが圧勝
    なので
    街乗りはハイエース
    長距離はNV350
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