想像以上にダイレクトなステアリング
クーペ状のルーフラインを背負ったSUVは一般的になったといえるが、その先鋒を務めた1台がBMW X6だった。それ以来、アウディやポルシェ、メルセデス・ベンツのラインナップでも、欠かせない存在となっている。
【画像】624psのMも魅力的 BMW X6(G06型) 兄弟関係のX5 競合Q8と新型GLEも 全111枚
初代X6、E71型が発売されたのは2008年。その型破りなシルエットに批判も出たが、プレミアムSUVの洗練性を更に高め、需要を喚起したといっていいだろう。2019年に3代目へモデルチェンジし、走りの魅力も向上している。
今回は、ベーシックなグレードのX6を改めて運転させていただいたが、装備はとても充実していた。しかもボディサイズと裏腹に、ステアリングの反応は想像以上にダイレクト。長距離移動時の快適性も、高く評価すべきだろう。
内燃機関が本業といえたBMWだけあって、エンジンはパワフル。車重2.2tのSUVを活発に走らせる、ガソリンターボとディーゼルターボが複数用意されている。
トランスミッションは、共通して8速オートマティック。リアアクスルを主体にする、四輪操舵システムが装備される。
英国市場の場合、X6のエントリーグレードになるのが、xドライブ40i。332psと45.6
kg-mを発揮する、3.0L直列6気筒ツインターボが搭載される。その上には、530psと73.5kg-mを繰り出す4.4L V8ツインターボの、M50iが据えられる。
このX6 M50iは、0-100km/h加速を4.3秒でこなす。ボディサイズを考えれば、驚くほどの鋭さだ。
当時はBMW史上最速SUVとうたわれたX6 M
英国で支持を集めているのは、燃費で有利なディーゼルターボ。とはいえ、xドライブ30dでも286psと63.0kg-mを発揮し、力強さも犠牲になっていない。それでいて、丁寧に運転すれば燃費は16.0km/Lを超えることも。
その上のM50dでは、クワッドターボの3.0L直列6気筒ユニットが400psと77.2kg-mを生み出す。マイルド・ハイブリッドのxドライブ40dでは、小さな電気モーターが3.0Lエンジンに追加され、340psを発生。燃費は17.2km/Lがうたわれる。
X6の頂点に君臨するのが、当時BMW史上最速SUVとうたわれた、 X6 Mコンペティション。BMW M5と同じ4.4L V8ツインターボガソリンを搭載し、624psと76.1kg-mを放つ。ただし乗り心地は硬めで、快適性には多少の犠牲が出ている。
プレミアムSUVとして、X6の装備に不足はない。19インチ・ホイールに車高調整可能なエアサスペンション、アダプティブダンパー、クルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキなどが標準。高機能なiドライブ・インフォテインメント・システムも備わる。
ひとつ上のトリムグレードが、Mスポーツ。ブルーのブレーキキャリパーに専用ボディキット、スポーツエグゾーストなどが与えられる。
Mスポーツ・パフォーマンスまで予算を増やせば、22インチ・アルミホイールにMパフォーマンス・サスペンションなどで武装。ハーマンカードン社製のサウンドシステムや、一層アグレッシブなボディキットも付いてくる。
人気を集める理由は少なくない
クーペ状のルーフラインながら、X6は実用性も悪くない。先代から全長を26mm伸ばしたことで車内空間も拡大されており、荷室の容量は580Lがうたわれる。ただし、ライバル以上に広いわけではない。
BMW X6に対し、賛否両論があることは確かだ。だが、モダンなプレミアムSUVとして、人気を集める理由は少なくないといえる。
知っておくべきこと
人気モデルということで、英国でのX6の中古車価格は堅調。xドライブ30dの新車価格は、2019年で5万9340ポンドだったが、現在でも5万ポンド(約905万円)以上が付いている。ガソリンエンジンの場合は、6万ポンド(約1086万円)程度は準備したい。
M50iとM50dの新車価格は、それぞれ7万6870ポンドと7万4335ポンドだった。現在は、中古車でも6万7000ポンド(約1212万円)程度の予算が求められる。 X6 Mコンペティションの場合、9万ポンド(約1629万円)は必要になる。
燃費は、xドライブ30dのカタログ値で16.4km/L。M50dでも14.5km/Lが主張される。xドライブ40iは12.5km/L、M50iでは9.6km/Lへ落ちる。
信頼性の評価では、ベースを共有するX5で、同クラスの8モデル中3位にランクイン。自動車メーカー全体としての信頼性では、30銘柄中13位となっている。
購入時に気をつけたいポイント
ケーブルの緩み
マイルド・ハイブリッドのX6では、スターター・ジェネレーターとバッテリーへ接続されるケーブルが、適正に固定されていない可能性がある。英国ではリコールが出ており、BMWのディーラーで接続状態を確かめてもらえば、不具合は起きないだろう。
実用性
同クラスのクーペSUVの中で、X6の実用性が秀でているわけではない。580Lの荷室容量は、同時期のメルセデス・ベンツGLE クーペの650Lや、ポルシェ・カイエン・クーペの625Lと比べると劣る。ただし、X6のリアシートは40:20:40の分割で折り畳める。
英国編集部の推しチョイス
トリムグレード
Mスポーツが英国編集部のオススメ。走行性能に関わるコンポーネントがアップグレードされ、スタイリングも精悍になる。クーペSUVとして望ましい仕上がりといえる。
ベスト:xドライブ30d
必要充分以上にパワフルで、価格もお手頃。燃費も良好だ。英国では流通量も多い。
ワイルドカード:M50i
624psを発揮するV8エンジンを搭載したX6は、本当に豪快。エグゾーストノートも聴き応えがあり、スタイリングもアグレッシブで印象的。中古車でも価格は高く、ランニングコストも安くは済まないけれど。
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